台風の中の「第3回飯田高原ブルーグラスフェス」、無事終了!

麻生 弘

右の写真は。大分合同新聞の記事より転用
27日、午後の寄せ集めバンドです。


今夏も「飯田高原ブルーグラスフェスティバル」が開催されました。
第3回の今回は日程を少し早めて7月最終の土日に行われました。しかし誰が悪いのでしょうか、見事に台風の日に当たってしまいました。
以下はまたまた、その報告記です。

7月25日夜、台風はどうやら明日には九州か四国に上陸の模様。
もっとも今のところは雨も風も大したこともないようで、本当に台風は来るのか、もしかしたらコースをそれて結構天気は良くなったりして・・・と淡い期待。
そんな期待はみごとに裏切られてしまいました。
ブルーグラスフェスの日に合わせたように、ちょうど台風が通過してしまいました。 野外フェスの最大の敵は天候です、全く泣けてきます。
26日朝、風雨が強まるなか自宅を出発。会場予定地の風の丘へ着いてみると人の気配はありません。雨天会場予定地の飯田高原集会所に行ってみると、スタッフはすでに多数集まっていました。会場はやっぱりここに変更です。この風雨では当然でしょう。しかし、こんな天気ではいったい何人の人がやってくることやら・・・・・・。
気を取り直し、スタッフ一同準備にとりかかりました。
道順案内の標識を立てる作業をした午前中の雨は、まるで蛇口を最大にひねったシャワー、雨合羽を通して雨がしみこんでくるような気がしました。
ずぶぬれになって作業を終わらせた昼過ぎの集会所で空しい気持ちでスタッフ一同、参加バンドと観客を待っていました。
不思議と参加バンドのキャンセルの連絡は全くなかったので、
「みんな本当に来るのかな、来るなら根性あるよね。」
などと話しながら待っていると、開始時間が近づくにつれ、来ました来ました。
そう、参加バンドはみんな台風の中をやってきてくれたのです。
福岡から熊本から、そして長崎や鹿児島からも車で何時間もかけてやってきてくれました。 そして、蓋をあけてみると近所の人達もぞくぞくとやってきて会場は満員、約150人の人が集まってくれました。
私を含め3人でタイムキーパーと司会をやったのですが、今年は信じられないくらいどのバンドも協力的できちんと時間通りに進行。
22バンドの参加した6時間の演奏会は時間通りに終了しました。
改めて、ブルーグラスをやってる人達のパワーと人間の暖かさを感じました。

今年のバンドは色々なタイプのバンドが出演し、なかなか楽しい構成でやれました。
クラスター・プラッカーズあり、グリスマンあり、スクラッグスあり、スタンレーあり、おまけにクイーンにプレスリーにジャンゴ&グラッペリまで登場。結構なんでもありの面白さが楽しめました。女性ボーカルの入ったバンドも3バンド。いやー、女性ボーカルはいい。つい時間を忘れ、
「演奏時間もう5分あげちゃおうかな。」
などと思ってしまいました。はい、私そんな只のスケベ親父であります。はは、反省。

夜になり、宿泊の問題がありましたが、これも皆さんに雑魚寝や車中泊でがまんしていただきました。集会所でジャムにいそしむ人達を後目に私も睡眠をとるため午前2時前、車のなかに引き上げました。外は風雨がまだまだ激しく、時々強風で車が揺れてなかなか寝付く事ができませんでした。

あけて27日朝8時、
いくらかは天気も回復してきているようで、雨は止み風も治まってきました。
起きてみると何だか人の動きが変です。どうしたのだろうと思っていると、実行委員の一人上尾氏がやってきました。大変なことになりました。集会所で今朝から開催予定であったゲートボール大会の会場内に誰かが車を乗り入れたようなのです。ゲートボールのコートには車のタイヤのあとがくっきり・・・。大会はどちらにしても中止になったようなのですが主催者は、
「丹精こめて整備したコートによそ者の車が入って、めちゃくちゃだ。どうしてくれるんだ!」
と、かんかんに怒っているようです。それはそうでしょう、きちんと整備していたゲートボール場に車で乗り入れられたのですから・・・・。
亀田氏(風の丘オーナー)と山本氏(実行委員長)がおわびにいったようですが、怒りはなかなか治まらないようです。一度戻ってきた二人ですが、亀田氏がもう一度、主催者の自宅へおわびに行くことになりました。30分ほどして戻ってきた亀田氏ですがどうやら怒りは解けたようです。集会所に集まっていた人達もほっとしています。
「いやー、世間話をしてきました。地元の人間のあんたが謝ってくれたからと許してくれました。私も9年住んで、やっと飯田の人間になれた気分です。よかった。」
疲れた表情の亀田氏ですが、さわやかな顔をしています。
フェスは地元の人達の理解と協力がなければやれないのですから、この亀田氏の言葉は私の心にも何か感じるものがありました。
とんだハプニングで時間をとられ、ばたばたしているうちに9時半になり、集会所での2日目がスタートしました。
バンドは結構帰ってしまってなかなか出演バンドが揃わず大変でしたが、それでも寄せ集めバンドで穴埋めをし、予定より少し早めの午後1時半、今回も無事終了する事ができました。
2日目で印象的だったのは水谷ファミリーバンドです。以前、大分の老舗バンド「アーリータイムス」のベースを担当していた水谷氏ですがインドネシアへの転勤でバンド脱退を余儀なくされていたのです。今回、フェスにあわせて休暇をとり家族揃っての一時帰国。家族4人で演奏した「アショカン・フェアウェル」に会場が割れんばかりの拍手を受けていました。きっと異国の地でも家族揃って音楽を楽しんでいるのでしょう。素敵な家族です。
女の子達のバンド。ブルーグラス・ガールズの演奏もなかなかでした。
クリプルクリークとキャベツの二曲。小学校低学年のうちからフェスで演奏していれば、いずれは中島ファミリーのようになるのでしょうか。ブルーグラスの未来は明るいぞ。

後片づけの頃には皮肉なことに陽が差し始め、せっかく作った野外ステージも一度も使うことなく撤去。足場を組みコンパネを張って作ったステージを壊すのはとても空しい気持ちでした。
「このステージ、まるで公共事業だなあ・・・。」
とは、私のつぶやきでした。

来年は晴れることを願いたいものです。
そしてこれに懲りずにぜひ来年も多数の方のご参加をお待ちしています。

写真提供(古池 英明 氏)

[参加バンド]
アーリータイムス(大分市)
なごみの時間(北九州市)
グリスマン・ゴッコ(福岡市)
ログ・キャビン・ボーイズ(九重町)
J'S カントリー・ボーイズ(福岡市)
ロンサム・ヘアー・バンド(熊本市)
東ブルーグラス・スペシャル(福岡市)
ブルーグラス・カミング(熊本市)
ターコイズ(福岡市)
フォア・ローゼズ(北九州市)
遠藤商会(福岡市)
クレージー・クリーク(福岡市)
パープル・バレー(福岡市)
ホット倶楽部.du.OITA(大分市)
デッド・ヒート(鹿児島市)
ハッチャリー・マシン・バンド(久留米市)
スティック・アラウンド(大牟田市)
サウス・バウンド(大分市)
メンフィス(北九州市)
グラス・ホッパー(長崎市)
中島ファミリー・バンド(福岡市)
ブルーグラス・ガールズ(大分市・北九州市)
水谷ファミリー・バンド(インドネシア在住)


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