エッセーV

目次

楽しみ近所付き合い

独を見習い脱原発へ

3,11に思う 原子力発電は絶対に止めるべきだ

橋下市長の姿勢 同感

日・ロで公平な「引き分け」判断を

シリアの春を祈る

貴重な人生 夫婦で有意義に

「東アジアの春」望む

原発重視から転換を

新聞は知識の宝庫

自然をめでて発句を

安らかな老後へ心のまま生きる

地味で誠実な野田佳彦新首相に期待

調和を考えた政策を

元気もらう青春の歌

HPの更新続け安らぎ届けたい

教え子と昔話楽しむ

シニアライフは童謡・唱歌満喫

ロシアは歴史を知れ

皆で節電に努めよう

「NIE」大いに期待

食事、運動改善で効果

歴史的な事実をロシア国民に


「ありがとう。いい人生でした」と言える生き方をしたい

農業を株式会社化へ

印刷の年賀状 気持ちを添えて

「声」通し元気もらう

中国に真の民主化を

花育てる楽しさ実感

菅首相 勇気と信念を持って行動するのが最良の策

一見に値する映画「キャタピラー」

「ゲゲゲの女房」に胸を打たれる

生涯忘れ得ぬ「高崎音頭」

新聞を読み脳活性化

程よい大きさの政府を

本は財産

旅は楽しからずや

楽しみ近所付き合い                  桐井 育枝

 今住んでいる団地を永住の地と決めて、はや30年になろうとしている。私の班は14軒で、1年ごとに順番で班長になり、班のお世話をする。
 向こう三軒両隣の4、5人の方とは特に親しくしている。早朝、家の前の道路掃除やごみ出しなどで出会ったら、明るく笑顔であいさつを交わす。時には会話がはずむこともある。
 野菜や果物、菓子などをたくさん頂いたときは、お裾分けする。また、お互いに旅行などに行ったときは、お土産などを渡すようにしている。帰省した子どもさんからお土産を頂いたときは、何か珍しいものをあげるように心掛けている。
 何よりも手料理を差し上げるのが一番喜ばれる。逆に、ご近所の奥さまから手料理を頂くと夫がとても喜ぶ。杯も進むようだ。これからも、ご近所の皆さんと和気あいあいとしたお付き合いを続けていきたい。(平成24年5月10日付大分合同新聞「読者の声」掲載)


独を見習い脱原発へ

 ドイツのメルケル首相は原発推進派だったが、東京電力福島第1原発事故を機に「脱原発」へと政策転換。太陽光や風力など再生可能エネルギーを増やし、国全体で節電に努めている。
 今では国内の原発の約半数が停止しているにもかかわらず、電力輸出量が輸入量を上回るようになったとか。厳冬で電力不足に陥った原発大国フランスにも輸出したと知り驚いた。メルケル首相のやり方は実に立派だと感心し、日本政府や電力会社も見習うべきだと強く感じた。
 しかし、野田佳彦首相は関西電力大飯原発の再稼働に前向きな姿勢を示している。原発には電力の安定供給、格安提供などメリットもある。だが、放射線を安全に処理する技術を持たない現在、事故が起きたときの地域への影響は計り知れない。
 私たちは子孫のために美しい地球を残す責任がある。いかに安全と言われても想定外は必ずある。原発は絶対に止めるべきだ。(平成24年4月23日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

3,11に思う 

原子力発電は絶対に止めるべきだ

 多くの貴い生命や財産を奪った東日本大震災から早くも1年が経つが、被災された方々に改めてお見舞い申し上げるとともに、できるだけ早く復旧・復興して元の生活に戻れるよう心より祈っている。
 地震と津波だけでも大変なのに、福島の原発事故は事態を更に深刻化させ、人々の心や生活を根底から崩してしまった。安全神話は完全に崩壊した。
 今、日本では原子力発電に関して、電力の安定供給、格安提供、地球温暖化防止に役立つなどを理由に再稼働の推進派。一方、放射線を安全に処理する技術を持たない日本や世界、原発事故を起こしたら地域は荒廃し人々は住むことができずに離散して廃墟と化す。また、放射性廃棄物の処理も事実上不可能ゆえますます増えるばかりだ。これらの理由からの反対派。推進派と反対派の言分を比較すると、推進派のいう電力の安定供給、格安提供は有難いが、人間にとって最も大切なのは人の命である。ゆえに私は反対派の考えに強く賛成する。
 私たちは子孫のために清潔な地球を残す義務がある。原発がいかに安全だといっても必ず想定外があるので決して安全神話を信ずることはできない。絶対に原発は止めるべきだ。今後は水力、風力、太陽光、地熱、潮力など自然エネルギーによる発電に切り替えるのが最良である。


橋下市長の姿勢 同感

 橋下徹大阪市長が大阪維新の会の会合で、「地方の議会や地方の首長も、政治哲学や行政哲学は、しっかり共通のものを持たなければいけない。少子高齢化時代を迎え、わが日本国の方向性を決め、議論するのが、われわれの仕事だ」と述べたそうだ。全く同感である。
 1867年、坂本龍馬が起草した新国家体制の基本方針「船中八策」。それにちなんで、同会がまとめた八つの柱からなる「維新八策」の内容は、もっともだと感じることが多い。
 その概要は「首相公選制導入」「参議院の廃止」「道州制導入」「地方交付税を廃止し、消費税は地方税に」「年金制度を一元化して積み立て方式にし、高額所得者の保険料は掛け捨てにする」などだ。
 一市長の発案ではあるが、内容は国家的問題だ。国会議員をはじめ地方議員、われわれ国民も真剣に受け止め、真剣に検討すべきだと感じる。(平成24年3月18日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

日・ロで公平な「引き分け」判断を

 野田首相は3月8日の衆院予算委員会で、北方領土問題について「歯舞、色丹は面積で言うと(北方4島のうち)7%。残り93%が来ないなら引き分けにならない」と述べたそうだが、その不合理さはよく分かる。
 1945年2月、ヤルタで、アメリカ、イギリス、ソ連の3国首脳会談が行われた。その際、ソ連の対日本参戦の見返りに千島列島の引き渡しが決められた。
 同年8月14日、日本はボツダム宣言受諾を決定して連合国側に通告し、翌15日には終戦となった。だがソ連は18日、千島列島に侵攻を開始した。全く理不尽である。
 だが、今回大統領に選ばれたプーチン首相が北方領土問題に関して、柔道の「引き分け」を使って話し合おうというのならせっかくのチャンスだから応じた方がよいと思う。上記のことを視野に入れながら日・ロ双方で正鵠を射た公平な「引き分け」の判断を願ってやまない。


シリアの春を祈る

昨年、アラブ世界において独裁政権を倒す民主化運動が起こった。これを「アラブの春」と呼んでいる。
 今度はその波がシリアに飛び火して、アサド政権に反対する市民の民主化運動が起こった。しかし、シリア政府は話し合いに応ぜず、市民への攻撃や反体制派の殺害といった弾圧を行っている。
 これに対して国連総会は安全保障理事会に対してシリア政府の反体制派への武力弾圧停止を呼びかけたが、ロシアと中国が拒否権を行使し廃案となり、弾圧は一段と激化している。
 ロシアも中国も自国を守るためと思えて
ならない。
 国連は1945年に発足し、当時安全保障常任理事国で拒否権が発揮できる国「5大国」にはロシア、中国が選ばれた。果たして今の安全保障理事会のあり方で良いのだろか。日本の国連分担金は第2位。国連分担金の多い順に常任理事国にしてはという案もある。シリアに早く「春」が来ることを願ってやまない。

貴重な人生 夫婦で有意義に

 「子どものいない人生 模索も」(2月23日)を読んだ。田中弘恵さんの気持ちが私には痛いほど分かる。
 私ども夫婦は今年で結婚50周年を迎えるが、やはり子宝には恵まれなかった。結婚当初、いかに賢くて器量よしの子どもが生まれるか楽しみにしたものだ。ところが何年経ってもできない。妻が産婦人科医に相談したが、当時は今のように不妊治療もなく自然に任せるしかなかった。
 そして、悲観ばかりしていてもはじまらない、せっかくの人生だから、大いに楽しみ有意義に過ごさなくてはと思うようになった。そこで、私たち夫婦、共通の思い出を持つために海外や国内の旅を楽しんできた。旅は無形の財産であり、各地の名物料理や名酒を味わうのもだいご味だ。
 旅をすることで詩やエッセーが生まれることも、私どもの生きがいになった。また、何かにつけ少しでも人の役に立ち、喜ばれる私どもでありたいと願う。
(平成24年3月1日付朝日新聞「声」掲載)

「東アジアの春」望む

 北朝鮮の2代目最高指導者金正日総書記が亡くなり、三男の金正恩氏が後継者に決まった。社会主義国でありながら、建国以来、親子3代の「世襲」体制で国を率いることになる。
 北朝鮮はこれまで、韓国大統領一行の暗殺を狙ったラングーン事件、大韓航空機爆破事件といったテロ行為、拉致や核・ミサイル開発など世界の人々を震撼させるような行動を取ってきた。一方で人民の多くは飢えに苦しんでおり、国外に脱出しようとする人々もいる。
  テレビでは、総書記の死を悼み、泣き崩れる人々の姿が流されたが真実の姿だったのだろうか。隣の中国は資本主義経済原理を取り入れ、市場経済路線を歩んでいる。北朝鮮もこれを見習い、「改革開放」を受け入れることはできないものか。
  非核化も進めれば諸外国からも大いに歓迎されるだろう。「世襲」体制では難しいかもしれないが、北朝鮮が少しでも良い方に転換し「東アジアの春」が近づくことを望む。(平成24年1月9日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

原発重視から転換を

 今年1年を振り返ると、何といっても、多くの貴い生命や財産を奪った東日本大震災が心に強く焼き付いている。
 地震と津波だけでも大変なのに、福島の原発事故が起きたことはさらに事態を深刻化させた。地震や津波の被害は甚大だったが、こうした自然災害は月日の経過とともに復旧・復興の可能性がある。しかし、原発事故は、人々の心や生活を根底から崩してしまった。
 旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリでは、原発事故から25年たった現在も、なお除染活動が続いているそうだ。日本の原発は、強固にして完璧だから大丈夫という安全神話は完全に崩壊した。自然の力は人知をはるかに超えている。
 われわれ国民も、節電に努めなければならないが、政府や電力会社も原発はやめて水力、風力、太陽光、地熱、潮力など自然エネルギーによる発電に切り替える方向で検討すべきだ。(平成23年12月7日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

新聞は知識の宝庫

 シニアライフの私は、脳の活性化のため毎日のように図書館に通い、全国紙や地方紙に目を通し、メモをとるようにしている。
 最初に読むのが「天声人語」や「編集手帳」、「東西南北」などのコラム欄。時事問題や社会現象などがエッセー風につづられていて読み応えがあり、文章の勉強にもなる。次に社説。各紙とも時事や政治経済、国際などに対する考え方や姿勢がよく出ていて興味津々であり、自分の考えをまとめる上でも参考になる。
 さらに文化、家庭・教育、スポーツ、文芸、書評、地域社会、TV・ラジオ等々である。最近社会面では、目を覆いたくなるような事件・事故が目立つが、たまに心温まる記事に出会うとほっとする。
 最後に読者の「声」を読む。この欄では社会に望むことはもちろんのこと、人々の哀歓や切なる叫びが感じられる。悩み苦しんでいるのは自分だけではない、皆それぞれに重いものを抱えながら生きているのだと、何度癒され救われたことだろう。意気に感じては時々投稿するのが楽しみだ。新聞は私にとってまさに知識の宝庫である。常に時流に乗り若々しい脳を保つべく努めて新聞を読みつづけていきたい。


自然をめでて発句を

  余暇の善用と老後の楽しみのために俳句を始めてはや13年になる。本紙「読者文芸」欄(選者・倉田紘文先生)に投句しているので、毎週火曜日の夕刊が楽しみだ。
 2002(平成14)年11月12日付に、次の句が優秀作品に選ばれた。「ぞんぶんに風を使ひて秋桜」
 選者評には、「コスモスの花のたおやかさが美しく華やいで描き出されている。「ぞんぶんに」もそのおおらかさがよく出ているが、「風を使ひて」が抜群の措辞。これによって花と風の競演の関係が面白く浮き出てくる。「秋桜」の生命が輝いている」とあり、跳び上がるほどうれしかったことを覚えている。
 しかし、最近は作句の気持ちがマンネリ化したのか、あまり良い句が詠めなくなった。風流の世界は老後の人生を豊かにさせてくれる。これからも努めて素直な気持ちで、自然をめでて発句を続けたい。「名月のやうな心で明日へ生く」(平成23年9月25日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

安らかな老後へ心のまま生きる

  私は若い頃から少し神経質な性格で、心配事が頭に浮かぶと、ささいなことでもなかなか吹っ切れず、取り越し苦労をすることが多い。年をとっても変わりなく、そんな気質を克服する方法がないものかと悩んでいた。
 最近、読んだ田辺聖子さんのエッセーに、老いを生きていく心構えとして「お心にまかせて、先のとりこし苦労をせず、昔のことは忘れて、今を元気にたのしく」と書かれていた。この一節に目が覚めたような気がした。
 田辺さんの生き方を見習うようにしたら、なぜか肩の力が抜け、気が楽になった。お陰でストレスも減り、睡眠もよくとれる。考え方一つで、安らかな気持ちになれるということを実感した。(成23年9月14日讀賣新聞「気流」掲載)

地味で誠実な野田佳彦新首相に期待

 先の民主党代表選の際の演説も聴いたが、気取らずに内容も実に充実していて野田氏が一番良かった。彼の訴えることは我々国民の胸に響く。
 新聞やテレビで新内閣に起用された方々を紹介しているが、ノーサイドで怨念を超えた組閣であり、挙党態勢の姿勢が見える。
 野田氏は今までの首相と違い、自らを「ドジョウ」になぞらえた大変地味で誠実な政治家だ。2年間もの長きにわたり船橋市の駅前で連日のように「つじ立ち」を続けたそうだ。なかなか出来ることではない。いかに彼が、庶民目線でものを見てきたかがよく分かる。やっと民主党政権に希望の光が見えてきた観がする。
 大震災復興、原発事故や放射能汚染問題の収束、経済の活性化、社会福祉、沖縄米軍普天間基地移転、尖閣列島や竹島、北方領土などの外交等々問題山積である。国や国民のために尽くそうとする強い熱意とエネルギーを持つ野田新総理ならきっとやれると信じて疑わない。

調和を考えた政策を

 最近の世界情勢を見るに、社会主義国家であった
ソは既に崩壊し、ロシア連邦となって市場経済化している。ソ連崩壊後も、なお社会主義体制を続けているのは北朝鮮、中国、キューバ、ベトナム、ラオスなどだ。
 しかし、中国とベトナムは既に事実上、資本主義経済原理を取り入れて市場経済路線を歩んでいる。ラオスもそれに近いといえる。最近では、キューバも自由化を模索しているようだ。社会主義が掲げる計画経済では、需要と供給のバランスが取れず、競争意欲も湧かないので、繁栄が期待できないことが大きな要因のようだ。
 一方、世界的に貧富の格差が広がりつつあることも事実だ。もちろん経済的・社会的弱者に光を当てることは大切だが、度が過ぎた格差是正はかえって国民のやる気を喪失させることになる。
 政府は国の繁栄と福祉、国民のやる気などを考慮し、調和のある政策を取ることが肝要だ。(平成23年8月27日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

元気もらう青春の歌

 最近、カラオケ仲間の一人によく青春の歌を歌う人がいる。彼は特に1964(昭和39)年に発売された梶光夫の「青春の城下町」を歌うのだが、歌詞や旋律に引かれ、私も好きになった。
 私は少年期から青春期まで父の仕事の関係もあって竹田市や中津市など城下町で育った。歌詞に「城山」「白壁坂道」「武家屋敷」「天守閣」などが出てくるこの歌を聞くと青春の思い出がよみがえってくる。

 受験勉強で忙しくもあったが、よく遊び、片思いもした。利発でセーラー服のよく似合ったあの子の姿は忘れられない。既に75歳、後期高齢者なったが、できることならもう一度青春を呼びたいものだ。
 他には「青い山脈」「白い花の咲く頃」「学園広場」などをよく歌う。姿勢を正して腹の底から大きな声を出し、若き日の歌を歌うことは、私にとって最高の癒しであり、元気をもらう。(平成23年7月28日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

HPの更新続け安らぎ届けたい

 パソコンを使い、自分のホームページ(HP)を開設して10年目。「詩とエッセーの広場」と名付け、私と妻が作った詩やエッセー、俳句、短歌などを紹介している。最初はどれだけの人に見てもらえるか不安だったが、これまでの訪問数は10万回を超え、予想以上の反響に驚いている。
 開設する時はまだ要領がよく分からず、大変だった。HP作成ソフトを買ってきたが、表紙やページの設定などに手間取り、完成に3日もかかった。それでも試行錯誤を重ね、自分なりに工夫を続けている。
 HPのモットーは「訪れる人に安らぎを」。今後もみなさんに興味を持ってもらえるよう、できるだけ頻繁に内容を更新していこうと考えている。(平成23年7月7日讀賣新聞「気流」掲載)

教え子と昔話楽しむ

 先日、教師になったばかりのころの教え子から「会いたい」と電話があった。仲良しの女性3人が来訪し、過ぎし昔を語り合った。彼女らは既に66・7歳になっていたが、いつの間にか16歳の少女に戻っていた。
 私は商業科の教師として採用されたが、当時、国語の教師が足りないというので3年間、手伝った。生徒たちに満足してもらえるよう、入魂の思いで頑張った。持ち時間の半分は国語の教師という形で、教職のスタートを切ったのだ。
 国語を教えたおかげで、文章を書くことが好きになった。人生には決して無駄はないと思ったものだ。国語には「汲めども尽きぬ味わい」がある。
 卒業以来、初めて会う子も居て実に懐かしかった。中には「読者の声」に載った拙稿をわざわざコピーし、県外に住む同級生に送っていた人もいた。お互いに語り合うと、過ぎし昔がよみがえってきた。教え子は何年経ってもかわいく、私にとってはまさに生涯の宝だ。(平成23年6月28日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

シニアライフは童謡・唱歌満喫

 公民館の童謡・唱歌教室に通って10年目になります。童心に帰って歌いたいというのが動機でしたが、今ではシニアライフの何よりの楽しみになりました。
 妻のコーラスを指導する女性が講師で、月2回、発声法などを習いながら生徒全員で合唱します。好きな歌は「赤とんぼ」「早春賦」「千曲川」です。腹の底から大きな声を出すと、気分もすっきりします。
 妻に誘われ、カラオケにも行くようになりました。昔の歌謡曲を選んで歌ってみると、青春時代に戻ったような気分になります。採点表示で85点が出たこともあり、少し自信がつきました。教室の成果を実感しました。童謡・唱歌の練習に励み、歌唱力を磨いていこうと思います。(平成23年5月28日讀賣新聞「気流」掲載)

ロシアは歴史を知れ

 3月20日付本紙に、「『北方領土返還を』 ロ紙『日本への同情を示すため』」とあった。よくぞ書いたとロ紙に感心し、好感を持ったものだ。ところが5月16日付には、「北方領土 ロ副首相ら訪問 東日本震災後初、日本をけん制とある。
 1945(昭和20)年2月、ヤルタでアメリカ、イギリス、ソ連の3カ国首脳会談が行われた。その際、ソ連に対し、ドイツ降伏後90日以内に日本への参戦を促し、その代償として千島列島の引渡しが決められた。これは秘密条項であり、日本がこのことを知る由もなかった。
 同年8月14日、日本はボツダム宣言受諾を決定し、連合国側に通告した。翌15日には、国民に向け、昭和天皇自らのラジオ放送により終戦となった。
 にもかかわらず、ソ連は日ソ中立条約を無視し参戦。18日、千島列島に侵攻を開始した。ソ連が北方領土に侵攻してきたことは、全く理不尽であることを、ロシア国民や政府は厳正に受止めるべきだ。(平成23年5月28日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

皆で節電に努めよう

 未曽有の被害をもたらした東日本大震災。多くの方々が犠牲になり、幾多の町が廃墟と化した。さらには原発問題、風評被害、余震と今なお続いている。最も深刻なのは、いったん事故が起きると、後々まで影響を及ぼす原発の放射能漏れだ。
 私も、これまでは「安全神話」を信じていた。しかし今回、自然の力は人知をはるかに超えた。この際、水力、風力、太陽光、地熱、潮力など自然エネルギーによる発電に切り替えるべきだ。政府や電力会社にとって、国民に真の安全と安心をもたらすことこそ、最高のサービスといえよう。
 われわれも便利さやぜいたくを求めてばかりではいけない。家庭はもちろん、企業や商店街、イベントなどでも、できるだけ節電に努めるべきだ。そうすれば自然エネルギーによる電力だけ賄えるのではないか。
 国民全員が夢と希望をもって、この難事に立ち向かわなければならない。そうすれば、きっとよみがえるに違いない。(平成23年4月28日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

「NIE」大いに期待

 2月6日付本紙、「学びの場から」の「新指導要領で広がるNIE 新聞で読解力、表現力を」に全く同感だ。本紙によると、学力低下の批判を受けて教育内容を大幅に増やし、「言語活動の充実」を目標に、新聞の活用を全教科に取り入れるそうだ。
 シニアライフの私は、脳の活性化のために毎日、図書館に通い、全国紙や地方紙に目を通してメモをとり、感じるところがあれば意見を投稿するようにしている。そのせいか語彙が増え、読解力や表現力が付いてきたように思う。
 学校で新聞を教材として活用することによって、児童・生徒の語彙力や読解力、表現力が高まることは間違いない。新聞は社会の窓であり、世の中の動きを知る上でも意義がある。また、「読者の声」欄に投稿することによって表現力も培われる。
 学校で新聞を教材にして学ぶ「NIE」の、今後の展開に大いに期待している。(平成23年3月12日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

食事、運動改善で効果


 昨年末に後期高齢者になったが、両膝とも変形性膝関節症にかかっているので、日常生活に多少の不安や不便を感じている。また、健診の結果、軽度の高血圧と脂質異常があるとのコメントがあった。
 ピンピンと元気に生きコロリと死ぬ“ピンピンコロリの生き方”ができるよう、健康維持に心掛けるようにした。まず、食事は野菜中心に肉よりも魚を多くとり、塩分や動物性脂肪を控え、汁物は全部吸わずに残す。晩酌は1合程度、間食もできるだけしないようにした。
 早寝早起きを原則とし、毎朝6時25分からテレビ体操、膝の訓練のために水中ウォーク、家では毎日3回、足に1キロの重りを付けて上げ下げの運動をする。他に1日に1回は必ず外出して歩くようにしている。
 これらが効を奏したのか、以前よりも幾分、膝の痛みが和らいだ。血圧も正常値に近づいてきた。これからも毎日笑顔で前向きに生きたい。(平成23年2月8日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

歴史的な事実をロシア国民に


 今やわが国では、多くの国民が尖閣諸島や北方領土など領土問題に関して強い不満や疑問を抱いていると思う。特にロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問に私は怒りさえ覚える。
 1945年2月、クリミア半島のヤルタで、アメリカのルーズベルト、イギリスのチャーチル、ソ連のスターリンの3国首脳会談が行われた。その際、ソ連の対日本参戦の見返りに千島列島の引き渡しを3カ国が申し合わせた。これがヤルタ協定の秘密条項であるが、日本政府は認めていない。
 同年8月9日、無条件降伏を迫るボツダム宣言の受諾が決定的になっていた日本に対し、ソ連は日ソ中立条約を破って戦争を仕掛けた。この対日参戦のなかで千島列島への侵攻が始まったのは同月18日と、日本がボツダム宣言を受諾し、連合国側に通告した14日よりも後だった。
 この歴史的事実をロシア国民に正しく認識させ、返還が実現するよう政府は最大限の努力をすべきである。ソ連の北方領土への侵攻が理不尽あることを、ロシアに厳正に受止めさせるべきではないか。(平成23年1月22日付朝日新聞「声」掲載)

「ありがとう。いい人生でした」と言える生き方をしたい


 新たな年を迎え気持ちも一新し、毎日、全国紙・地方紙を読みに行くのを楽しみにしている。
 昨年11月14日付毎日新聞「女の気持ち」で、浅野かつえさんの「後に残るもの」と題したお話にいたく共感を覚えたものだ。
 概ね次のような内容だった。あるお寺の掲示板に「人生を終えた後に残るのは、集めたものではなく、与えたものである」と。これをご覧になった彼女は、これからは今の健康な体を元手にお返しの人生を送りたい。そして願わくは、人生の幕引きの時に誰かに言いたい。「ありがとう。いい人生でした」と。
 これを読んだ私も、ぜひ浅野さんのような生き方をしたいと思った。後期高齢者に達した私は、体力も経済力もないが、残りの人生を常に笑顔でやさしく思いやりの心を持って人さまに接し、少しでもお役に立つように努めたい。そして言いたい「ありがとう。いい人生でした」と。今その決意を新たにしたところである。

農業を株式会社化へ
 
 「年も豊年満作で 村は総出の大祭」。これは「村祭」の歌詞の一部だ。子どもの頃は、よくこのような風景を目にした。
 人間誰しも土地に対する愛着があり、一家総出で農業をするのが一番意欲が湧き、効率も上がる。しかし、今や農村は高齢化、過疎化
が進み、人手不足で衰退しつつあることは歴然とした事実だ。
 そこで、農業の大規模化のために、株式会社化をしたらどうだろう。例えば、各農家が土地を提供することによって耕作面積も広くなる。農業経営に必要な機具や肥料なども大量に購入するので低コストで済む。また、できるだけ若い農業従事者を多く雇用すれば効率も上がり、大量生産が可能になって自給率も上がる。
 かくして、農産物を低価格で提供できるようになり、世界各国にも決して引けを取らなくだろう。まず農業生産力を十分培ってから、環太平洋連携協定(TPP)加入を検討すればよいと考える。(平成23年1月8日付大分合同新聞「読者の声」掲載)


印刷の年賀状 気持ちを添えて
 
 200枚余りの年賀状をやっと書き終え、無事投函した。
 今年の図柄は、大分市の大分城址公園に咲く桜の花の写真に、「謹賀新年」などの言葉を配したもの。パソコンでデザインし、プリンターで印刷した。
 だが、印刷だけでは受け取った相手が味気なく感じる
かも知れない。そこで、年賀状には毎年必ず、1枚1枚に一言添え、気持ちを伝えるようにしている。
 以前いただいた年賀状を1枚1枚見て、その人を思い
浮かべながら、黒のボールペンで記していく。
 たとえば「シニアライフを存分に謳歌なさってください」「すてきな1年になりますように」「平安な日々をお祈りします」といった具合だ。
 これからも、相手の心に響いて喜んでもらえるような
年賀状を心がけたい。(平成22年12月月31日讀賣新聞「私の日記から」掲載)

「声」通し元気もらう

 11月9日付本欄、真重和子さんの「新聞の大切さを実感」に共感した。私は1978(昭和53年)8月に「経済への政府の介入は必要」という見出しで載って以来、本欄に投稿を続けている。
 この欄には人々の哀歓や切なる叫びが感じられる。悩み苦しんでいるのは自分だけではない、皆それぞれに重いものを抱えながら生きているのだと、何度癒され救われたことだろう。
 最近、教え子の「声」がよく載っている。それを読むのも楽しみで元気をもらう。また、私の投稿を見て「読みましたよ」「同感です」「いつも楽しみにしています」などと声を掛けられたときは、うれしい限りだ。
 これからも新聞をしっかり読んで、世の中の動きをキャッチしたい。そして、少しでも明るく住みよい社会になるよう投稿を続けたい。これが私の生き甲斐でもある。(平成22年12月5日付大分合同新聞「読者の声」掲載)


中国に真の民主化を


 菅直人首相は、ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家で服役中の劉暁波氏について「釈放されることが望ましい」と述べた。全く同感である。
 私は学生時代、議会制民主主義に基づき福祉国家を目指すイギリスの社会主義(フェビアン主義)の思想を学び、いたく共鳴したものだ。恩師はよく「思想は時代の寵児である」とおっしゃったが、まさにその通りだと思う。
 「中国革命の父」と呼ばれる孫文は民主共和制国家である中華民国を樹立した。今回の劉氏の受賞理由は「中国における基本的人権のために長年、非暴力的な闘いをしてきた」ことで、もっともな話であ。
 劉氏は三権分立や民主化推進などを求めた「08憲章」を起草した。つまり共産党一党独裁体制の廃止や言論、集会、宗教の自由などを訴えたわけだ。今や中国は世界第2の経済大国である。ここで真の民主化がなされれば、中国国内だけでなく世界から歓迎されることだろう。(平成22年10月24日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

花育てる楽しさ実感

 12日付本欄、斎藤早苗さんの「庭の花に勇気もらう」に共感を覚えた。私も、小さな庭ではあるが、四季折々に咲く花に癒され、元気をもらっている。
 だが、花を年中絶やさないようにするのは大変である。庭にはバラやフヨウ、ノボタンなどを植えているが、必要に応じてニチニチソウやケイトウ、マリーゴールドなどの苗を買い求め、鉢に植えている。
 しかし、ただ植えただけで済むものではない。特に今年のような猛暑続きのときは、毎日の水やりを決して欠かしてはならない。大切に育てることで、初めて花はきれいに咲くのだ。人の愛情に素直に応えてくれるのが何よりもうれしい。人も、そうありたいものだ。
 毎日、日が落ちてから水やり、朝、花々を見るのが楽しみだ。また、道行く人から「きれいですね」と褒められるのもうれしい。花は、私たち夫婦に癒しと生きる元気を与えてくれる。(平成22年9月21日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

菅首相 勇気と信念を持って行動するのが最良の策

 いよいよ菅首相と小沢一郎前幹事長の民主党代表選に向けての舌戦が始まり興味津々である。
 まず小沢一郎前幹事長は「政治とカネ」の問題に関して国民に納得の行くように説明すべきである。政治家が必要以上に固定資産を増やすことは以ての外であり、できるだけ清であるべきだ。真に誠意ある政治家であるならば、多くの国民から歓迎される筈である。一方、庶民派出身で市民運動家の菅首相にはクリーンでオープンなイメージがあり、先の資産公開でも2241万円と歴代最少であり、きっと庶民の苦しみや痛みが分かるであろう。
 しかし、菅首相の言動を見ていると人のよさを感じる時がある。小沢氏が如何に剛腕な政治家であろうと、菅首相は、長年培った政治信条に基づき、勇気と信念を持って行動するのが最良の策と考える。
 首相が頻繁に交代するのは決して良くない。菅首相は、解散してでも国民に真を問うぐらいの覚悟で臨めばきっと道は開け国民の信託は得られると信じる。

一見に値する映画「キャタピラー」

 先日、映画「キャタピラー」を観た。戦争で四肢を失った帰還兵と、世話をする妻の日々を描いたものである。
 子どもの頃、万歳と歓喜の声に送られて出征していく兵士の姿をよく目にしたものだ。当時、ラジオから流れる大本営発表のニュースは常に日本軍の躍進振りを告げるものばかりだった。この映画で観るような悲惨な姿など全く想像だにしていなかった。
 両手足を失った帰還兵の苦悩もさることながら、彼の食事や下の世話、セックスの処理等々面倒を看る妻の大変さも身に沁みた。寺島しのぶさんの体当たりの演技は実に見事で、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞している。まさにこの作品は戦争の愚かさと悲しみを描いている。
 若松孝二監督は「戦争に正義はなく、ゲームなんかじゃない。若い人に作品を見てもらいたい。何かを感じ取って欲しい。核のない平和な世界をつくって欲しい」と強調しているが、一見に値する映画と感じた。

「ゲゲゲの女房」に胸を打たれる


 このところ、人気があるのがNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」だ。戦争で左腕を失ったにもかかわらず強固な意志で漫画家として生計を立てる夫とそれを支える妻の物語である。
 ドラマの主人公、茂と布美枝は昭和36年に結婚式を挙げているが、私どももほぼ同じ翌37年。同じ時代を生きて来たせいかドラマの中に描かれる貧困や苦労の様子が手に取るように分かる。
 才能はあるもののなかなか頭角を現さず貧乏の連続だったが、昭和40年ごろからやっと注目を浴び人気漫画家として成長し始める。夫の精神力もさることながら、妻布美枝の控えめで愚痴一つこぼさず献身的に支える姿には胸を打たれる。最近のドラマを見ているとフィクションが多いが、実話に基づいて描かれたものには真実味があり共感を覚える。やはりノンフィクションに勝るものなしの感を強くした。
 苦労をかけたわが家の女房にも感謝しながら、毎朝「ゲゲゲの女房」を見るのを楽しみしている。

生涯忘れ得ぬ「高崎音頭」

 かつて地区自治会の公民館館長をしていた時のことである。自治会会議で、毎年行われる夏祭りに地区独自の音頭をつくろうということになった。
 さっそく公民館便りにその趣旨を記述し団地に相応しい歌詞を公募したが、全く応募がなかった。そこで俳句の嗜みがある妻に相談したところ何とか引き受けてくれた。
 歌詞は、団地周辺の四季折々の風情や特徴を考慮して4番まで完成させた。たとえば、春は花、夏は祭り、秋は虫の音や赤とんぼ、冬は暖かな町、その他、豊後水道、高崎山、由布、鶴見等を加えた。幸いにも採用され、同じ団地の音楽好きの男性が作曲、ご近所の民謡の先生が振り付けを指導。祭りは毎年7月末の土曜日に行われる。その1か月前から、大人のみならず子どもも加わって練習に励む。夏祭り本番は、舞台で披露し、最後に住民皆で総踊りして最高に盛り上がる。今年で早や6年目である。
 わが住み慣れし高崎団地の夏祭り「高崎音頭」は私ども夫婦にとって生涯忘れ得ぬものとなった。

  「高崎音頭」
             作詞  桐井 育枝
             作曲  山口 久美明
             振付  二宮 美智子

1.豊後水道朝日が昇る
  春はツバメの宙返り
  高崎よいとこ花のまち
  みんな輪になって輪になって輪になって
  ああ 高崎音頭

2.夏の夜空に花火があがる
  さあさ祭りだ 神輿だせ
  高崎よいとこ星のまち
  みんな輪になって輪になって輪になって
  ああ 高崎音頭

3.高崎山に夕日が沈む
  秋は虫の音赤とんぼ
  高崎よいとこ丘のまち
  みんな輪になって輪になって輪になって
  ああ 高崎音頭

4.由布と鶴見を遠くに望み
  冬もあたたか なごみます
  高崎よいとこ夢のまち
  みんな輪になって輪になって輪になって
  ああ 高崎音頭

新聞を読み脳活性化

 6月21日付本紙「東西南北」を読み、特に「読者の声」や「立ちばなし」には県民の生の声、息遣いがある-のくだりに共感を覚えた。
 シニアライフの私は、脳の活性化のため毎日、全国紙や地方紙に目を通し、メモをとるようにしている。最初に読むのが「東西南北」などのコラム欄。ここでは時事問題や社会現象などが随筆風につづられていて読み応えがある。
 次に社説。新聞社の政治経済などに対する考え方がよく出ていて興味津々だ。さらには社会面。毎日のように殺人や強盗、詐欺、汚職など、目を覆いたくなるような事件の記事が目立つが、たまに心温まる記事に出会うとホッとする。
 最後に文芸やスポーツ、生活、「読者の声」など。わけても「声」欄には共感したり癒やされることがしばしばである。新聞は私にとってまさに宝。これからも努めて新聞を読み、若々しい脳を保ちたいものだ。(平成22年7月5日付大分合同新聞「読者の声」掲載)

程よい大きさの政府を


 最近、中国の経済成長の著しさには驚いている。今秋にはGDP第1位の米国に次ぐ日本を抜き第2位に躍り出ようとしている。
 この目覚ましい成長をもたらした中国は、今や国家資本主義的で国民のやる気を喚起すべく競争原理を導入し「小さな政府」を目指しているようだ。だが、貧富の格差が拡大しつつあることも否めない。米国はこのことを考慮して、この度、国民皆保険医療制度へと踏み切った。逆に「大きな政府」になり過ぎるとギリシャのように財政危機を招く恐れがある。
 この程、スタートした庶民派出身の菅首相にはクリーなイメージがあり、庶民の苦しみや痛みがよく分かるであろう。普天間基地や財政再建、「政治とカネ」等々問題山積であるが、菅首相ならばきっと信念を持ってブレずに対応してくれるものと信じる。
 菅政権には、常に大局的・長期的視野でほどよい政府を模索し、国民に真の安心と安全、やる気をもたらすことを切望する。

本は財産

 読書大好きである。いつも身の周りには数冊の本を置いている。一番の楽しみは、何といっても知らないことを知ることである。また、作品の中に描かれる人間模様には哀歓や切なる叫びが
あり、苦悩しているのは何も自分だけではない、皆それぞれ重荷を背負って生きているのだと思い、癒され救われることもしばしばである。
 学生時代、近代市民社会をもたらしたフランス革命に強い関心を持っていた。資本主義社会における貧困や諸矛盾に対して憤怒を覚え、正義感とヒューマニズムに燃えて、社会思想史や経済体制を好んで勉強しユートピァを夢見ていた。
 当時、プロレタリア文学を代表する作品小林多喜二の「蟹工船」を読んだ。これは北洋の蟹工船で働く労働者たちが、不当な搾取をする資本家に団結して闘う姿を描いたものである。作者小林多喜二は小樽高等商業学校を卒業し、北海道拓殖銀行に就職したエリートである。にもかわらず、彼は、自分のことよりも、貧しく虐げられた人々への共感や正義感からこのような作品を書いた。この彼の生きる姿に共鳴を覚えたものだ。
 昨今、また「蟹工船」が脚光を浴びている。特に40代以下の若者に多く読まれていると聞く。格差社会が顕著になってきて、きっと共感を呼んでいるのだろう。市場経済の下では競争原理が働くゆえ、強者にとってはよいかもしれないが、社会的・経済的弱者にとっては必ずしも住みよいとは言い難い。そこで、今の社会を短歌に詠んでみた。

『うつし世を彷彿さする「蟹工船」時代を越えて在る格差社会』

 アダム・スミスが「国富論」の中で、神の「見えざる手」を説いた。世の中は目には見えない何か大きな力によって導かれ、調和がとれているように感じられる。これと同様、資本主義経済も神、自然の摂理にかなった体制とさえ思った。だが、アダム・スミスの提唱した「小さな政府」になると、福祉政策をあまり国家が行わなくなり、国民の自助努力に待つところが多くなる。
 最近、経済学者福島清彦氏の著書「ヨーロッパ型資本主義」を読んだ。その中で著者は「欧州連合が目指すモデルは『社会的な資本主義』である。これは、ゆとりと思いやりの社会であり、社会的な弱者と地球環境に配慮した国づくりを推進する福祉国家路線の資本主義である、という趣旨のことを述べられている。
 格差社会が少しでも改善されればとの思いから、経済に関する本のことばかり書いてきたが、小説やエッセー、俳句、短歌なども好きである。サンデー毎日の日々を過ごしている私にとって読書が一番の楽しみである。とりわけ夏目漱石や森 鴎外、太宰治、倉田百三、三浦綾子などの作品を好んで読む。小説は作者の経験や知識を駆使して書くので、作者のことがよく分かる。また、これら名作を読むことによって人物や情景描写の勉強にもなる。

 三浦綾子は、その著「愛と信仰に生きる」の中で「文学は不幸という木に咲くという言葉があるが、私の歌は、いつ直るかも知れない病床にあってこそ生まれたものであった。幸せな時に、人はなぜ歌を詠めないのか、少なくとも不幸な時のほうが、なぜ、より多く詠えるのか、私は知らない。」という旨を書かれている。確かに新聞などの「詩歌」欄を読むと身近な人を亡くされた人の歌がよく載っている。幸せを絵に描いたものより、痛みや悲しみを詠んだもののほうが、いっそう胸を打つ。更に、これら苦しみに打ち克ち幸せを得たものには拍手を送りたくなる。
 人間万事塞翁が馬。日頃いかに幸せな人生を過ごしていても、万が一不幸な目に会った時は、きっと小説や詩、エッセーなどが癒しや慰め、救いになる。このように本から学ぶことがたくさんある。本は、まさに財産である。これからもできるだけたくさんの本を読み、充実したシニア・ライフを過ごしたい。


は楽しからずや


 私の生きがいでもある旅であるが、夫婦共通の想い出を分かち合いたいゆえに、寸暇を惜しんではできるだけ同伴の旅をしてきた。
 海外では、中国・シルクロードの旅、そしてヨーロッパの旅(フランス、ベルギー、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、イギリス)、次にタイ、シンガポール、香港など東南アジアの旅、北アメリカの旅、中国華南の旅、そしてまた再び人類文化発展の源流を辿るべくヨーロッパ(イギリス、スペイン、イタリア、ドイツ、スイス、フランス)、韓国、カナダと計8回ほど経験した。ヨーロッパへ2度行った理由は、歴史の層が厚く、どこへ行っても素晴らしい文化遺産にあふれており、また、スイスなどは自然の美しさで輝いているからだ。
 初めてヨーロッパを旅行したのは今から20年余り前の夏だった。テレビや映画、雑誌などで西欧のことは一応知ってはいたが、旅行の前日は期待と喜びで胸がドキドキし、よく眠れなかったことを覚えている。
 当時は成田空港からアンカレジ経由でヨーロッパへ。15時間近い空の旅だった。最初に着いたのはパリだった。まずノートルダム寺院からルーブル美術館、ベルサイユ宮殿と訪れた。北のベネチアと呼ばれるブルージュへと移り、ロマンチック街道、スイスのユングフラウヨッホ、ルネッサンスの代表都市フレンツェ、街中が美術館のようなローマ、ナポリ湾、ポンペイ遺跡とまわった。最後はロンドン。大英博物館、バッキンガム宮殿など観光した。
 見るもの聞くものすべてが新鮮だった。東洋が木の文化であるのに対し、西欧は石の文化だと痛感した。この西欧七ヵ国18日間の旅こそ、ときめきの連続だった。

 最近は年をとって海外旅行が大儀になったことと治安が悪くなったので国内旅行をするようになった。年2回程度、5日間または7日間のフルムーンの旅を楽しんでいる。何処を旅するか、テレビや新聞・雑誌、本等から集めた情報をもとに計画を練るのも楽しみなものである。平成18年初夏に実施したフルムーンはおよそ次のようなものであった。

1日目 大分駅〜山形駅    
2日目 山形駅〜酒田駅 (奥細道最上川ライン経由)
3日目 酒田駅〜秋田駅
4日目 秋田駅〜仙台駅 (五能線経由)
5日目 仙台駅〜奈良駅
6日目 奈良駅〜京都嵯峨嵐山駅
7日目 京都駅〜大分駅

『待ちわびし青葉若葉の旅に出る』

 まず大分駅から小倉駅までソニックでグリーン車に乗った。やはりグリーン車は座席も広く乗り心地が良い。おしぼりと飲み物のサービスも有難い。次に小倉駅から新大阪駅まではレールスターでコンパートメントに乗った。個室なのでゆったりとしていてプライバシーが保てる。

『新幹線旅の始まり新茶のむ』
『景勝の奥の細道最上川ライン辿りて蕉翁偲ぶ』

 今回の旅の大きな目標の一つが酒田だった。日本経済史をひも解くと、戦後の荒廃から奇跡の復興を遂げ、世界第2の経済大国となった要因のひとつに農地改革があげられる。農民に自作農としてやる気を起こさせる、いわゆる経済の民主化である。かつて日本一の大地主だった酒田の本間家(3千町歩)に興味関心を持った。このことを、学生時代「農業政策」の講義でお世話になった山本雅之先生に電話でお話すると、もちろん農地改革に大きな意義を認められ、せっかく酒田に行くのなら山居倉庫もぜひ見学するようにと薦められた。
 本間家旧本邸を見学して、その造りの見事さからも戦前の地主がいかに力があったかがよく理解できた。ガイドさんから次のような歌も聞いた。

『本間様には及びもないがせめてなりたや殿様に』

私は次のような歌を詠んだ。
『別荘は鳥海山を借景に殿もかなわぬ大地主かな』

しかし、また酒田の人々や酒田の発展のために私財を投じて貢献したそうでもある。酒田は北前船による庄内米の積出港として栄えたことでも有名である。山居倉庫は、明治26年に酒田米穀取引所の付属倉庫として、積み降ろしに便利な最上川と新井田川とに挟まれた、通称「山居島」に建てられたのが始まりだそうである。現在でもJA全農庄内の農業倉庫として活躍中である。土蔵造りで11棟。西日を防ぐための欅の大木に囲まれて、静かなたたずまいを見せている。
 「五能線」の旅。JR東日本のパンフレットに「心酔わす風景が、ここにある 列車が刻むリズムに揺られながら広い車窓に目を向けよう。奇岩が連なる海辺の景色、緑まばゆいブナの森 広々とした田園風景、そして海を茜色に染め上げる夕陽。心酔わす、感動シーン連続の五能線へ」とあったので、秋田駅から五能線を走るクルージングトレイン「リゾートしらかみ」に乗った。しかし、当日あいにく雨模様のためこれらを十分楽しむことができず残念であった。
 奈良も訪れたが、時間が余りなかったので「歴史の道」を散策したのみだった。
 京都には何度か足を運んだことがあるが、嵯峨嵐山をゆっくり巡ったのは今回が初めてであった。まず「あだしの念仏寺」から散策を始めた。ここでは直ぐに兼好法師の徒然草にある「あだし野の露消ゆる時なく・・・」のくだりを想い出した。野ざらしとなっていた遺骸を埋葬してあり、荒寥とした風景が印象的だった。途中、瀬戸内寂寵さんの「寂庵」にも立ち寄った。付近を田園に囲まれた静かな佇まいであり、多くの修学旅行生が見学に訪れていた。次に、「祇王寺」を訪れた。祇王寺は「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色・・・」で始まる平家物語にも関係する由緒ある寺である。訪れたのが5月の末だったが、見事な新緑には大いに癒やされた。

『祇王寺の木漏れ日のなか風香る』

江戸時代の俳人・向井去来の遺跡、「落柿舎」にも立ち寄ってみた。庭に柿の木が40本あり、その柿の実が一夜のうちにほとんど落ちつくしたということが由来となっている。

『落柿舎の縁に座りて憩ふ初夏』

 最後に「常寂光寺」を訪れた。仏教用語の「常寂光土」にちなんで名付けられた風光明媚な寺である。また寺院の新緑も素晴らしく、京都市街が一望できる。

『万緑の常寂光寺散策す』

 最後は、嵯峨野の竹林を通って帰路につく。高さ15メートル以上はあろうかと思われるきれいな竹の道が延々と続く。実に見事な眺めである。

『一隅の空に絵を描く今年竹』

 フルムーン最終日は、嵯峨野トロッコ列車に乗り、保津川や渓谷など変化に富んだ沿線の風景を楽しんだ。

『保津川のトロッコ列車青葉風』

 旅は無形の財産であり、その土地、土地の名物料理や銘酒を味わうのも旅の醍醐味だ。旅ほど気分を楽しくさせるものはない。これからもできるかぎり旅を続けたい。

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