少しばかりボリュームが上って、コンサート開始を知らせる曲(SUSATISSIMO、演奏:GEYERS)が流されると、会場から、拍手が沸き起こりました。もちろん、前回のコンサートを見た人や海賊盤で確認していた人には、この曲が、コンサートの開始を知らせる曲だと、すぐに分かったからでしょう。今回のコンサートが初めてだった人には、途中の「ブラック・ナイト」と「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフを織り交ぜたメロディーは、ユニークに聞こえたようで、「つかみはOK」と言った所だったようです。ちょっと、音が小さいのが気になりましたが、今回は、前座なしの、いきなりのコンサート開始のようです。
順番は、どうだったかはっきりしませんが、コンサートが始まる前に、リッチーのギターテクがろうそくの台に火をつけていました。その後、会場が暗転した様に思います。
リッチーによる演奏の開始を待っていると、まだ明かりのついていないステージには、2人の女性の姿がぼんやりと見えました。ネットで、バックでコーラスを担当しているSISTERS OF THE MOONが前座を務めるという情報を得ていたので、前座の代わりかと思い耳を傾けていると、まず、音合わせをしてから、2人は歌い始めました。リッチーの登場を期待していた人たちは、肩透かしな感じだったようですが、2人のコーラスは、それらを圧倒するパワーで迫ってきます。正式な教育を受けているらしい二人のヴォーカルは、バックで歌っているのとは違って、はるかにパワフルな感じです。
歌い終わった後、まだ数曲歌うのかと思って見ていると、リッチーのギター・シンセによる演奏が始まって、いよいよ本編スタートです。今回は、例のキャンディスのボーカル(Written In The Stars)はないようです。ステージ右側からリッチーが現れると、暖かい拍手が沸き起こりました。使用しているギターは、BURRN!2004年10月号6ページでリッチーが手にしているものです。このギターは、Yairiにいたギター職人の川上さんによって制作された、カスタム・ギターだそうです。会場は、大いに盛り上がっています。
ギター・シンセによる演奏の後、パワフルな「Cartouche」が、スタートしました。
今回のメンバーは、ステージ左から、キーボードのバード・デイヴィッド、ベースのサー・ロバート、ボーカルのキャンディス、リッチー、ステージ左後方少し高い所に、ヴァイオリンのテューダー・ローズ、さらにその後ろにSISTERS OF THE MOONのレディ・マデリーンとレディ・ナンシー、キャンディスの後ろにドラムのスクワイア・マルコム。ライティングは、黄色、オレンジ、赤が中心で、ステージ全体が明るくはっきり見えるように照明されていました。
音量は、97年の広島の時よりずっと大きく、低音域が強調され、ライヴCD同様、ギターの音は小さめでした。これは、コンサート全般にわたってそうだったのですが、ギターの音は、97年の広島の時ほど大きくはなく、時々、キャンディスの声や、他のメンバーの演奏によって完全にかき消される場面がありました。
シンセの演奏に用いたギターを持ち替えて、今度使用しているギターは、これまた変わった形をしていて、12弦ギターのように見えますが、ネックがえらく短い感じでした(BURRN!2004年10月号14ページ参照、、Player2005.1によると、スペインのラウドという民族楽器だそうです)。この曲以外では、基本的に、ヤイリのエレアコを使用していました。この曲でのリッチーは、完全に、バッキングに徹していました。
演奏の途中、片膝を付いて、客席に手を伸ばし握手、曲の後半では、ストラップをはずして、演奏を続けました。