IN SIDE WATCH 横の腕時計で

第 83 話 始まりのスタートライン

様々な事が交錯して、己の人生をどの様に変えて行こうとする仕草

その中でも、修一は、自分の人生をどのように見ているのか

楓・美紀。お互いの刺激は、修一から始まっている。

特に楓の場合は、凄い刺激になってしまった。一緒に過ごすだけで

更なる成長が求められた。その答えが、いつか分かる。

時計は、15時が回った。夕方の時間になりつつ、新しい事が発動する

修一:おーーー!良く寝た。どのくらい眠っていたかな?良く分からないな

楓:先輩。起きましたか。2時間くらい眠ってました。私も

先輩と話していて、色々な事が、先輩から聞きました。

人生も奥が深いなと。そんな感じがしました。

修一:そうかい?私の経験は、まだ浅いから。私もまだこれからだよ

色々な事を、もっと勉強して、自分を磨いていかないと。意味がないからね

自分への成長も一緒に兼ねて。これからも、頑張っていかないとね

楓:先輩も、色々な事を考えているのですね。私も、考えますけど

ほとんどが、空回りで。上手く行かなくて。挫けそうになる事もありました

私が、尊敬する人が、目の前にいて、話を聞いて。私に足りない物を

先輩は教えてくれてます。それに、負けないように。そんな自分でありたいです

楓は、自分の考えている事を、実行するけど、すべて空回りになってしまっていた

何故上手く行かないのか?そして、失敗してしまうのか?原因が分からなかった

修一:空回りとはね。そんなに失敗する事ってないでしょうに。

でも、そんなに、失敗や、空回りがするとは、そんな事があるとはね。

何事も、失敗はあるけど、挫けないで、諦めない事が肝心だよ

楓:そうですね。何事も、諦めない事は肝心ですね。

先輩。そろそろ夕方になりますね。昨日からお世話になってますので

今日は、自宅に帰りますね。1人ですけど。先輩から

色々な事を教えてもらって、正直頼りにしてます。本当に

修一:頼って来て良いよ。こんな自分だけどね。

相談乗ってあげる事が出来れば、それはそれで、問題はないよ

大事な事は、自分自身がどうあるか?どうかで、全て決まるからね

楓:先輩は、全力で色々な事をやりますね。真似が出来ないです

好きな事は、やりますけど。最近は、全然ですけど・・・・

勉強をしてる時も、人の事を考えてしまう事も多く・・・・

夢の中で寝言を言っていた事も。幼い時の出来事も。

人を大切にする。その気持ちが私には欠けてると・・・・

修一:全員が全員。そうであるとは限らないよ。

誰もが、自分にあって、人には無い物。人にはあって、自分には無い物はあるよ

羨ましく思える事もあるよ。そう言う事は。

これから掴み取れば良い。失った時間や物は、自分の手で取り戻せば良い

時間を、有効に使えば良い。焦る事はない。

自分自身が大事な事に、修一は楓に、言葉で表現をした

どのように伝わっているかは、分からないけど。きっと分かってくれると

そう願うしかなかった・・・・。

時計を見ると、もう。18時20分が回っていた。夜が来る

楓を、自宅に戻さないと、考える修一だった。

修一:楓ちゃん。家まで送って行くよ。1人じゃ危険だからね

楓:ありがとうございます。先輩。

こうして2人は、楓の自宅へと、足を運んだ。

楓にとっては、これが何よりの幸せな時間だった。

全ては此処から始まっている。スタートラインにやっと付いたと。実感した

まだ、先は長いけど、高校生として、歩いてほしい。

社会人になるまでには、立派な大人になれるように思う。楓であった

楓の自宅へ向かう途中で、1匹の猫に遭遇した

灰色の猫。オスのような感じだけど。少し大きい

楓:先輩。猫ですよ。呼んだら来ますかね?

修一:猫は呼んでも来ないと、何かの本のタイトルにあったな〜そう言えば

楓は、猫を手招きして、呼んでみた。猫はそれに反応して。向かって歩いた

猫:にゃ〜

楓:先輩。可愛いですよ。こんな猫は初めて見ましたよ。灰色って

修一:確かに、全体が灰色の猫は珍しいな。黒とか、白とかはよく見るけど

捨て猫ではなさそうだね。首輪が付いてるから。飼い猫でしょう

でも、飼い主は?

猫には、首輪がついていた。飼い猫であるけど、肝心の飼い主の姿がない

楓:先輩。猫を抱くと癒されますね。落ち着いてますよ

猫:にゃ〜。にゃ〜。

猫は、大人しく丸くなった。

楓:でも、飼い主がいるのに、1人で動き回ってるのでしょうか?先輩

修一:考えられるとしたら、迷ったか?それとも家出か?どちらか

だとしても、此処まで寒いのに動き回るのも凄いけど。

楓は、猫を抱いたまま、触れていた。毛先がふわふわしてるので、結構心地よい

???ミュー。どこに行ったのかしら???

修一:おっと、どうやら飼い主が現れましたか?

楓:そのようですね。この猫ちゃんの飼い主みたいですね

猫:にゃ〜

猫は、にゃ〜にゃ〜しか言わないので、感情を読み取るのは難しい

???:ミュー。こんなところに居たの。探したわよ。あら。先輩・楓さんも

その声は、楓の同級生の雪菜だった。この猫の飼い主だった

楓:雪菜さん。この猫の飼い主だったのですか?

雪菜:そうなのですよ。猫が好きですので、飼っているのです。

でも、自由のままに動き回るので、探すのが結構大変なのですよ

修一:雪菜ちゃんが、猫好きとはね。てっきり、犬が好きだと思った

雪菜:犬も好きですけど、猫の方が好きなので。先輩も猫好きですか?

修一:猫は好きだね。小学校の時、学校に猫が来た時は

先生と一緒に、世話をしていたな〜。餌をやったりして。

楓:先輩も猫好きですか。じゃ、抱いてあげると良いですよ。喜びますよ

雪菜:ミューが、喜ぶかも知れないですね。

修一は、ミューを抱いてみた。すると

ミュー:・・・・。

抱かれると、すぐに眠ってしまった。一体何が起きた?

修一:眠っている。グーグー言ってる。

雪菜が、修一の手を触れてみると。手が暖かい事が分かった。

暖かいから、その手で眠りに付いたのであった。

楓:先輩の手が暖かいから、眠ってしまったのでしょう

雪菜さんが、先輩の手を触れただけで、分かったのですから

雪菜:こんなに、暖かいのでは、ミューもすぐに眠りに付きますよ

部屋の中も、結構暖かいので、疲れてたらすぐに寝てしまって

修一:俺の手が、そんなに暖かいのかね?

ミューは、丸くなったまま、眠りに付いた。安心したのか

腕の中が、心地良いものかと、思ってしまう修一だった。

楓:(先輩の手のひらは、私の手より暖かい。温もりを感じていたから

私も、安心して眠りに付く事ができた。この猫ちゃんも、そうなんでしょうね)

雪菜:ところで、先輩と楓さんは、これからどちらへ?

修一:楓ちゃんを、自宅まで送って行く所だったのよ。

雪菜:それだったら、私も付き添いますわ。楓さんと話をしたいので

楓:雪菜さんも、付き添ってくれると、助かりますね。先輩

修一:そうだな。話し相手が増えて良いな。賑やかになるかもね

こうして、3人と1匹の猫は、楓の自宅へと向かって歩いて行った

 

次回予告

楓に取ってのスタートライン。そして、新たなスタートラインを踏む

NEXT もう1つのスタートライン

それでは、次回をお楽しみに。眠りについて!待機せよ!!

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