ネパールに日本人のニセ歯科医登場

下関市 大野 秀夫
(山口県保険医協会報 252号・95年9月20日より)
日本人のニセ歯科医が出現したのは、今年一月の第七次ネパール歯科学術調査隊での出来事でありました。七次隊の四、五人のメンバーでネパールの首都カトマンズの町を歩いていると、Artificial Dental Surviceという歯科医院がありました。日本では見かけることのできない足踏み式のエンジン(歯を切削する器材)。さわったことがない私は思わず歯科医院の中に入りました。何とも言えない感動に異常興奮状態になりました。私に誘われるように写真の主、今年の月刊保団連(何月号か忘れましたが)に登場していました麻生弘先生(大分県で歯科医院を開業)も歯科医院の中に入ってきました。
中は約三畳くらい、多少は新しい歯科器材はあるものの、日本に当てはめるならぱ三十〜四十年前の歯科医院って感じでしょうか?見る物すぺてがTraditionalです。私たちも日本の歯科医。思わず私は診療台にすわり、見ようみまねで?麻生先生が「口をあーんとあけて!」何かおかしなネパールでのニセ歯科医登場となったわけです。ふと我に返り、家の中をのぞいてみると家主が我々の行動をぽほえましく眺めておりました。日本では「ばかやろ−!」となじられる光景なんでしょうか!
ネパールで歯科学術調査と歯科医療協力を始めてかれこれ七年になります。ネパールでは延べ半年程暮らしました。私は開業しているのでだんだん学術調査には興味がなくなってきましたが、これからもネパールでの歯科医療の向上にすこしでも役立てばと思い活動を統けるつもりです。
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