京極夏彦(きょうごくなつひこ)


1963年北海道生まれ。小説家・意匠家。「後巷説百物語」で直木賞、「西巷説百物語」で柴田錬三郎賞、「遠巷説百物語」で吉川英治文学賞を受賞。
京極堂シリーズ(百鬼夜行シリーズ)は、昭和初期、古本屋店主(家業は神主、副業は憑き物落とし)が民俗学・認知心理学的見地から怪異を解体(=憑き物を落とす)する物語です。
巷説百物語シリーズは、江戸末期、小悪党一味が人為的に怪異を演出して厄介事を解決していく物語です。
なお、巷説百物語、書楼弔堂、百鬼夜行、ルー=ガルーのシリーズは同じ世界・違う時代の物語で、登場人物や一部の事件が繋がっています。

◆京極堂シリーズはどれから読めばいいの? / 「ぬえのいしぶみ」はいつ出るの?
◆公式・非公式動画集

■23/02/24、KADOKAWA「遠巷説百物語」刊行(文庫落ち)

宮部みゆき(みやべみゆき)


1960年東京生まれ。「理由」で直木賞受賞。
良質のミステリー小説と時代小説を数多く発表しています。
サスペンスもの、コメディタッチのもの、超能力ものなどいろいろありますが、どれも思わず引き込まれるストーリー展開が魅力です。作品を読んだ後、あたたかい気持ちになれます。
ただ「模倣犯」だけは、個人的には再読不能なくらいきつかったです。

■23/04/19、KADOKAWA「ぼんぼん彩句」刊行(単行本)
■23/06/13、KADOKAWA「魂手形 三島屋変調百物語七之続」刊行予定(文庫落ち)

小野不由美(おのふゆみ)


1960年大分生まれ。夫は推理作家の綾辻行人。
私のお気に入りは「東亰異聞」、「十二国記」、「屍鬼」。
「十二国記」は異世界ファンタジー。ネガティブな少年少女の成長物語です。独特の世界観、さらっと突きつけられる重いテーマ、大人が読んでも楽しめると思います。
「屍鬼」はスティーブン・キング著「呪われた町」へのオマージュとして書かれた作品だそうです。日米の宗教観の違いがくっきり。

もっと知りたい方はこちらをどうぞ。
●小野不由美「十二国記」(新潮社公式サイト)

◆非公式動画集

■23/01/24、KADOKAWA「過ぎる十七の春」刊行(角川文庫版)

ジェフリー・ディーヴァー(Jeffery W. Deaver)


1950年生まれ。ジャーナリスト、弁護士を経て、88年「Always a Thief」でデビュー。
私のお気に入りは「ボーン・コレクター」をはじめとする「リンカーン・ライム」シリーズ。
二転三転するストーリーはまさにジェットコースターサスペンス。
心理プロファイルで犯罪者をどうのこうの…ではなく、微細な物的証拠や事実の積み重ねから捜査が進んでいくところが好き。

■22/11/08、文藝春秋「カッティング・エッジ(上・下)」刊行(文庫落ち、リンカーン・ライム・シリーズ)

キャロル・オコンネル(Carol O'Connell)


1947年生まれ。
98年「Judas Child(邦題:クリスマスに少女は還る)」でブレイク。
分類としては「ミステリー小説」だけど、事件を解明する・犯人を暴く物語というより「人の物語」。
作品に共通するテーマは『人は愛する者のために、どれだけのことができるのか』。
ほんのり感じる淡い狂気、時に詩的とも言える独特のスタイルの文体も、個人的には好き。
「修道女の薔薇(2016年9月刊行「Blind Sight」)が、今のところ最後の作品。

もっと知りたい方はこちらをどうぞ。
●川出正樹/キャロル・オコンネル『愛おしい骨』解説(Web東京創元社マガジン)

■20/03/12、東京創元社「修道女の薔薇」刊行(文庫、マロリーシリーズ)

トマス・ハリス(Thomas Harris)


1940年生まれ。75年、スパイ・サスペンス「Black Sunday(邦題:ブラックサンデー)」でデビュー。
1981年「Red Dragon(邦題:レッド・ドラゴン)」、1988年「The Silence of the Lambs(邦題:羊たちの沈黙)」、1999年「Hannibal(邦題:ハンニバル)」、2006年「Hannibal Rising(邦題:ハンニバル・ライジング)」とシリーズものを発表。全作品が映画化されています。
「羊たちの沈黙」はミステリー界にサイコ・スリラーというジャンルを確立した記念碑的作品としても有名です。

■19/07/26、新潮社「カリ・モーラ」刊行(文庫)

ジャック・カーリイ(Jack Kerley)


異常犯罪を専門に捜査する「精神病理・社会病理捜査班(ちなみに所属は二名だけ)」の刑事を主役とするミステリー小説を発表しています。
1~4作目はサイコ・サスペンス。異常犯罪ではありますが、主役とその相棒の軽妙なやり取りや、展開のテンポの良さで、深刻度軽減。伏線、登場人物の魅力、犯人側の論理、色々と楽しめます。
2作目「デス・コレクターズ」は、本格ミステリ作家クラブ主催「2000~2009年海外優秀本格ミステリ顕彰・最優秀作」受賞。

■17/10/06、文藝春秋「キリング・ゲーム」刊行(文庫)

ディーン・クーンツ(Dean Koontz/Dean R. Koontz)


1945年生まれ。
80年「Whispers(邦題:ウィスパーズ)」でメジャー作家の仲間入りをし、86年「Strangers(邦題:ストレンジャーズ)」でその地位を確立。92年「Dragon Tears(邦題:ドラゴン・ティアーズ)」以降、ミドルネームの「R(Ray)」を廃しています。
緻密な人物描写と背景描写、緊迫感あふれる展開と期待を裏切らない結末は、まさに娯楽小説の王道。
私のお気に入りは「ウォッチャーズ」「ストレンジャーズ」「12月の扉」。
ハヤカワ文庫でいうと「一年でいちばん暗い夕暮れに」「オッド・トーマス」シリーズあたりから作風が変わっちゃった。

■21/04/16、ハーパーコリンズ・ジャパン「ミステリアム」刊行(文庫)

タニス・リー(Tanith Lee)


1947年生まれ、2015年死去。
71年、児童向けファンタジー「The Dragon Hoard(邦題:ドラゴン探索号の冒険)」でデビュー。
75年に「The Birthgrave」でモダン・ファンタジー界にデビューし、78年から開始された平たい地球シリーズ第一作「Night's Master(邦題:闇の公子)」で人気は不動のものとなりました。
聖書や神話・民間伝承等の様々なモチーフを取り入れた夢幻的な独特の世界をみせてくれます。美しいだけではなく退廃的な禍々しさも魅力。基本的にオトナ向け。

■15/01/10、東京創元社「堕ちたる者の書」刊行(文庫、パラディスの秘録シリーズ、復刊)
■15/02/13、東京創元社「幻獣の書」刊行   (文庫、パラディスの秘録シリーズ、復刊)