 |
| 進化する前立腺肥大症の低侵襲治療 |
| メスを使わない最先端のレーザー手術法 |
| “HoLEP”(ホーレップ)とは |
レーザー光を利用した治療は出血や痛みが少ないため、患者さんに負担の少ない手術を可能にしています。“HoLEP”という最新の手術方法は、内視鏡を尿道から前立腺に通し、レーザーファイバーと呼ばれる機器を前立腺の内側(内腺)と外側(外腺)の境目に挿入して行います。そしてホルミウム・ヤグレーザーという種類のレーザー光を照射し、肥大した内腺(腺腫)を外腺から切り離します(核出:くり貫くこと)。膀胱内へ核出された腺腫は別の機器で細切・吸引しながら摘出します。 これまで前立腺肥大症に対し施行されてきたTURP(経尿道的前立腺切除術)は腺腫を電気メスで削り取ってくるため、削る(切開)と止血(凝固)を交互に行わなくてはならず、技術が未熟であったり、大きな前立腺肥大において、ある程度の出血は防ぐ事ができません。ホルミウム・ヤグレーザーは切開と凝固が同時にできる利点と、核出術であるため直接内腺を傷つけないので出血自体が少ないという利点があります。このことにより“HoLEP”による治療法は、TURPに比べて出血量を少なくすることが可能となったのです。また、入院期間や完治までの期間も短く、低侵襲な治療法として非常に注目されています。
患者さんへのメリットが大きいHoLEPですが、実施している医療機関は、全国で約80施設です(2008年9月現在)。体に負担の少ない手術方法であるため、より多くの医療機関で導入されることが期待されています。
九州では福岡、鹿児島、沖縄で導入されておりますが、大分では導入施設がなく、
当院が大分県内で初の導入となります。 |
 |
 |
 |
|
| HoLEPとTURPの違い〜治療のイメージ比較 |
| 下図のようにHoLEPはみかんの実を皮からはがすように前立腺腺腫を核出します。一方、TURPはみかんの実を直接切除していくため果汁(出血)が出てくるのを防ぐ事ができません。 |
 |
|
| HoLEP治療のメリットの確認 |
| HoLEPの特徴は、レーザー光の照射だけではありません。この治療方法は、体への負担がより少ない前立腺肥大症治療を実現します。 |
1. メスを使用しない、体に優しい手術
内視鏡を使用する手術ですので、メスで腹部を切る必要がなく、体への負担がより少ない、患者さんのQOL(Quality of
Life:生活の質)向上に貢献できる治療法です。
2.
安全性の高い手術
HoLEPに使用されるホルミウム・ヤグレーザーは、水への吸収率が高いため、組織到達深度はわずか0.4mmです。また、ホルミウム・ヤグレーザーは、レーザーファイバーの先端を組織から5.0mm離すと組織に影響を与えません。つまり尿道や膀胱内が水で満たされていれば、ほかの組織に影響を及ぼすことなく照射できます。2.0mm以下の距離では、組織の切除が可能となり、同時に組織を焼くことで止血が行われます。そのため、出血が少なく、切除痕の回復も早く、結果的に入院期間も短縮されるといったメリットも生まれます。
3. 痛みが少ない手術
このHoLEPは、前立腺組織のうち、血管が少ない外腺と内腺の境目を切除しますので、出血や術後の痛みが少ない手術です。そのため、鎮痛薬を使用する頻度が少なくなっています。
4.
合併症が避けられる
HoLEP同様、内視鏡を使用する前立腺肥大症手術であるTURPは、非電解質の灌流液(手術の際の出血や切除した組織を洗い流すための液体)が体内に吸収されることによる「低Na血症」という合併症を起こすことがあります。しかし、HoLEPでは、血液・組織液と浸透圧が等しい生理食塩水を灌流液として使用するため、この「低Na血症」が起こりません。
5. 再発の可能性がきわめて低い
HoLEPでは、肥大した前立腺組織(内腺:腺腫)を核出するため、残存組織が少なく、再発の可能性はほとんどありません。 |
|
| HoLEPの治療費 |
| HoLEPは経尿道的前立腺手術の一種でありTURP同様、健康保険が適用となります。手術費がTURPとほぼ同額であるため、入院日数がTURPよりも約7−10日間短いことにより、HoLEPはTURPよりも約3万円程度安くなります。通常、5日間の入院治療で3割負担の方は約10万円、1割負担の方は約3万円となります。 |
|
| HoLEP術後の注意点 |
| レーザーにより核出された尿道粘膜が再生され、手術局所が完全に治癒するまでに約2−3ヶ月かかります。手術後1ヶ月間は日常生活で次のような点にご注意ください。 |
1) たくさん水分をとる。
・ 尿路感染症を防ぐためです。
・ コップ5−6杯/日以上が飲水量の目安です。
・ 水、お茶、コーヒーなど何でも結構です。
2) アルコール、スポーツ、長期座位(旅行など)を控える。
・ 術後1ヶ月くらいは出血することがあります。
3) 便秘を解消する。
・ 下腹部に力が入ると出血の危険があります。
・ 便秘症の方はお知らせください。
|