今年は久々に晴天の

第5回(99年)飯田高原ブルーグラスフェス

右は「大分合同新聞、99年7月25日朝刊」の記事。カラー写真が載りました。

写っているバンドはサウスバウンドです。

それにしても、25日の開催時間が午後9時半からになっている。ひどい間違い。(^_^;)


 いやあ、疲れました。でも、やっぱりフェスは野外です。

2年連続で集会所でのインドアフェスと化していた飯田フェスですが、今年は久々の晴天にめぐまれた2日間のフェスでした。

 23日(金)の夜、バンドの練習をしようと、ドブロ担当の阿部くんと二人、風の丘へ着くとすでにざわざわと何人か集まっており準備作業中で、練習などという雰囲気ではありません。おまけに、会場の「風の丘」のオーナー亀田氏は、今朝ご近所に亡くなられた方が出て、地区の役員をしているのでその準備などにも行かねばならないそうで、そわそわとして落ちつきがありません。まったく、「こんな日に死なないで〜。」と叫びたい気分になりました・・・あ、亡くなられた方に失礼でした・・反省。とりあえず土曜の朝からの予定だったステージ作りを急遽やることになり、星空の下で、大工仕事となりました。それでも、人海戦術で1時間程度で完成しました(もっとも、基礎作りを亀田氏があらかじめ、何日もかけてやってくれていたからですが)。

 11時過ぎから、準備の合間をぬって、そそくさとバンドの練習を1時間たらずやり、その後は半分宴会気分の打ち合わせ会です。なんやかやと慌ただしく、午前2時頃に帰宅とあいなりました(風の丘に泊まってもよかったなあ)。

 24日(土)、8時半自宅を出発のはずが、同乗者の阿部くんの寝坊で遅刻(許してあげましょう、風の丘から帰ってから、朝5時まで職場で残業だったそうです)。9時の集合時刻に、30分程遅刻してしまいました。さっそく準備です、テント張り、道路に道順を示す掲示板の設置、売店と受け付けの準備、などなどと順調に進みます。天気も良く、今年は久々にアウトドアフェスが味わえそうです。

 ほとんどの準備も終わり、亀田氏も葬式から帰ってきて、さあ・・・、なんとまだPAが来ません。そうこうするうちに、次々と人がやってきます。はらはらしましたが4時少し前にPAが到着、スタッフ一同あわててマイクとスピーカーをセット。そして、4時45分、定刻のスタートとなりました。

 初めはナチュラル・ファーソル・バンド(日田市)でしたが気の毒でした。PAのセッティングの為の音合わせで終わってしまいました。その後の5バンドぐらいも、PAセッティングの為みたいな感じで、ホントに申し訳なかったです。出演されたバンド関係者の皆さん、本当に申し訳ありませんでした。うちのバンドが出演する頃になって何とかセッティングが出来たって雰囲気で、これまた申し訳なかったです。はい。

 夕暮れ間近の会場の風景は、素晴らしいのです。月が出て、一番星が出て、そして風の丘から望まれる九重連山が漆黒に色を変えていく、会場には生の音楽が流れ、ステージに明かりが灯る。ステージを離れたテントサイトからも楽器の音や歌声が聞こえてきます。これが、アウトドアフェスの醍醐味ですね。そしてすっかりと暗くなってからもまたいい感じなのです。のんびり、広々、ゆったり、そんな言葉がぴったりです。

 とはいえ、こちらスタッフは大忙しです。受け付け、案内、売店、ステージのセッティング、進行・・・。受け付けを通さず入ってくる車や、指定以外の場所へ勝手に止める車などもいて、その対処にも追われます。それでもステージに関しては、大したトラブルもなく、どのバンドの方も協力的で、時間を守ってくれます。進行係の私としては楽なことこのうえないです。

 締めくくりのジャムも時間通りにきっちりと終わり、お後は定番、徹夜組も現れる朝までの大宴会です。あちこちにいろんな輪が出来ています。延々と楽器を弾き続けるところや、ただ酒をガンガンと飲みまくっているところ、はたまたワークショップをみっちりとやっているところ、などなど。今年は広島から参加の河村さんを中心にドブロ弾きが5人集まり、ワークショップをやっていました。うちの阿部くんはなかなかと積極的です。一生懸命にカットを習っていました。それに比べ、私はたいして弾ける曲がないし、かといってバンジョーを習うような熱心さもなく(大反省)、なんとなくあちこちに出没してうろうろするだけなのです。グラスホッパーのメンバーご夫婦の娘さん(美人なのよ)とお話する機会がありました。聞けば、ご夫婦とも50歳ぐらいになってから初めて楽器を持ち、そして今はすごく楽しんでバンドをやっているそうで、素晴らしいご夫婦です。娘さんも、ベースをやっているそうですが、今はバンドとしては参加していないとのこと。うーん残念、近くなら亀田氏などクビにしてすぐうちのバンドにメンバーとして入っていただくのですが・・・(うはは、亀さんゴメンね)。

 そのすぐ横では女性プレイヤーへの、おじさん方のワークショップが開かれておりました。女性の皆さんも実に熱心です、フィドル、ベース、マンドリンはいますが、なぜかここ九州では最近女性のバンジョー奏者を見かけません(中島さんとこは別として)。女性ボーカルの方もなぜかギターは弾きません。ボーカルに専念って感じですね。このへん、もう少し女性の方の出現に期待したいものです。そうすれば、女性だけのジャムバンドなんてのもできます。ぜひ実現させたいものです。

 実は、アプリコット(日田郡・大山町)という主婦だけのバンドがあり、活動はしているそうで今年のフェスにも、何人かメンバーの方はこられてました。亀田氏や上尾氏はこのバンドを称して、「人妻バンド」などと呼んでおります(なんだか響きがいやらしい、おっさん丸だしですな)。

 午前3時過ぎには、まだまだたくさん残って騒いでいる人たちを後目に私は就寝させていただきました。楽器の音を聞きながら、いつの間にか眠ってしまいました。

 25日(日)は、昨年に比べてバンドも結構残ってくれていて、前日に続いて楽しめました。ただ、やはり寝不足と二日酔いがたたるのか、どのバンドも前日に比べてパワーダウンでした。

 今年は、なんとうちのバンドがトリ前をつとめさせていただきました。実力もないバンドですが、自分たちは今までで一番楽しく演奏出来ました。阿部くんの鶏の声も飛び出しましたし。亀さんの強引なアンコール要求も。いかがだったでしょうか・・・・。

 アーリータイムスの最後の演奏の後はジャム、そして定刻2時で終了。

 その後は、そそくさと後片づけです。ステージを解体し、テントをたたみ、表示板を撤去し、約2時間程で片づけは終わりました。徐々に風が強まってきて、片づけが終わる頃から雨がひどくなってきました。タッチの差で、今年は天気には恵まれたようです。台風が近づいてきていました。

 バンドも様々ですが、今年思ったのは、女性の参加しているバンドの華やかさです。また、観客を乗せ、見せるバンドというのは、バンドそのものが楽しそうにやっています。オーロラ照美ショーやメンフィスなどはその代表と言えるでしょう。本当に楽しそうですし、見ているこちらも実に楽しめます。

 女性ボーカルも素敵な競演がありました。ナチュラル・ファーソル・バンド、ブルーグラス・カミング、クレージー・クリーク、オーロラ照美ショー、どの女性ボーカルも素晴らしいです。

 それから、元々流れている血が違うのか、アーリータイムスの来年3月までのメンバー、Katy夫妻(大分大の留学生夫婦)のフィドルは圧巻でした。フレーズや音とか、なにかが違うのです。いくら日本人がやっても到達出来ない何かがあります。それは逆に言えば、例えばアメリカ人が三味線や尺八をやるというようなものなのかもしれません。

 加えて、バンドを見ていて思うのは、うまいバンドというのは、リズム感と押しの強さなのではないでしょうか。リズムの安定しているバンドは安心して見ていられます。河村清治さんが言われてましたが、マンドリンがカットをしっかり刻んでいるバンドはリズムが決まって安定するそうです。もうひとつ、楽器はうまいけど歌になると・・・・って、バンドが結構あります。逆に歌とコーラスがいいと、演奏は少々ヘタでもバンドは引き立ちます。うーん、難しいものではあります。

 ともあれ、この飯田フェスにはいろんなタイプのバンドが登場します。ブルーグラスに限らず、ドーグにジプシージャズ、ロカビリーにナターシャ、ついでに加川良まで・・・。なかなかと楽しめるフェスではあろうと思います。

 会場までのアクセスはわかりにくいのですが、ロケーションは最高だと思います。今年参加の皆さんはもちろんのこと、来年はより多くの方のご参加を期待したいと思います。

 来年も晴れてくれー!


参 加 バ ン ド
ナチュラル・ファーソル・バンド(大分県・日田市)
サウス・バウンド(大分市)
TOM & RICKY (福岡市)
ホット・倶楽部・du・Oita (大分市)
パープル・バレー(福岡市)
J's カントリー・ボーイズ(熊本市)
ブルーグラス・カミング(熊本市)
ログ・キャビン・ボーイズ(九重町)
グラス・ホッパー(長崎市)
河村清治 & フレンズ(広島市)
東 & 江藤(熊本市)
イエロー・グラス(熊本市)
ハマグリ・スーパー・ピッカーズ(北九州市)
クレージー・クリーク(福岡市)
オーロラ照美ショー(鹿児島市)
保井豊 & フレンズ(北九州市)
TOKUDAスペシャル(福岡市)
スティック・アラウンド(大牟田市)
メンフィス(北九州市)
デット・ヒート(鹿児島市)
ハッチャリー・マシン・バンド(久留米市)
アーリー・タイムス(大分市)



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