鹿納山〜五葉岳縦走、25年前の宿題を果たす
平成14年(’02) 4月27、28日
見立渓谷、鹿納山〜五葉岳 (ソロ、車中泊)
4/27 見立渓谷
/28 登山口(08:20)〜お化粧山(09:10)〜ブナの三差路(09:45)〜鹿納山(11:00、11:40)
〜ブナの三差路(12:50)〜お姫山(13:05)〜五葉岳(13:40)〜頭巾岳(14:35)
〜林道(15:20)〜登山口(15:50) 概念図
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見立・仲村橋から見立渓谷下流部を眺める 16〜18cmのヤマメ3匹を酒の肴とする ガスの中に映えるアケボノツツジ 鹿納山頂上で舞台の幕が開くようにガスが晴れた お姫山山頂のヒカゲツツジ お姫山山頂のアケボノツツジ
今回の予定は初日 見立渓谷で渓流釣り、テント泊後鹿納山〜五葉岳縦走である。
4/27、今にも泣き出しそうな空を見上げながら自宅を出た。
食料買い出し、遊漁券購入(1日券1000円)等で寄り道し、見立渓谷・仲村橋に着いたのは12時ジャスト
であった。雨が降り出し、車の中で昼食後川に降りた。本流は初めてである。
GWにも係わらずだだっ広い河原に人の姿が見えない。いいねえ九州は、といつも思う。
2時間ほどで16〜18cmのヤマメが4匹釣れた。3匹をキープし、今夜の酒の肴とする。
16時、日隠林道に入る。舗装はすぐに途切れオフロードとなる。雨だけでなくガスも濃く視界がきかない。
フォグランプを点灯し、ギヤを2速に入れて唸りながら高度を稼ぐ。林道を走るのもまた楽しい。
16時40分、ゲート手前の登山口に着いた。車10台分くらい置けそうなスペースがあるが、主のいない
車一台が止まっているきりであった。地面はぬかるみツェルト設営の適地がないため車中泊と決め込む。
夕食までの時間をカーステレオで過ごす。井上陽水、篠原涼子、マドンナ、古いのばっか。
18時30分、あたりが薄暗くなってきた頃夕食の準備にかかる。車の中を少し片づけて足を伸ばす。
熱燗を一本つけ、肉の缶詰、野菜サラダ、カシュナッツでちびちびやる。
さすがに車の中ではヤマメの塩焼きはやる気になれない。
仕上げはカレーライス。パックに入ったご飯とカレーを20分ほど熱湯中で泳がせ、その後両者を混ぜ合わ
せれば出来上がり。ご飯もカレーも結構うまい。どうかすると下手な店で食べるよりうまいかもしれない。
便利な世の中になったもんだ。
食後はモカブレンドとチョコ。ブラックコーヒーと甘いものはよく合う。
酔いも手伝って9時過ぎには就寝。翌朝6時頃までほぼ熟睡状態であった。私の場合、快適な眠りを得
る上で枕が非常に重要となる。適度な硬さの枕さえあればだいたいどんなところでも熟睡できる。
4/28朝6時、ウグイスの鳴き声で目が覚めた。依然として蜘蛛の糸のような細い銀色の雨が降り続い
ている。春の雨はやさしく、登山には何の支障もないように思われた。
と、突然下の方から低く重いエンジン音が響き、木々の間からなんとバスが2台姿を現した。
この狭い林道をバスでやってくるとは、と感心しているとバスは私の目の前で止まった。
同時に60歳前後のじっちゃん、ばあちゃんたちがどやどやと降りてきた。後で聞いた話によると総勢60名
のパーティだそうな。周囲は一気に町中のような賑やかさとなった。なんとなく車から出づらくなってしまい、
彼らが出発してから行動を開始することにした。
静寂が戻った後、ゆっくりと朝食をとり、8時20分、お化粧山への登りに取り付く。
50分で山頂に着いた。眺望はない。いつの間にか雨は上がったようだ。
ブナの三差路手前の斜面はヤマシャクヤクの群生地となっている。ピンポン玉大のクリーム色の花が
無数に咲いていた。
鹿納山までの縦走路は結構なアップダウンが続くが、ガスの中から次々と現れるアケボノツツジに目を
奪われ、楽しんでいるうちに鹿納山頂に達した。
山頂はガスの中。ビールとサンドイッチの食事をとった。思えば25年ほど前、大崩山側から2度ばかり
この山頂を目指した事がある。初回は金山谷の長い登りで時間切れ、2度目は稜線直下の雪をかぶった
ブッシュを突破できず断念した。ようやく宿題が果たせたように思った。
そんなことを考えていると突然、舞台の幕がするすると上がっていくように周囲のガスが一気に晴れた。
深い谷を隔て緑濃い稜線が眼前に展開して行く。ガスはめまぐるしく動き回り、山塊そのものが巨大な
生き物のように思えた。周囲からも歓声が上がり、シャッターを押す音があちこちから聞こえてきた。
まさに、ブラボー、である。山で視界がガスに閉ざされるのは珍しくないが、はやりこうして雄大な景色を
目に出来ると感激もひとしおである。
満足感を覚えながらブナの三差路に戻り、お姫山を越えて五葉岳に向かう。こちらは起伏も少なく、らく
ちんコースである。ついでに頭巾岳まで足を延ばし、日隠林道に降りた。
鹿納山〜五葉岳と言えばアプローチの不便さ、困難さからかつては秘境と言っていいほどの山域であっ
た。だが実際に訪れてみると車さえあればアプローチは容易、コースも思いの外整備されていて驚いた。
最近は中高年登山者が多く、コースの整備が行き届いているのもそのせいかと思う。
とにかく道標、目印のたぐいが多い。若い頃であればおそらく、鬱陶しい、目障りだ、と感じたことと思う。
それが今は、心強い、と言う思いの方が強い。それだけ自分も年をとったと言うことで、そう言う風に感じ
る自分がちょっと寂しい。
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