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日出生台での米軍演習に関する要望書

 私たちは、99年より日出生台演習場で強行されるようになった米海兵隊の実弾砲撃演習に反対している日出生台周辺住民を中心とする大分県内の市民ネットワークグループです。2006年が明けたばかりの1月末から日出生台では6回目となる米軍演習がまた開始されようとしています。世界で最も戦争を行ってきた軍隊である米軍が、日出生台で訓練をすることによって、故郷の地が戦場と直結した場所にされつつあることに大きな不安と憤りを覚えざるをえません。
 この訓練では、大分空港、大在埠頭などの民間の空港、港湾が使用され、兵員、155ミリ砲、車両、弾薬の輸送において民間の輸送業者が使われています。本来は軍事に関わるはずのない民間がこの米軍演習を通して、軍事に慣らされ、有事における地域総動員体制に組み込まれていくことに大きな不安を感じます。
 特に今回の米軍訓練では、昨年11月末の事前調査において、日出生台演習場への到着時刻の告知を明確に行わず、3時間という大枠でのみの発表とし、さらに実際に到着したのは、その告知時間枠よりも1時間半も前だったという状況でした。また、今回の訓練日程の発表においても、通常は1ヶ月前には到着日の詳細が明らかにされていたのに、その発表が実際になされたのは、先発隊到着の1週間前というありさまで、情報公開は大きく後退しました。このような米軍と国の姿勢は、地元軽視もはなはだしく、地元自治体、住民を愚弄するものと言わざるをえません。
 さらに、昨年、12月22日に東京都八王子市で起きた事件とその後の顛末は、日出生台での米軍演習でも起きうる重大な問題を提起しました。米軍厚木基地所属の女性兵士が車の運転中に起こした小学生3人に対するひき逃げ事件のことです。この事件では、容疑者である兵士が一旦、八王子署に逮捕されたにも関わらず、「公務中」ということで日米地位協定によって釈放されました。日米地位協定は、米軍の公務執行中に発生した事件・事故の裁判権は「米軍が第一次の権利を有する」とされており、身柄拘束も裁判も米国側が行うとされています。実際、交渉は外務省など国レベルになってしまい、日本の警察も司法も手出しができません。日本国内で起きた事件を日本側が裁くことができないという、まさに植民地的状況が厳然と存在しています。
 ひるがえって、日出生台での米軍演習において、米軍車両が事故を起こしたり、演習終了後の米兵の集団外出において事件や事故が発生した場合、大分でも同じ問題に直面することになります。これまでの米軍指揮官の発言によれば、彼らの集団外出は「公務」とされているからです。このような不平等な日米地位協定が改善もされない中で、米軍の演習が私たちの生活地域において継続されることは、私たち住民の暮らしの安心、安全を脅かすものといわざるをえません。
 よって、私たちは、あらためて以下のことを国に求めて下さるよう、ここに要望いたします。

1、日出生台での米軍演習の中止 
2、夜間砲撃の中止
3、米軍演習終了後の集団外出の中止と即時撤収
4、不平等な日米地位協定の抜本的改正
5、沖縄をはじめとする在日米軍基地の整理縮小
6、詳細な米軍訓練情報の早期通知と通知情報の遵守

2006年1月17日
ローカルネット大分・日出生台

事務局長 浦田龍次
大分県由布市湯布院町川北1112-26
tel&fax 0977-85-5003

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