佐田の名所

弘法の井戸


 キーワード: 自然
 米神山中腹、徳瀬地区の泉。

 その昔、徳瀬地区は水が無い土地でした。
 飲み水の確保にも難渋し、足の泥を拭う水もありませんでした。そのため、足をすり合わせ踏み拭う姿から「徳瀬のモミ足」と言う言葉すらありました。
 ある時、宿を求めて徳瀬を訪れた聖僧がこの話を聞き、手にした錫杖で地を刺したところ、清水が湧きだしました。以来この泉は枯れることがなく、徳瀬の人々を助けてきました。
 泉をつくりだした聖僧は忽然として姿を消しましたが、全国巡行中の弘法大師であったと言われ、この泉も「弘法の井戸」と呼ばれるようになりました。


  • [参考文献]安心院町身心すこやか事業推進委員会(1988)『ふるさと佐田』
  •  徳瀬の人々を支えた弘法の井戸