日本リーグ審判員 Vol.4

2部アドバンスセクション 第5節 福岡大会』




夏の中断期間を終え、日本リーグも9月から後半戦が始まった。中断期間中の7月には世界女子選手権で日本代表が42年ぶりの世界一に輝いた。その代表選手のほとんどが日本リーグ加盟チームに所属している。アメリカやオーストラリアなどの各国代表選手が参加し、世界最高峰のソフトボールリーグと言われている日本リーグであるが、それが間違いではないことを証明した結果となった。そんなレベルの高い試合の審判をできることをうれしく思うとともに、責任の重大さも改めて認識した。ぜひもっと多くの人に世界最高峰のソフトボールを観てもらいたい。そして、日本リーグでプレイする選手が再びオリンピックの舞台に立てる日が早く来て欲しい。


後半戦最初の派遣は、9月28日(金)〜30日(日)に福岡県北九州市で開催された、2部アドバンスセクション第5節福岡大会。今回が初めて九州内への派遣となった。普段は飛行機での移動が主だが、今回は車で移動することにした。審判員はとても荷物が多い。ましてや2部リーグは3日間開催のため、3泊4日の遠征となるので、着替えなどで荷物はどうしも増えてしまう。そうなると車の方が都合がいい。また、どんなに試合終了が遅くなっても帰路につくことができる。

北九州といえば、昨年の全日本実業団女子選手権にも参加させていただき、決勝戦で26対0という試合の球審を担当した思い出深い場所である。今回の会場も昨年と同じ響灘コスモスグラウンドで、おまけに台風接近という、昨年と似たような状況での開催となった。

今回一緒に派遣されたのは、筒井正直氏(佐賀県)・櫛下町晃氏(鹿児島県)・鴛海文仁氏(福岡県)の3名。自分も含め、4人とも九州からの派遣となった。これは初めての経験である。また、自分以外は今年がリーグ審判員1年目である。リーグへの派遣は、先輩審判員が1年目の審判員と一緒に派遣になることが多い。去年は自分もそうであったし、初めての1部の時も先輩が一緒であった。厚木大会の時は、同期の須田氏と濱崎氏が一緒であったが、今回は自分だけなので、何か普段とは違うプレッシャーを感じての大会となった。

大会第1日目は、櫛下町氏とペアとなりB球場に配属となった。まずは第1試合の湘南ベルマーレ厚木vs伊予銀行の試合で1塁塁審を担当した。14−0と伊予銀行が大差で勝利した試合であったが、最後まで集中を切らさず試合を終えることができた。また、初めて櫛下町氏とペアを組んだが、まずまずの連携ができたと思う。
そして、第2試合の日本精工vs東海理化の試合で球審を担当した。両投手の好投で投手戦となったが、3−0で日本精工が勝利した。試合後に知った事だが、この試合で敗れたことで東海理化はプレイオフ進出の可能性が無くなった


大会第2日目は、鴛海氏とペアとなりA球場に配属となった。まずは第1試合の湘南ベルマーレ厚木vs平林金属の試合で1塁塁審を担当した。この日も初めて鴛海氏と一緒だったが、無事に終了することができた。
そして第2試合、今節の最も注目が集まる、1位の日本精工と2位の東芝北九州の試合の球審を担当した。両チームはこれが最後の直接対決であり、勝敗の差はわずか「1」。今シーズンはプレイオフで、リーグ戦の1位チームに与えられるアドバンテージが大きいため、この試合はとても重要な試合であった。試合は、初回に東芝北九州が2点を先制。日本精工も4回に1点を返すが、反撃もこの1点のみ。東芝北九州が逃げ切り、最終日を残して、勝敗で2チームが並んだ。また、同時に行われていたもう1試合で、伊予銀行が敗れたため、日本精工と東芝北九州のプレイオフ進出が決まった。


大会最終日は、筒井氏と一緒にA球場に配属となった。3日間ともペアを組む人が変わるのは今回が初めてであった。そして、まず第1試合の湘南ベルマーレ厚木vs甲賀健康医療専門学校の試合の1塁塁審を担当した。3日間とも最初に1塁で2試合目が球審という配置であったのである。続く、第2試合の東芝北九州vs東海理化が球審となった。工場閉鎖に伴い、来期の活動が不透明な中での地元での最終戦。そして、1位通過がかかる大事な試合には、多くの観客はもちろん、地元テレビ局のカメラもかけつけていた。試合はそんな周りの期待どおりの壮絶なものとなった。2回表に東海理化が1点を先制。その裏、東芝北九州が2点を奪い逆転。東海理化もその直後の3回表に同点に追いつく。5回に東芝北九州が再び1点をリードするが、6回に東海理化がまたも同点に追いつき、ついに延長タイブレーカーに突入した。8回と9回は両チームとも1点づつをとり、譲らぬまま10回に突入した。10回表に東海理化が2点をあげた。あきらめない東芝北九州は2点を返し同点とし、サヨナラヒットで接戦をものにした。3時間8分のゲームであった。延長10回は今シーズン1部・2部を通して最長イニングであり、2試合しかない。しかも、その2試合とも自分が球審の試合だ。ましてや、両方とも派遣最終日の最終試合。ここまでくると、なにか持っているとしか思えない。でも、他の人よりも余分にできたのだからこれをプラスに考えたい。


今回も昨年同様、福岡県協会・北九州市協会の方々にはとてもお世話になりました。おかげで無事に派遣を終了することができました。ありがとうございました。