開いた口がふさがらないとはこのこと。
日出生台演習場で実施されている在沖縄米軍による実弾砲撃訓練で、
地元自治体関係者らに訓練が公開された9日、米軍側が参加した
一部の地元関係者に155ミリりゅう弾砲を発射させていたことが発覚。
以下、第一報を報じたテレビ大分の18時20分頃の放送
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見出し
「日出生台・公開訓練中に玖珠町町議らに砲撃」
日出生台演習場で行われておりますアメリカ軍の実弾射撃訓練で、
昨日、地元の自治体関係者に対する公開訓練中にアメリカ軍が
玖珠町の町議会議員らに砲撃をさせていたことがわかりました。
昨日の公開訓練は県と、玖珠町など地元3つの町を対象に行われ、
町議会議員や役場の職員ら67人が参加しました。
参加者は3つのグループに分かれて、155ミリりゅう弾砲の
実弾射撃訓練の様子を見学しましたが、その際、
アメリカ軍の担当者が、砲座の近くにいた玖珠町の町議会議員ら
自治体関係者にりゅう弾砲の引き金を引かせたということです。
福岡防衛施設局 広瀬行成現地対策本部長
「アメリカ側は問題ないと承知していますけれども、
やはり日本の国というのはこういう大砲を撃つということに
参画するとかですね、そういうことは社会通念上、認められない、
というか、普通の一般の方々の理解はなかなか得られないと
思いますので、まあ不適切な行為だったと考えておりますので、
米軍側に対しては、ここは不適切だったということで
もうこんなことはやらないようにと申し入れております」
人見会 衛藤洋次さん
「え、実弾こめたヤツ引っ張ったわけ?
ちょっといい加減にしてよ。何考えてるの!?(略)」
この件に関しまして、大分県の幹部は
「安全上、軽率な行動で、地元の感情を逆撫でする行為でもある」と
述べています。県では明日、地元3つの町との4者協議会を開いて、
アメリカ軍側に規律の徹底を求めるといった今後の対応策を
検討することにしています。
この取材を受けて、隠しきれないとあわてたのか、防衛施設局は、
6時20分頃の放送直前に各社へ自らファクスアウト。
それが以下の書類。
平成13年2月10日 お知らせ 米海兵隊の公開実弾射撃訓練について 1、平成13年2月9日に実施された、米海兵隊の公開実弾射撃訓練 2、当局としては、米側のかかる行為については、適切でないと考えて 福岡防衛施設局現地対策本部 |
大分合同新聞2001年2月12日(月)朝刊
玖珠町議ら3人が関与
りゅう弾砲発射
在沖縄米軍による日出生台演習場での実弾砲撃訓練で、米軍側が公開訓練を
見学した地元自治体関係者に155ミリりゅう弾砲を発射させた問題で、
県、玖珠、湯布院、九重三町でつくる「日出生台演習場問題協議会」(四者協)
はの帯刀将人副知事らは11日、福岡防衛施設局現地対策本部を訪問、
事実関係の説明や米軍司令官への規律保持要請などを申し入れた。
一方、りゅう弾砲の発射にかかわっていたのは、少なくとも玖珠町の
町議会議員2人と住民1人であることが分かった。
(中略)
誘いにのって・・・
「見学か実習かわからず」
地元自治体関係者や四者協の話を総合すると、見学者による発射操作が
あったのは三班に分かれたうちの一班で、玖珠町関係者(役場7人、
町議12人、自治委員4人)が大半を占めていた。5〜6人のグループに
分かれ、ヘルメットと防弾チョッキを着けて、発射地点を見学。
りゅう弾砲の射撃角度の設定や砲弾の装てん、弾薬の挿入法などの説明を
受けた。海兵隊員が射撃操作の一連の手順を終了し、安全を確認した後、
英語とジェスチャーで「(発射するためのひもを)誰か引っ張らないか」
などと誘ったという。「近くで見守っていた住民の一人が最初にひもを
ひいて一発目を放ち、続いて、同じグループの町議が二発目を発射。違う
グループで見学していた別の町議も隣の砲でひもを引っ張り一発を発射した」
と関係者。
これを知った福岡防衛施設局の職員がその場で海兵隊員に注意し、
りゅう弾砲の見学は終了した、と話している。
参加した玖珠町議は「福岡防衛施設局の職員は顔色を変えて抗議していた。
それまでの雰囲気ががらりと変わった」。実際に、りゅう弾砲を発射した
町議の一人は「海兵隊員と一緒に、勧められるままにひもを引いたら
発射した。弾は入っていないと思っていた」と説明している。
また参加者は「見学なのか、それとも"実習"なのか分からなかった。
海兵隊の誘いに乗って発射したことは軽率だったと言わざるを得ない」と
話している。
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地位協定第3条〔施設・区域に関する合衆国の権利〕 1合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理 2 合衆国は、1に定める措置を、日本国の領域への、領域からの又は領域内 3 合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥 |
米軍訓練2001
「即時中止」申し入れ
施設局と米軍に
"民間人発射"に抗議
住民グループ
米海兵隊の155ミリりゅう弾法を地元自治体関係者が発射させた問題で
住民グループ「米軍基地と日本をどうするローカルNET大分・日出生台」は
12日、福岡防衛施設局と米軍に対し、事実関係の徹底調査と結果の公表、
米軍訓練の即時中止を要請した。
日出生台演習場ゲート前で抗議集会を開き、約100人が参加。
「危険な行為であり、米海兵隊、防衛施設局の訓練に対する
緊張感、規律とモラル、周辺住民への配慮が欠如していると
言わざるをえない」として、事務局の浦田龍次(37)=湯布院町=が
同施設局の高木五次広報官に要請文を手渡した。
集会では「米軍は何も釈明しないまま、また実弾砲撃訓練を続けるのか」
「民間人に撃たせるほどの訓練がどれほど大切なのか」などと抗議の声を
上げた。
(後略)
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以下、ローカルNETが2月12日の抗議集会で防衛施設局に手渡した要請文書。
これと一緒に
米軍演習の即時中止と米軍自身による公式での釈明を求める
英文の要請書を米軍宛に渡しました。
福岡防衛施設局殿 要請文 米海兵隊が民間人に実弾砲撃をさせていた事件の 新聞報道などによれば、平成13年2月9日に日出生台で実施された、米海兵隊の公開実弾砲撃訓練において、見学した地元自治体関係者に米軍側が155ミリりゅう弾砲を発射させたというとんでもない事件が報じられている。 片やハワイ沖では、宇和島水産高校の生徒を乗せた実習船が、緊急浮上した米海軍の原子力潜水艦に衝突され沈没、多大な犠牲者が出るという大事件が起きている。この事件も、米軍が潜水艦に同乗させた民間人への「サービス」として緊急浮上を体験させようとしたことが原因ではないかと問題になっている。 よって、私たちは 防衛施設局に対しては、今回の事件に関する徹底調査とその結果の完全公開を求める。 2001年2月12日 |