短歌教室

はじめに
 風景や情感を表現する時、画家は線や色で、音楽家は音で、文学者は言葉で表わす。退職後の第二の人生、有り余る余暇を有意義に楽しく過ごそうと俳句を始めて数年が経つ。俳句は五・七・五と短く、よく一枚の写真といわれるが決してそうたやすくはない。最近、以前から興味関心を持っていた短歌を始めるようになった。短歌は五・七・五・七・七といくぶん長いので、なんとか自分の心情を奥深く表現できるのではないかと思ったのがきっかけだった。短歌といえども常に省略を旨とし、できるだけ選び抜かれた言葉を用いて、凝縮された味のある表現を心がけてい
る。平成16年暮れ、朝日新聞大分版「短歌」(選者日野正美先生)に投稿した歌が、翌17年1月28日に掲載され弾みがついた。以後、投歌を続けるようになり今日に至っている。なお、仮名遣いついては、旧仮名を使用している。賢明なる皆さまのご教示を賜れば幸いである。
 なお、新聞に掲載された拙首は「詩集」欄をご覧ください。詩集へ

目次

最近の私の短歌

好きな短歌

短歌の作り方

お役立ちサイトリンク


最近の私の短歌   

  題 「人生の午後」


彫啄の百人一首ひもときて王朝和歌の心をぞ知る

全国紙地方紙を読みalwaysわれの周りにアンテナを張る

書くことが己が生き甲斐投稿に共感もらふ読者の便り

書きつつに生くる力の湧き上がり悩み苦しみいつしか失せぬ

よく晴れし小春の窓に借景の国東半島青く横たふ

モラルなき現代社会を憂ひつつ自身に恥ぢず生きむとペン執る

みづからの弱さと付き合ひ七十余年己が姿の文学に見ゆ

いくつもの山坂越えてサファイア婚耐へて咲きたり夫婦の花が

新聞の選者の箴言胸におき詩歌の世界今宵も遊ぶ

風流の短歌に遊ぶと指を折りシニアライフの充たされてをり

ひと言の添へ書きのある年賀状その温かさ心に響く

朗詠の歌会始雅なり今年こそはと詠進決意

風花の中に消えゆく湯のけむり別府八湯ゆるりとめぐる

やうやくに七回表ゆく人生守り抜きたし最終ラウンド

現し世の影改むる初明かり平和祈りて鉦を鳴らせり

降る雪や昭和は遠くなりにけりを歌で実感「ガード下の靴みがき」

名にし負ふ湯の町別府の冬の宿窓の外には湯けむり上る

新聞の文芸欄を開きたり掲載作品われより巧み

好きな短歌

春の野にすみれ摘みにと来し我そ野をなつかしみ一夜寝にける      山部赤人

の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに      小野小町

近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ         柿本人麻呂

東の野にかきろひの立つ見えてかへりみすれば月西渡きぬ         柿本人麻呂

山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば           源 宗于

大空は梅のにほひにかすみつつ曇りもはてぬ春の夜の月          藤原定家

心なき身にもあわれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ          西行法師

見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ           藤原 定家

さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ            寂連法師


田児の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ不尽の高嶺に雪はふりける     山部赤人

銀も金も玉も何せむにまされる宝子に如かめやも               山上憶良

人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける            紀 貫之

久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ             紀 友則

心あてに折らばや折らむ初霜の置き惑わせる白菊の花           凡河内躬恒

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな        和泉式部

ねがはくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ            西行

最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも          斉藤茂吉

くれないの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる        正岡子規

清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふひとみなうつくしき            与謝野晶子

白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり          若山牧水


幾山川越え去り行かば淋しさのはてなむくにぞ今日も旅行く          若山牧水

白鳥は悲しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ            若山牧水

東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる
            石川啄木

さくら花幾春かけて老いゆかむ身に水流の音ひびくなり            馬場あき子

短歌の作り方

(1)あったことや思ったことをそのまま詠う
  
 自分で見たことや思ったことを、そのまま読む人に伝わるようにまとめればよい。

(2)調子を考えてまとめる

 最初は、自分の好きな短歌を選び、その調子をまねて作ってみる。手本をまねて作ることができるようになったら、こんどは自分の力だけでまとめる練習をする。それには、今目で見ていることやすぐそこでおこなわれていることを短歌にまとめるとよい。全体の調子がまとまれば、1音ぐらい字あまりや字たらずになってもかまわない。気にせずにのびのびとまとめる。

(3)いつも注意深くみつめる

   @見たことのほかにもう一つ何かを見つけ出す
   A見たことのほかに感じたことをつけたしていく
   B心に何かの気持ちがいっぱいにあふれたときにそれをまとめる

 この三つは短歌をまとめるだいじな事がらであり、そのためには、ふだんくり返しおこなわれることでも注意深く見つめる習慣を身につけなければならない。

(4)短歌ノートにまとめる

 ノートを作り、どんどん書きこんでいく。思いついた第一句だけでもノートに書きとめておく 。そして、ゆっくりと考える時間があるとき、書きとめておいたものを手がかりにして、そのときの気持ちをまとめていく。

(5)見せ合う

 よい短歌を作るには、短歌を見せ合うことのできる仲間が必要。5〜6人の短歌のグループを作って、自分たちの作品を見せ合う会を開く。これを短歌会という。

(6)読み返して直す

 上達するには、自分の作った短歌を読み返し、気にいらないところはなんども根気よく直すようにしなければならない。書いたとき、よくまとまったと思っても、何日かたってみると、気にいらないところがずいぶん出てくるものである。直すには、つぎのようにするとよい。

 @気持ちをよく表わしているコトバかどうかを考えて、選び直しをする。
 Aコトバの言い方や使い方を工夫する。
 Bコトバの順序を入れかえて、気持ちが強く読む人に伝わるように工夫する。
     平井昌夫著「文章の書き方百科」(三省堂)参考

お役立ちサイトリンク

梧桐学の短歌ホームページ「ものぐさ」

小林信也の短歌のページ

短歌フォーラム

竹下洋一・短歌通信

田畑益弘短歌俳句館

短歌研究社

短歌新聞社

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