―― おゆぴにすとこらむ ――   今、時代は「G.N.S」なのだ
                                平松御湯彦
 豊後路は、すべていで湯の中、往きかふ人も、皆御湯人なり。縞の合羽に三度笠、サルマタ、手ぬぐい、洗面器(おゆぴにすと三神器)、インキン、タムシなんのその、インラン、インマンかき分けて、背なにかついだ県民の、ずっしり重い期待を負担い、今日は筋湯か明日は長湯、明日の夜は明礬(明晩)か・・・。

 北の横路、南の御湯彦、今やローカル新時代。X.A.Nだ、バイオだ、T.N.Sだ、どんどん進めアモルファス。「鳥の鳴かぬ日はあっても御湯彦の鳴かぬ日はない」 御存知、御湯彦登場。先日、MITI(通産省)の寄り合いで、江戸へ行ったのだが、そのついでに友人の糸井重里君の寓流コピー塾を訪問した。実はかねて私のテクノポリス運動についての県民の理解を得るのに、まだかなりの時を要すと思った。というのも、先日斉藤先生(分大経済学部教授)が、「経済文化の創成を」の中で「県民にとってのテクノポリスは非常に難解で、我々の生活とは直接かかわり合いのない」「手に負えない」シロモノとして受けとられている向きが多い、と語っておられた。

 「テクノポリスを理解しよう」のテーマで開かれた別府のロングラン・シンポジウムに於いても「説明されれば、される程、当惑した表情を隠せない市民の顔が印象的であった」……とある。私はいささか落胆したのだがそこで、私は県民に分かり易すいよう、テクノのイメージを今をときめく糸井重里君にコピーして頂こうと相成った訳だ。       
 糸井君もかなり苦労していたが、次のようなコピーを即座に考えてくれた。紹介すると、
1.知っていますか、知っている、世界のT C名産地、ニース(仏)、クニサキ(日)、シリコンバレー(米)(昔サッポロビールのコピー)
2.皆んなで遊ぼうDNA。
3.今、イタチはインターフェロン。
4.鳴かぬなら鳴かせてみせようニューメディア
5.クニサキは、テクノにホトケ(仏)に産学 住す(オレンジジュース)
6.一姫、二太郎、三T.C

 はっきり言ってみんな駄作です。 実に駄作だ。しかしダサイのは大分県人。 ひょっとしたら当たるかな?と思いながらも 間違っても29億円の横領など出来そうもない 出納長と、屋台で6:4のお湯割を酌みかわ す。ここで1句「いいちこ」に「麦」まで「どっとん」飲み過ぎてこうなりゃ「純」でいられない。あゝコリャ、コリャ。おっとっとっと脱線、脱線、「西明石」、複線、複線「日豊線」、宮の原は「通しゃせ ん」、駄作だ。糸井に劣らず駄作だなあ。

 この辺で本題へトランスファーしよう。グループサウンズはG.S。国民総生産は、G.N.P、ではGNSとは‥…。 Gross  National Satisfaction 1978年当時、コロンビア大学教授のZ.プレジンスキー(の ちの大統領特別補佐宮)が示された考え方なのだが、日本では「国民総満足度」と訳され ている。 低成長下に於ける、G.N.Pに変わる「社会の 新しいものさし」と言うべきものだ。簡単に説明すると、これからの時代は、経済的な面ばかりではなく、美しい緑や清浄な空気といった自然環境、快適な生活関連施設、健康で安全な生活、十分な教育、充実した文化・スポーツ施設などの社会環境の面も大切にして人々の生活のあらゆる分野での、総体的な満足が達成される社会を目標とするものである。既に県でも「社会福祉指標」の研究を進めているのだが、これらの実現を目指し「新しい豊の国づくり」を、県民と共に努力してゆきたいと思っている。要するにGNSとは量から質への転換を図るものなのだ。

 たとえ、週1でもいい。サティスファクションが得られれば。(USAテクニカルセンターでは週3が常識だと言われているが、ここでも量から質への早期転換が望まれる)。「おゆぴにすと」の世界ではG(痔)、N(無い金)、S(ストレス)をサティスファクションするものはなんといっても「山のいで湯」以外にはあるまいぞ!                        (つづく)

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