南国宮崎で大学生の祭典
“インカレ”に参加!




8月28日(金)〜30日(日)までの間に、宮崎県宮崎市で行なわれた、文部科学大臣杯 第44回 全日本大学(男・女)ソフトボール選手権大会インカレ)に大分県協会から、3名の審判員が派遣された。今回派遣されたのは、大分市の佐島政廣氏、臼杵市の板井祐造氏、竹田市協会の松田尚也の3人。

他の2人は、以前にも数回、他県に派遣されたことがあるが、自分は今回初めて、他県での大会に正式に派遣されることになった。以前、福岡で大学に通っていた時、北九州市での全日本男子クラブ選手権の際に、悪天候による大会日程の変更で審判員が足りなくなり、急遽、参加した経験はあるが、正式に他県に派遣されるのは初めてだ。

全国大会の舞台で、せっかくお招き下さった宮崎県の方々や、大学生活の集大成に向け夏の暑い日も練習に取り組んできた選手たちに迷惑は掛けられない。そんな思いで、九州ブロック大会前のSTオール大分の練習や、インカレに九州地区代表として出場する日本文理大学女子ソフトボール部の練習試合に出かけ、感覚を整えたた。

派遣は29日(土)までだが、インカレは毎年、雨が多いと聞く。大会要項でサスペンデッドゲームが採用されていることもあり、期日前投票を済ませ、着替えも余分に用意し悪天候による順延にも備え大会に臨んだ。


大会前日の8月27日(木)、各種会議と開会式に出席するために、佐島・板井の両氏と共に豊後大野市を出発。国道10号に出て、10号を南下し一般道で宮崎市を目指した。途中に休憩を挟み、約4時間で宮崎市内に到着。JSAから派遣理事として福岡県から来られた大下秀男審判委員会副委員長は高速を使い、3時間弱で到着したという。東国原英夫宮崎県知事が、常々訴える、東九州自動車道の早期開通の重要さを身を持って思い知った。これは、来る総選挙でどの政党が政権を獲得してもぜひ早急に取り組んでほしいと思った。

今大会の大会会場は、男子は、プロ野球のジャイアンツのキャンプ地で、今年2月にはWBC日本代表のキャンプも行なわれた宮崎県総合運動公園。女子は、プロ野球の福岡ソフトバンクホークスのキャンプ地の生目の杜運動公園。

各種会議は、宮崎県総合運動公園内にある武道館会議室で行なわれた。武道館は、WBC日本代表が使用したサンマリンスタジアムのすぐ隣に位置している。

まずは、午後2時からの監督会議に出席。熊本県と鹿児島県の審判員とともに派遣審判員として紹介された。続く3時からは審判・記録会議が行なわれ、分科会では、JSAから派遣の審判委員会郷原健一郎委員と工藤澄子委員から諸注意が行なわれ、夏場の暑い時期であるため体調管理と水分補給は特に時間が割かれた。その後、宮崎県協会の日高一幸審判長から各種連絡が行なわれ会議は終了した。

4時からは木の花ドームに場所を移し、開会式が行なわれた。開会式に先立ちアトラクションとして本場宮崎の神楽が行なわれ、開会式では、入場行進が優秀なチームに賞品が送られたり、全チームに地元の焼酎メーカーから宮崎名産の芋焼酎が送られたりと趣向が凝らされており、これらは竹田も学ぶべきところが非常に多いと思った。

開会式終了後、市内中心地のホテルに移動。宮崎特産の芋焼酎と地鶏を味わい、翌日に備えた。





大会第1日目、男子の部に配属となった我々大分県の3人は、朝7時半に男子のメイン会場であるひむかスタジアムに集合。朝礼とミーティングに引き続き、鹿児島から来られたJSA審判委員会の田中久仁委員の指導により球審時の基本動作の確認と発声練習を全員で行なった。これは非常に効果的だった。体を動かし大きな声を出すことで緊張がかなりほぐれ、スムーズに試合に望めた。

大分県の3人はC球場に配置となった。まずは第1試合で2塁塁審を担当。外野への飛球の確認や2塁上でのタッチプレイなどを無難にこなし、3塁の宮崎県の審判員との連携もまずまず。1試合目は無事に終了。大学生の試合独特の雰囲気やリズムにも慣れることが出来た。

そして第3試合の高知大学vs福岡大学戦でいよいよ球審を担当。福大は、6月に竹田で行なわれた全日本総合九州予選会で西日本リーグの旭化成を完封で破っており、この試合でも投手はいいボールを投げ込んでいた。男子ソフトボールの魅力であるスピードを存分に体感しながら試合を担当することが出来、トラブルもなく無事に試合は終了した。際どい見逃しの三振の時のオーバーアクションや試合時間が掛かりすぎたことなど反省点はあったが、1日目はなんとか無事に終了した。

その日の夜、JSAの審判委員会の先生方、鹿児島・熊本・大分各県と地元宮崎の審判員による懇親会が開かれた。懇親会では、審判委員会の先生方の貴重な体験談やお話を伺え、各県の審判員とも親睦を図れ、有意義な時間となった。鹿児島と宮崎の方の宴会芸は特筆すべきでかなりの腕前であった。


大会第2日目、この日も朝7時半にひむかスタジアムに集合。朝礼・ミーティングに引き続き、基本動作の確認と発声練習を全員で行なった。この日はなんと、田中先生からのご指名により、全員の前でコールとジェスチュアを披露することになった。諸先輩方の前でとても緊張したが、普段通りにやることが出来た。

派遣の最終日となるこの日も、大分の3人はC球場に配置となった。この日もまず第1試合で1塁塁審を担当。際どいフォースプレイの判定や本塁へのカバーリングなど、うまく行なうことが出来た。また、離塁アウトも大きな声で宣告することが出来た。

そして、今回の派遣で最後の担当となる第3試合。予定では3塁塁審に入り、2日間で全てのポジションを担当させて頂けるようになっていたが、田中先生のご厚意により、ひむかスタジアムに移動し、準々決勝戦の関西大学vs日本体育大学の試合で球審をさせていただいた。昨日の反省をもとに試合に臨み、この日も無事に終了することが出来た。

日体大の橋速水投手は日本代表に選ばれた経験もあり、ノビのある速球とキレのあるライズボールやドロップなどのすばらしい投球を間近で見ることが出来た。過去に、宮平永義投手や飯田邦彦投手など日本を代表する投手が登板する試合の球審をした時にも感じたことだが、男子選手のスピードボールや変化球をこんなに近くで見られるのは、まさに審判員の特権であり、審判をする魅力のひとつだと思う。この試合で、投球判定はなんとかうまくいったが、まだまだ男子のトップレベルのボールに慣れる必要があると感じた。来年の全日本クラブ男子選手権への課題としたい。なお、昨晩の懇親会のおかげで宮崎県の審判員との連携もうまくいったと思う。

試合後の反省会で大下先生と田中先生からご指導を頂いた。非常に勉強になった。

2日間で4試合を担当させて頂き、非常に収穫の多い大会となった。また他県の審判員との交流をすることも出来た。今後も機会があれば、ぜひ他県での大会に参加したいと思う。

終わりになりましたが、今回指導してくださったJSAの審判委員会の先生方、そして今回の大会にお招き下さった宮崎県協会の皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました。今回の経験を今後に活かしていきたいと思います。


                                                   松田 尚也