もちろん、言葉通りに受け止めれば、海面から海底までの全部の層を探っていくという釣法だが、私はいくつかに分けて考えている。
 いつでもどこでも海面から海底まで探っていくのかと言えば、そんなことは誰もやっていないだろう。定期的に磯に通っていれば、季節に応じて、水温に応じて、魚のいる層はある程度把握できているはず。
 その層に応じたタックルでその層を中心に探っていくことになる。梅雨グロから秋口の活性高い時期ならほんの浅いタナでも仕掛けをひったくっていく。
 そんな時に私が使う基本的なタックルは、ロッドは1号クラス、リールはユニチカのGAUマークス1.75号を巻いたトーナメントZ2500LBD、ウキはキザクラのTIERの00号、ハリスはユニチカのアイガーVスーパーの1.5号を道糸と直結。ハリスにはガンダマを打たず、ハリはグランの6号を基準にしている。
 次にマキエだが、半日分のマキエとして、オキアミ生2角にジャンボ1角、集魚剤はマルキューのV10を1袋、えさ取りの多い時はこれで3時間分くらいか。サシエサは生・半ボイル・自家製ムキ身、それにマルキューの『ミラクルエース』と『V9』が必携だ。
 仕掛け投入時に竿先から付けエサまでが一直線になるようにしてできるだけゆっくり落としこんでいく。タナが浅く、エサ取りがいない時や少ない時は、マキエと同調させるためマキエを先打ちし、即座に仕掛けを投入する。
 1月の中旬から4月いっぱいまでのいわゆる寒の時期(鶴見・米水津では水温が14度台から16度くらいまで)になると、タナもぐっと深くなりアタリもホントに小さくなってくる。こうなってくると仕掛けをいじっていかなくてはならない。
 この時期私は、ウキをキザクラの『全層Let’s 0』にし、ガンタッチかJクッション水中のJ5を直結部に付け、ハリスの中間部にジンタンのG4〜G6を状況に応じて打っていく。『全層Let’s』は穴の径が大きく糸落ちが抜群にいい。この時期の大分の海ではタナが竿1本半〜2本半になってくるし、エサ取りもほとんど気にならないのでどんどん底まで探っていける。
 もちろん、マキエもそれに応じて比重の重いものに変えなければならない。私はマルキューの『遠投フカセグレ』を使う。これは約10秒間で1メートル沈むように設定されている。他の集魚剤も袋に10秒間で何メートルと表示されているので参考にされると良いだろう。
 それにしてもこの時期のクロはアタリが小さい。ウキはもちろん竿先にも出るようなアタリは無くラインの動きに注意していなければならない。
 それでアタリが取れないときにはウキを『TIER 0〜B』に変え、半遊動仕掛けにし、タナを竿1本半にし、仕掛けが馴染んだらゆっくり沈むように設定する。そうすると仕掛け全体を張ったまま深く探っていけるので小さなアタリを拾うことができる・・・こともある。
 
 私がこの全層釣法に出会ってからは、クロはもちろんチヌ・イサキ・青物などいろんな魚種が釣れだしたのは確かである。この釣り方をするには仕掛けからマキエまでトータルで考えていかなければならない。
 魚種や季節や水温に応じて仕掛けの落ちるスピードを調節しながら釣っていくためには、ウキのサイズ、ジンタンのサイズ、また打つ場所を頻繁に変え、魚のアタリを出すように努めなければならない。実際、これがなかなか難しい。難しいから面白い。釣れないからまた行こうと思うし、釣れたらまた行こうと思う。
 結局、釣りは面白い、行けば行くほど釣りの世界にはまり込んで行く。魔性の世界なのだ。