CE001C フジミ熊本城エッチング
●商品内容
定価 1,250円(税込)
発売 2011年6月
サイズ 74×86mm
材質 真鍮0.3mm厚
パーツ数 97点
製作環境 組立説明書をオンラインで閲覧するにはネット環境が必要です。CD-Rで閲覧するにはCDドライブを搭載したPCが必要です。
現在の天守ではなく焼失前の状態を、古写真や復元図面、城内展示物などを参考に模型化しました。
難易度はかなり高く、エッチング未経験の方にはお勧め致しかねます。ベテランの方も下の説明や部品図をよくご覧になった上で購入をご検討下さい。
小天守御上段を精密に再現します。
大天守御上段を精密に再現します。
突上戸を開いた状態を再現します。
●部品図
●組立説明書
→組立説明書をオンラインで閲覧(商品に紙の組立説明書は付属しませんので、あらかじめご了承下さい。)
※組立説明書を収録したCD-Rをご希望の方には無償で差し上げますので、ご購入時に「組説CD-R希望」とお書き添え下さい。
●おまけ フジミ名城シリーズ 熊本城について
作りやすいキットで、初心者にも安心してお勧めできる。1974年11月、建築モデルシリーズとして発売、定価800円。
それまで建築モデルシリーズの城は姫路城(1965)、大名古屋城(1973)、犬山城(1974)のいずれも1/300だったが、この熊本城からは箱スケールとなった。
次の1/500小倉城(1975)で、フジミは城の開発を一時中断する。
80年代に入り、新たに「天下の名城シリーズ」と銘打って城プラモを再開、1/850姫路城(1981)、1/880江戸城(1981)、1/700大阪城(1982)、1/700名古屋城(1983)が発売された。
同時に建築モデルシリーズの編成も変わり、箱のサイズが小さい犬山城、熊本城、小倉城が建築モデルシリーズから天下の名城シリーズに移った。売れ方の違いによる再編成であろうか。
なお、建築モデルシリーズは現在では建物シリーズと名前が変わっている。天下の名城シリーズも名城シリーズに変更された。
要するに何が言いたいかというと、私はフジミ名城シリーズのなかでも特に犬山城、熊本城、小倉城が好きだ。建築モデルシリーズ出身だから贔屓にしているのである。
スケール
発売時には1/550と表示されていたが、現行の箱には1/700と書いてある。もし1/700なら天守台を含めた高さは60メートルとなり、ちょっと大きすぎる。
株式会社ぎょうせい「復元大系 日本の城8 九州・沖縄」掲載の図面が歩測とほぼ一致するので、この図面を信用して計算してみると、
天守台上面のさしわたしで図面は50m、キットは93mm。スケールは1/537.6となり、発売時の表示とほぼ一致する。
ともあれ人様の商品だから詮索はこの辺にして、当店のエッチングには1/550と書いておこう。
石垣
東側の地面や北側の石垣などは構図から除かれ、焦点を天守台に絞り込んでいる。ストイックな建築モデルシリーズらしい作風である。
モールドは美しく、塗装しだいで実感のある仕上がりとなるだろう。それだけにプロポーションが今ひとつなのは惜しまれる。フジミの城は、この熊本城や1/300大名古屋城など、石垣の裾を広げるとグッと良くなるのだが。
下は石垣のスクラッチを試みたが、気に入らないので没となった作品。こうなったらSHADEに頼るしか……。
土台
犬山城と共通の、山並みのような土台が付属している。スケールモデルと考えると意味が分からないパーツだが、盆景と見れば納得がいく。
なにしろ当時の想定ユーザであったと思われるシニア層を仮に40歳とすると、その方々が生まれたのは戦前である。常識や美意識の枠組みも異なるであろう。
このようなアプローチは当時のフジミ建築モデルにみられる特色で、他にも既存の建物キットにバキュームフォームの飾り台をセットした「奈良の名所 法隆寺」や「京の名園 金閣銀閣」があった。
シールによるディテール表現
天守最上層の側面はモールドではなくシールで再現される。この仕様は同時期に発売された犬山城、小倉城も同様である。
また、当時発売された名所シリーズの札幌時計台、大浦天主堂でも、窓枠の表現などにシールが採用されていた。
今となっては惜しまれる仕様だが、これも当時としてはライトユーザ向けの合理的な表現方法だったかもしれない。
プラモに色を塗るという習慣は、ソリッドからの移行組を除けば、メーカーや専門誌などの啓蒙によって定着していったものだが、鎧兜や建物などの歴史物はその埒外に置かれる傾向があった。
だからメーカーとしても「モールドに色を差してください」とは言いづらい状況だったのではないだろうか。
2018.10.31更新
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