| おなかを切らずに超音波で治療する |
“ 早期前立腺がんへの新しい手術 ”
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| ハイフ療法:HIFU (高密度焦点式超音波手術) |
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ハイフ療法とは高密度焦点式超音波手術の略称で一般的に使われている検査用超音波の数万倍という
強力な超音波を一点に焦点を合わせて焦点領域だけを80度から98度に加熱し前立腺癌を熱凝固させて癌を死滅させる新しい方法です。
左図がハイフ療法の簡単な図解です。治療は、まず腰椎麻酔を行い下半身を麻酔した上で行われます。患者さんは麻酔後ベッドに仰向けになり、
肛門から直腸にプローブ(ハイフ治療器)が挿入されます。その後コンピューターにより前立腺の大きさや位置等を確認し超音波が照射されます。
照射は3mm×3mm×12mmの範囲で行われ、前立腺の大きさや形にもよりますが通常これを1000回〜2000回繰り返します。
また、焦点領域は80〜98度と高温になりますが、焦点から5mm離れた部位の温度は50度前後まで低下し、
正常組織の損傷を防いでいます。 |
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左図のように長方形の焦点位置を少しずつ移動しながら前立腺全体を治療し癌組織を熱凝固させて死滅させます。前立腺癌は早期であっても癌が前立腺内に散らばっていることが多いので、前立腺全体のHIFU照射が必要です。
治療時間は前立腺の大きさによりますが約1-2時間程度です。
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| ハイフ療法の特徴(利点) |
○お腹を切らないので出血がない
○入院期間が短い(3泊4日)
○術後の尿失禁が起りにくい
○術後の勃起不全が少ない
○前立腺全摘出術と同等の手術実績
○身体の負担が少なく年齢に関係なく治療を実施できる
○何度も繰り返し治療できる
(開腹手術は1度のみしか出来ません)
○開腹手術や放射線治療後の局所再発にも施行可能
○重い合併症が少ない |
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| 治療効果 |
この新しい治療方法は東海大学八王子病院泌尿器科の内田豊昭教授(元北里大学泌尿器科講師)により1999年1月より日本で開始され、2008年6月までの9年間に851人へのハイフ療法が実施されております。
治療後1年以上経過した患者さんを集計し、PSA値が手術後最低値から2ng/ml以上上昇しない例を有効(再発なし)とすると、低リスク群(stage T2b
まで、Gleason score 2-6でかつPSAが10以下の場合)95%、中リスク群(stage T2b まで、Gleason score
7でかつPSAが10以下の場合)89%に有効という目ざましい結果が出ています。一方病気が進行している高リスク群(stage T2c 以上、Gleason
Score 8-10あるいはPSAが20以上の場合)では48パーセントと明らかに有効率が低下しました。
ハイフ療法は、前立腺内にとどまる早期癌(前立腺限局がん)を対象とした治療です。低・中リスク群であれば早期がんの可能性が高くハイフ療法の適応であると考えます。高リスク群はPSAが20以上で前立腺被膜外への浸潤、30以上で骨やリンパ節への転移の可能性が高くなり、すでに前立腺外への進行を来たしている場合が多く、このために治療成績も低下します。 一方、前立腺の標準的治療法とされている前立腺全摘術でもPSA値が20以下の場合や低・中リスク群の5年有効率は約80パーセントですので、本療法の効果は早期がんに限り開腹手術とほぼ同等と言えます。
これまでにハイフ療法を受けられた851人中、2回治療されたのが156例、3回以上が32例です。このように、ハイフ療法は一度だけしか治療できない開腹手術や放射線治療と異なり、患者さんによっては残存がんに対し複数回の治療が可能です。また、開腹手術や放射線治療後の局所再発に対しHIFU療法を施行することも可能です。
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| 合併症 |
- 膀胱直腸ろう;ハイフ療法による最も重篤な合併症は直腸に穴が開く尿道直腸ろうという合併症です。現在までに8人(0.9%)の報告がありますが、そのほとんどが初期の機械によるものと、複数回ハイフ療法を行った患者さんです。この尿道直腸ろうは開腹あるいは腹腔鏡下手術中、放射線療法の晩期にも発症する可能性があります。
- 尿道狭窄症;ハイフ療法による最も生じやすい合併症は前立腺部尿道が狭くなる尿道狭窄症で、約15%と報告されています。ハイフ療法は前立腺組織を全て熱凝固させるため前立腺内の尿道にも熱による損傷が生じ、この損傷が自己修復されるときに狭窄が起こります。このため術後2週間の尿道バルーンカテーテル留置が必要です。尿道狭窄が中等度の場合は外来にて狭くなった尿道の拡張が必要です。また尿道狭窄が高度の場合は尿道切開術が必要となる場合があります。当院では昨年よりハイフ療法における超音波照射法を改良し尿道狭窄の発症を軽減しています。
- 尿失禁・勃起障害;術後、一時的な尿失禁を1.2%に認めます(開腹術の場合は術後ほぼ全例で認めます)。勃起障害は約29%に認めます(開腹手術では80-90%)。
以上のように合併症がまったくないという事はありませんが、開腹手術に比べ明らかに術後合併症が少ないため、重篤な疾患(心疾患、肺疾患、肝疾患など)や脊椎疾患(脊椎麻酔が困難なため)の基礎疾患がなければ高齢者の方でもハイフ療法が可能となります。
これまで75歳以上の高齢の患者さんは根治療法を断念し、ホルモン療法によりがんと共存していく治療が一般的とされていましたが、ハイフ療法によりホルモン療法を中止しがん根治を目指すことが可能です。このことは現在問題となっているホルモン療法の合併症(ホットフラッシュ、貧血、筋力低下、脂質代謝異常、糖尿病の悪化、骨粗鬆症の誘発や脆弱性骨折)を避ける事にもなります。
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| 当院でのハイフ療法施行件数 |
当院では2003年10月より大分県内で初めてハイフ療法を開始し、2008年8月時点で150例となりました。
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| 入院スケジュール(3泊4日) |
| 前日(入院日) |
入院 |
常食、入浴可 |
| 手術日 |
腰椎麻酔、ハイフ療法 |
朝より絶飲食、ベット上安静 |
| 翌日 |
― |
朝より常食、歩行可 |
| 翌々日 |
退院 |
内服処方、2週間後の再診予約 |
*基本的には金曜入院、土曜手術、月曜退院となります |
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| 治療費 |
| 現在、ハイフ療法は医療保険適用外となっており全額自費診療となります。治療費は85万円(ハイフ治療に伴う入院費・薬剤費・ハイフ治療費・入院中の食事代・ハイフ治療時の検査等・消費税が含まれます)、
個室希望の方は別途お部屋代が必要になります。 |
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| 同意の変更 |
| ハイフ療法に同意された場合でも、その後いつでも患者様の考えで同意を取り消して他の治療法に変更することが出来ます。また仮に変更されても、そのことで患者様ご自身が不利益を受けることはありません。
ハイフ療法についてのご質問やご心配がありましたら、いつでもご遠慮なくお申し出下さい。上記治療につき、方法・予想される副作用・合併症・他の治療法・治療費など十分にご納得頂いた上で、ハイフ療法を受けていただければと思います。 |