第一回飯田高原ブルーグラスフェスティバル顛末記

麻生 弘

 「太宰府ブルーグラスフェスティバルが、平成5年で幕を閉じ、阿蘇ブルーグラスフェスティバルが平成7年は中止。九州で2年間に2つのフェスが中止を余儀なくされてしまった。このままでは、九州のブルーグラスはどうなるのだろうか....。なんとかしなければ。」 というような、大それた考えでは決してなく、「主催者も楽しめるフェスをみんなでやろう。」、と九重町に本拠を置く『ログキャビンボーイズ』と大分市に本拠を置く『アーリータイムス』、『サウスバウンド』のメンバーが集まって準備を始めたのは今年の冬であった。  そして何度かのミーティングの後、九重町で「第一回飯田高原ブルーグラスフェスティバル」を8月26日、27日の2日間にわたり開催することになった。  当日は、雨にたたられたり、不手際もあったりで、多くの人に迷惑もかけてしまったが、とりあえずは大きなトラブルもなく、入場者数も230人。楽しく終了することができた。 以下はその顛末記である。

地元町長を表敬訪問

九重町と九重町教育委員会の後援を得ることができたこともあって、フェス初日、大会委員長の山本氏と私は、中島ファミリーバンドと共に九重町長のもとに表敬訪問に向かった。町長、助役、収入役の前で演奏。拍手喝采で町長はすぐに、中島ファミリーバンドの大ファンになったようだった。「来年の九重町の成人式のゲストにぜひ。」とのラブコールだったが、姉妹のうち3人はそのころナッシュビルにいるのでは...?  この表敬訪問のおかげで、行政にもブルーグラスを知ってもらえたし、来年のフェスへの協力も約束してもらえたのは思わぬ収穫であった。

それは雨で始まった

 4時スタートのはずが、突然のにわか雨。すぐに止むだろうとの思いとは裏腹に、雨足は強くなるばかりだ。緊急のスタッフ会議、「スタートを5時に下げよう。」との決定がなされるが、雨はいっこうに止む気配がない。イライラしながら待つこと1時間、どうやら降ったり止んだりの小雨模様となった。急遽ステージ上にテントを設営してのフェスのスタートとなった。  PA担当の永楽氏の顔色がさえない。それはそうだろう。スピーカーもマイクもびしょぬれだ。野外用にスピーカーには防水処置をしてあるとは言っていたが...。  キックオフは我がバンド、『ログキャビンボーイズ』。ヘタな演奏は早々に切り上げ、次のバンドへバトンタッチ。降ったり止んだりのいやな天気だが、なんとかプログラム通り、バンドの演奏は続いていった。いつの間にか満天の星空となり、スタッフ一同ホッと胸をなでおろした。  この夜のトリは、『中島ファミリーバンド』年々うまくなるなーとタメ息。解散はおしいね。そしてブルーリッジ、デイブレークインデキシーの2曲をステージでジャム。一気に盛り上がり、11時過ぎに終了となった。  ステージの後は、例のごとく深夜までジャムの音があちこちで鳴り響いていた。

バンドが足りない

 翌早朝、この日はバンドのエントリーが少なく、司会の上尾氏と私はバンド集めに奔走。早朝に帰ってしまったバンドも多く、何人か残っていても「フルメンバーが揃わないとやれない。」と冷たい返事が返ってくる。何とかバンドは揃ったが、最後までハラハラしたのも事実である。  この日は一般入場者もけっこう多く、九重町報と新聞社の取材もあった。  演奏ばかりでなく、新趣向をとのことでやってみたビンゴゲーム大会。会場は大いに沸き上がり、飯田高原特産のキャベツや、とうもろこしの景品も大好評であった。地元の方々の協力があればこそである。感謝、感謝。  この日のトリは大分ナンバーワンの『アーリータイムス』、いつもながらの安定したプレイはさすがだ。ステージでのジャムの後、大会委員長山本氏の挨拶で、午後2時半終了。 思いのほか、入場者数も多く、スタッフ一同も笑顔で終了することができた。

反省点、その他

1.天候対策を考慮すべきであった。  今回は金銭的に余裕がなかったが、できれば屋根付きのステージを組みたい。 2.料金設定が高すぎたか。  フェスの入場料も含め、キャンプ料金も少し高いのではとの批判もあった。  (来年は入場料、キャンプ料金とも少し抑えてやろうと思っています。ぜひ又多数の方に来ていた   だきたいと思います。よろしく) 3.日曜日もぜひバンドのエントリーを  太宰府フェスの感覚が残っているのか、フェスには土曜の夜だけ参加して、日曜の早朝には帰ってしまうバンドが多かった。飯田高原のフェスは、一般の方々へのPRも一つの目標としているので、日  曜日にも多数のバンドのエントリーをお願いしたい。また、身内だけでなく、一般の方々へも聞かせる演奏の工夫をしていただきたい。

総括

   9月8日、スタッフの反省会を開いたが、PAの永楽氏の手伝いをしていた、大塚さんという20代の女性が、ブルーグラスをやりたいと言いだし、事もあろうに我が『ログキャビンボーイズ』のメンバーに加わることになった。初めて聞いたブルーグラスの音とフェスの雰囲気に、すっかり毒されてしまったようで(?)、実を言えば今回のフェスで 一番得をしたのは、うちのバンドではないかと思っている。  皆さん、来年もフェスやりましょうね。

[参加バンド]


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