九重山(鳴子山〜稲星山〜白口岳)
                         期日: 1月31日(土)
                                  メンバー: 挾間、二宮、衛藤
コースタイム: レゾネイトクラブくじゅう(標高840m)8:12⇒朽網岐れ⇒鳴子山南東尾根取付き(標高1015m)8:49⇒鳴子山(1643m)10:58⇒稲星越11:50-12:19⇒稲星山(1774m)12:51⇒白口岳13:41⇒鉾立峠(1380m)14:30⇒鍋割峠15:10⇒朽網岐れ15:07⇒レゾネイトクラブくじゅう16:13

鳴子山への登路
 鳴子山山頂から南東方向に派生する尾根は、末端の朽網岐れ付近から、距離にして1.6km、標高差630mほどで、ほぼ真っ直ぐな急登が続いたのち、上部は眺めの良いちょっとした岩稜となる。雪さえあれば冬山をそこそこ体感できそうだし、レゾネイトクラブくじゅう付近の登山口(標高約840m)から稲星、白口、中岳などを組み合わせれば標高差900m以上の、格好のトレーニングコースになりそうだ、と前々から思っていた。

            
                   中央が鳴子山 直下に今回トレースした南東尾根が明瞭

 1月17日にトレースした時は雪が少なく少々物足りなかった。1月の月末は、北部九州はまとまった量の積雪があると見込んだので、2月下旬に予定している伯耆大山のトレーニングも兼ねて、所属山岳会の仲間に山行を提案した次第。

 さて、1月31日、我が愛車CX-5のスタッドレスタイヤが活躍する時が来た、と思ったものの、実際には登山口までノーマルタイヤでもノープロブレム。少しがっかり。見上げる鳴子山南東尾根の積雪も今ひとつの感じだが、上部はそれなりに冬山の様相を呈している。尾根の取付きからは先行単独行者のトレールに導かれるように高度を上げたが、鳴子山頂上直下の急登は、予想に反して風もなく気温も1℃程度、時おり陽が射し汗ばむほどだった。

       
         鳴子山南東尾根の急登に喘ぐ二人             鳴子山上部の岩稜

             
                            鳴子山山頂にて(先行したK氏撮影)

ラッセル、ホワイトアウト、寒風
 この日は、雲の流れが目まぐるしく、日が射したかと思ったらすぐ陰り、を繰り返していたが、鳴子山山頂付近の頃から陽が隠れ、寒気が厳しくなり、それに積雪も20-30cmと多くなり、冬山の様相となってきた。稲星越からは稲星山山頂のピストンだが、だだっ広い尾根では、夏道が雪で覆われ往路こそ若手・衛藤君のパワフルなラッセルで山頂に辿りついたが、復路は時にホワイトアウトで方向が定まらず、油断するとコースアウトしそうになり、神経を使う場面もあった。なお、山頂付近の気温はマイナス5.3℃。

              
                     横なぐりの寒風に思わず顔をしかめるの図

意外な単独先行者

 「鳴子山の尾根など、どうせ我々だけ」と思っていたら予想に反して先行する単独行者の足跡を鳴子山の山頂まで追うことになった。「こんなところを登るのは、ひょっとしたらK氏かも?」という超能力者のような衛藤君の予想がずばり的中し、当のご本人・K氏と鳴子山山頂でエールの交換。初対面だが衛藤君とは面識があるようだ。稲星越でいったん別れたが、白口岳への輪かんじきのトレールに追随することになり、鉾立峠で再度エール交換した。

             
                             白口から鉾立峠へ急下降

しめくくり
 鳴子山の尾根は雪が多ければ、大変なラッセルの急登を強いられるだろうし、上部は季節風が強い時は寒風に苦しめられアイゼンやピッケルの威力を実感できよう。また、稲星のだだっ広い尾根が雪原と化した中で、ひとたび吹雪かれれば、方向を見失うかもしれない。今回の九重登山は「好天を期待して」ではなく「悪天を期待して」、冬山の厳しさを少しでも体感するとともに、その備えに対する安心感を期待したのだが、結果的には、“そこそこ楽しい九重雪中登山”になってしまった。まっ、いいか…。本格的に厳しい冬山は次の機会に乞うご期待 !! というところか。