「そんたく」は世の中の随所に存在している。トップの意向をいちいち言葉で聞かなければ指示として通らないというのでは社会は成り立たない。あうんの呼吸と言う。呼吸だけで意図を察することは実務能力の高さでもある。
首相から官僚への指示も、周囲から見て正確で詳細で適切であるとは限らない。部下はその意図をくもうと懸命に試行錯誤する。そんなことは日常の業務である。
ではなぜ、加計・森友学園問題を不愉快に感じるのか。
これらの事案が特定の権力者たちの利益だけを目的としたものであるからだ。「誤ったそんたく」の修正をせず、その結果に対する責任を部下や目下の人に押し付けるところが不愉快なだけである。
これまでも、これからもこうやって社会は成り立っていくのであろう。そんたくは悪意なく行われる行為であるから無くなることはない。
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