検察官の新型コロナウイルス感染

2020年2月13日

 
 プロである検疫官が感染したことをどのように理解するか。マスクと手洗いでは感染が防げないことを意味する。以前から、マスクでは予防はできず感染させないエチケット程度であることは医療者の良く知るところである。ウィルスのサイズからして、マスクで防ぐことはできないのは理論的にもわかる。まして、手についたウィルスを洗い流しても吐く息の中にウィルスがあるわけだから、感染経路が違う。
 では、うがいは口の中のウィルスを洗い流せたとしても、肺の中に入り込むウィルスをすべて吐き出すことはできない。その結果、完全な防備と考えたすべての防御を突き破ってウィルスは検疫官の体に入り込んだ。
 感染を予防することができないのは自明の理である。問題は、ウィルスは寄生先を探して強くなり、飛び回るということだ。感染しても自力で治る力を持たなければならず、その力を維持させるのが医療であり、回復を見守るしかない。
 船の中に閉じ込めれば全員が感染する。学級閉鎖のように自宅待機させれば隔離したのと同じである。