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詳しい測定方法


このページは学校関係者が教材として使われることを前提に書いています。


準備するもの


1.目 的 簡易測定法により大気汚染の現状を知ることを目的とする。
2.測定日 指定された期日と時間
3.測定場所 自宅の北側の窓の外側ガラス
4.測定方法
(1)指定された期日時間にカプセルのフタを開け、カプセルの口を下に向けて、自宅の北側の窓の外側ガラスにセロハンテープで取り付ける。高さは人の鼻の位置が望ましい。直射日光があたるところは避けること。
(2)正確に24時間空気に触れさせる。必要事項を測定表に記入する。
(3)翌日の測定終了時には確実にフタをして提出する。

   
測定表の例
二酸化窒素測定表  整理番号{      }
測定者 氏名(        )
測定日時  11月14日午後8時00分より24時間
測定場所の住所(                   )
測定場所の中学校区 (      )中学校区
環境 近く(20m以内)に大きな道路(国道、幅10m以上)があるか。ある ない
5.分析方法

(1)発色
 カプセルに水8mlを加え,30分間抽出後,軽く振り混ぜる。これを2〜6℃に冷却後、 ザルツマン試薬(スルファニル酸,ナフチルエチレンジアミン塩酸塩,酢酸)2mlを加え、冷却したまま30分間放置する。亜硝酸イオンが存在すれば、カップリング反応によってアゾ染料が生成して赤く発色してくる。室温に戻し,純水をブランクとして波長545nmの吸光度を測定し検量線より濃度を求める。

(2)濃度の算出

 亜硝酸ナトリウムの各濃度における吸光度を求めて検量線にしてある。濃度未知の吸光度が判ると,この検量線より濃度が求められる。ただし,大分市の大気汚染測定局の周りに,上記同様のカプセルを多数取り付けて,カプセル内の溶液濃度と当日24時間の二酸化窒素濃度との換算係数を求める。当日の二酸化窒素濃度は大分市生活環境部に協力をお願いして教えていただく。


実 験 準 備

1.購入するもの(試薬はすべて特級とする,価格は変わっているかもしれません)


商品名 容量 単価
N−1ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩 25g 7,200円
スルファニル酸 500g 2,250円
酢酸 500g 630円
亜硝酸ナトリウム 500g 1,080円
トリエタノールアミン  
アセトン  
ろ紙    
1の薬品は少量でよいので,1gのものでも良い。
7のろ紙はANVANTECクロマトグラフィー用No.50 20×400mmで1箱100枚入り。カプセルが400個できます。

2.溶液の作り方
 
1)ナフチルエチレンジアミン溶液の調製
  N−1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩 0.1gを純水100mlに溶かす。
 
2)スルファニル酸5gを酢酸50mlを含有する約900mlの温水に溶かす。冷却後、ナフチルエチレンジアミン溶液50mlを加え、純水で1000mlとし、褐色ビンに貯える。

(2)捕集液
10vol%トリエタノールアミン、アセトン溶液(1つのカプセルに100μl使用)
(3)亜硝酸ナトリウム溶液(検量線作成のための標準溶液)
亜硝酸ナトリウム標準溶液として0.15g/lを調製し,その後、純水で100倍に希釈したものを標準溶液とする。
この場合、標準溶液は1.0μgNO2-/mlの濃度となる。(以下の濃度計算式を参考)
{濃度計算式}
NaNO2=69,(NO2-=46)
1) NaNO2 0.15g/l---- NO2- 0.15×46/69=0.1g/lに相当
2) 純水で100倍に薄めると
    0.0015g/l ---- NO2- 0.0010g/lに相当 = 1.0mg/l = 1.0μgNO2-/ml

{検量線のための各濃度溶液の調整}
たとえば、次の表のように濃度の異なる溶液(イ〜ヘ)を作成する。

濃度(μgNO2-/ml) 標準溶液(ml) 純水(ml) 全量(ml)
0.000 20 20
0.200 16 20
0.400 12 20
0.600 12 20
0.800 16 20
1.000 20 20

各濃度の溶液を正確に8mlとり,発色液2mlを加えた後2〜6℃に冷却したまま30分間放置する。室温に戻し,純水をブランクとして波長545nmで吸光度を測定し検量線を作成する。
検量線の例

kankyo@oct-net.ne.jp
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