グラビアの解説
 赤川温泉に浸るおゆぴにすと2人―― 前号の「おゆぴにすと」巻末で編集子は、山のいで湯にぴったりの顔としてK.K.Tの名をあげた。そのうちの2人、加藤代表と伊藤会員の屈託のない顔を、とくとご覧いただきたい。これにもう1人栗秋会員が揃えば言うことはない。この赤川温泉のスナップに栗秋会員の姿を見ることができないのはこの上もなく淋しい限りなのである。というのも、この赤川温泉に何の苦もなく入湯できた前2者に比べ、栗秋会員の場合、一体何度足繁く通ったことだろう。その度に、つれなく断られすごすごと退散せざるを得なかった彼、クリさん・・・・そう言えばクマさん(美坂哲男氏)も入湯がかなわなかったことが、「山のいで湯行脚」に書かれてあったように思う。そして幾度目かの挑戦ののち、主人を強引に口説き落して念願かなったのが昨秋。そんな先人の苦労を知ってか知らずか、ご機嫌な2人なのである。

 実はこのスナップは、アドバンス大分誌の連載記事「地球の穴ぽこ−露天風呂を行く」に掲載されたものである。同誌の中でこの温泉について「湯の中にたまった“メリケン粉みたいな分子”を乾かして湯の花にし、製造販売するのが、ここの夫婦の年間の生業になる。水虫、アセモ、ワキガ、疥癬の特効薬だという。」とある。(アドバンス大分1984年7月号より) 因みに、10数年来連れ添い加藤会長を悩ませ、医者も、当の本人も見放したという頑固な水虫が、この赤川温泉の湯の花で完治したというのだから驚嘆に値する。加藤会長によると、余りの切れ味の良さに我が分身ともいえる水虫の、読んで字の如く、まさに完膚なきまでの敗北に同情すら覚えたという。その感動が、後日、会長自ら出横したNHKラジオでのあの水虫撲滅発言となるのである。
                            (撮影:平野憲治  文:挟間渉)
 
編集後記
 師走も押しせまりようやく第2号が出版できた。編集部の都合もあって活字印刷となったが、活字というのは存外味気ないものだ。手造りを売りものにしようとしたものの早くも第2号にして活字となってしまったが、編集にかえって気を使い結構苦労した。第3号は4月初旬を目標としたい。来年も良い年であるよう頑張ろう。                          (挟間)


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