童謡「いぬのおまわりさん」は、子どもから大人まで親しまれている童謡のポピュラーソング。
この詩が竹田市出身の佐藤義美の作品であることはあまり知られていない。
佐藤義美は、明治38年竹田市に生まれる。鹿児島、小倉の小学校を経て、竹田中学に入学。その後、父の転勤のため、横浜第二中学校に編入。
このころから詩や童謡を作り始め、「赤い鳥」などへ投稿、早稲田大学国文科在学中にはすでに童謡作家として活躍。
63歳の生涯で3千以上もの作品を残した。
平成10年春、出身地の竹田市に佐藤義美記念館がオープン。
豊後竹田駅から稲葉川沿いに望むことができるこの記念館は、義美が晩年を過ごした神奈川県逗子市にあった建物をモデルとしており、大正ロマン漂う木造2階建ての洋館。同じく大正ロマン風の豊後竹田駅前にかかる竹田橋や、整備された稲葉川の景観にとけ込んだ竹田市の新しい顔となった。
館内には、当時の様子を再現した書斎をはじめ、肉筆原稿や愛用のペン、童謡や詩を発表した雑誌などの遺品が展示されている。このほか、絵本のビデオコーナーや童謡の試聴コーナーなどで構成されている。
この記念館は、童謡詩人で、佐藤義美の著作権を継承する稗田宰子氏(記念館名誉館長)が自費で建設し、建物及び所蔵品を竹田市に寄贈。
市民団体「竹田よしみ会」が市の委託を受けて運営している。
付設のミニホール「このこのおうち」では、「絵本の読み聞かせの会」等が開催されており、子どもから大人までが楽しく童話や童謡の世界を楽しんでいる。市民の文化活動の拠点として、佐藤義美の心をふるさとの子どもたちに伝えている。