理事 小野 尚
「技」を身につけよう
NO 406 2024年4月号より
三月になったらまた、私の好きな大相撲春場所が始まります。若くて元気のよい、琴ノ若や大の里などの関取が、どんどん活躍を見せてくれるのかとても楽しみです。この記事が出るときは、もうすでに結果がでているけれども。 今年の初場所では、横綱照ノ富士が復活優勝を遂げました。照ノ富士は体も大きし力も強い力士です。相撲を見ていると大きな体で力任せに勝っているように見えます。でも、よく見ると、取り組みの中でたくさんの「技」を使っていることが分かります。相手の回しを切ったり巻き替えたり、相手に力を出させない動きを次々に繰り出して、相撲を取っています。自分の体の大きさも上手く生かせています。他の力士とは「技」の引き出しの多さが違うように感じます。相撲だけでなく色んなスポーツの一流選手は、皆素晴らしい「技」を持っています。 ところで、今年も新年が明けるとすぐにチャンピオン大会が開かれました。チャンピオン大会の様子は、前回に後藤青雲先生が詳しく書かれていましたので、ここでは内容には触れませんが、チャンピオン賞や優秀賞に輝いた作品には、書写における「技」がしっかりと身についているように感じます。では、書写の「技」とはどうして身につけるのでしょう。それは、教科書やこの本に書かれている「めあて」を考えて書く練習することです。お手本の字を真似て書くだけでは身についません。「めあて」を一つずつしっかりと覚えて色んな文字に応用していく練習をすることが大切です。チャンピオン大会は、いきなり課題が出され、しかも活字で書かれた課題を書き文字にしていくという難しいチャレンジです。それには高度な「技」が必要です。毎日の練習の中で、「めあて」を考え「技」をたくさん身につけていってほしいと思います。そしてまた来年のチャンピオン大会で、素晴らしい「技」を身につけた皆さんと会えることを楽しみに待っています。
理事 後藤 進
「チャンピオン大会から学ぶこと」
NO 405 2024年3月号より
第6回全国小中学生チャンピオン大会が1月7日、大分市のレゾナック武道スポーツセンターで盛大に開かれました。これまで新型コロナ対策のため午前・午後の部に分けて実施してきましたが、今年は4年ぶりの一斉開催で約1600人がそろいました。引き締まった表情の参加者がずらりと並んだ会場を見て、私も胸が熱くなりました。 柗嵜典孝会長のあいさつ、佐藤樹一朗知事の激励に続き、参加者代表の4人が力強く宣誓、佐藤知事が太鼓を打ち鳴らしスタートです。課題は「アレ」「たつ年」「八冠達成」など、新年にふさわしい言葉や話題になった言葉で当日発表されました。1時間以内に5枚の作品を仕上げ、最もよく書けた1枚を自分で選んで提出します。しんと張りつめた空気の中、それぞれのペースで筆を動かします。すぐに書き上げてしまう人もいれば、最後の最後まで粘る人も。出場者も観覧席の保護者も真剣そのもの。静かな熱気に満ちていました。 制限時間内に仕上げる、お手本がない、枚数も限られるなど、いつもの学習とは全く違います。広い会場で1600人が一斉に書くという緊張感も独特です。大勢の人の圧力や雰囲気に飲まれて力を十分発揮できなかった人も、そんな環境だからこそ思った以上の結果を残せたという人もいるでしょう。 何がよかったのか、何が足りなかったのか、きちんと振り返って考え、これからの練習に活かすことでどちらも成長につながると思います。いずれにせよ、これまでにない経験を積めたことは皆さんにとって大きな財産になるはずです。 作品は3月7〜10日、県立美術会館に展示されます。再挑戦を狙う人も、次こそはと出場を目指す人も、ぜひ鑑賞していろんなことを感じ学んでください。そしてチャレンジャー精神を忘れず書道を続けてください。 第7回展で皆さんに会えることを楽しみにしています。
理事 児玉 元治
「勇気と感動」
NO 404 2024年2月号より
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