指導者の道も奥が深い!
『準指導員養成講習会』



ソフトボール準指導員の養成講習会が、1月20日・27日、2月3日・17日の4日間にわたり大分市で開催されました。

指導者資格は、各種公式戦に出場するためには必要となるもの。これから指導者を目指そうという人、またチームのために資格を取ろうという人は、まずこの準指導員養成講習会を受講することになる。しかし、指導者の養成講習会とはいったいどのようなものか、あまり知られていないと思う。今回、この講習会に参加することができたので、将来、指導者を目指す方のために講習会の内容を簡単にここで紹介しましょう。

準指導員の講習内容は大きく分けて、基礎理論、実技、指導実習の3つ。この3つを日本ソフトボール協会発行の『指導教本』をもとに、県協会指導者委員会の熱心な指導のもとに学ぶ。この『指導教本』は競技力向上の目的のため、一貫したシステムにより指導者を養成するために作られたもの。指導者としてのあり方から、チームの運営方法、医学的知識そしてなにより、日本はもとより、世界で活躍した指導者の方々が、実技を各項目ごとに詳しく解説しており、これまで指導経験のすくない人にも参考となるようになっている。それでは基礎理論、実技、指導実習の3つをそれぞれみていきましょう。

まずは基礎理論。基礎理論では、スポーツとは何かやスポーツで一番大切なこと、ソフトボールのルールや歴史、指導者としてのあり方や心構えはもちろん、医学的・科学的知識やチームの運営方法や練習計画の立て方など、指導者として必要な理論や知識を学ぶ。理論や知識を学ぶという言葉を聞くと、「難しいことかな…」と想像する方もおられるだろう。しかし、そんな心配はいりません。指導者委員長の明野中学男子ソフトボール部高橋監督が、実際に自分が使用している練習計画表や目標設定用紙などを配布し、自分の体験などを基に解説してくれるため、非常にわかりやすい内容となっています。

次に実技。これはその名のとおり、指導をするために、ソフトボールの技術を基礎から学びます。実技を指導してくれるのは、強化委員の濱口氏と西尾氏。
まずは、スポーツの基本であるウォーミングアップを準備体操やストレッチ、色々なダッシュなどの基本的なことから、時間がない時の応用編まで西尾氏が指導してくれます。
その後、濱口氏の指導で、ボールの握り方からボールの投げ方、グラブ捌き、ゴロ・フライの捕り方などの基本動作を学ぶ。「なんだ基本か」などとあなどってはいけません。今度、ボールを投げる時にキレイな縦回転になっているか気を付けてみて下さい。けっこう難しいですよ!!(審判員の皆さんも練習してみませんか?ピッチャーにボールを投げる時にキレイな回転だったらとてもカッコイイと思いますよ!)
そして、ソフトボールはなんといってもピッチャーの役割が大きな競技なので、当然ながらピッチングの講習もあります。今回はバッテリー講習会とのタイアップで、西村氏と照井投手から指導を受けました。日本を代表する投手からの指導は、どの受講者も非常に参考になったようです。





最後は指導実習。これは練習方法や戦術、守備のポジショニングなどのより実戦的なことを学ぶ。当然、実習という名前のとおり、このような場合はどう指導するかという実習もある。これも高橋氏が実際に使用しているものを使う。場面や状況によって守備者がどのように動けばいいかを、トーレーニングシートに矢印を入れて指導するというもの。このトーレーニングシートは、各守備者の位置が印されていて、動きをイメージしやすくしたもの。ミーティングなどで使うと非常に効果的だということです。(審判員のオフシーズンのイメージトレーニングにも使えそうです)

このように準指導員養成講習会では指導者として重要なことを基礎からしっかり学習します。そして最後に、基本動作と、指導者として大事なノックの実技試験、基礎理論の筆記試験があり、自宅学習のレポートを提出し、それらに合格すると準指導員となります。

準指導員の資格取得者は、4年以内に通信講座を受講することが義務づけられていて、それに合格すると晴れて(財)日本体育協会並びに(財)日本ソフトボール協会認定資格のソフトボール指導員として指導にあたることになります。今回、準指導員に合格された皆さん、指導員資格までもう一息ですがんばりましょう。さらに、上級の資格もありますので、これからも常に「学ぶ」気持ちを忘れずに、日々の指導に励んでください。

最後になりましたが、今回指導していただいた、稲川副理事長、高橋氏、濱口氏、西尾氏の各講師の皆さま本当にありがとうございます。今回習ったことをチームのレベルアップに役立てることが出来るように取り組んでいきたいと思います。


TEXT by:N.MATSUDA   PHOTO by:IKEDA&N.MATSUDA