8月号 コロナ感染から身を守る
当院では全年齢のワクチン接種も行っています。 A.性質と特徴 1. コロナワクチン接種は感染予防に有効な方法ですが、完全というわけではありません。特に、変異株に対 してはそれぞれのワクチンの開発が必要かもしれません。インフルエンザに香港AやBがあって、それぞれ の型に別々のワクチンが必要なことを考えればわかります。また、ワクチン接種してもコロナに感染する ことはあり、他人に感染させることもあります。 2. オリンピック終了とお盆を境に移動が活発になると再び感染者は増加します。すでに第5波の告知があり ますが、無意味な宣言です。一日の感染者数が東京で1万人、大分で100人は普通に想定できる状態です。 3. 当院ではこれまでに600人以上にワクチンを接種していますが、40歳を中心としてワクチンの副反応が強く なります。およそ半数が倦怠感、腕の痛み、高熱などのかなり強い副反応のため仕事に支障をきたしてい ます。政府は国民全員にワクチンを接種するつもりですが、コロナ感染では80∼90%の人は発病しません。 若年者では、ワクチンを接種する方が有利なのか不利なのかを十分に考える必要があります。 B.感染対策 1.現状では十分な医療体制の管理や確保ができていません。病院で隔離することも、ホテルで確保すること も今後は不可能になります。行き場のない医療難民が多数出てくることは簡単にわかります。さて、皆さ んはどこに逃げ込めば良いのかを確認しておかなければなりません。災害から命を守るのは自身の判断で す。 2.感染の危険性のある人との接触に充分な対応をすれば感染を予防することはできますが、実際の生活では 健康に歩き回るクラスターからの感染を防ぐのは困難です。過剰な防御は感染を防げないうえに生活を破 綻させます。報道に惑わされないでください。コロナ感染では発病することは少なく、早期に治療すれば 死亡する可能性はほとんどありません。しかし、病院を探し回って、最終的に救急車の中で亡くなった人 や、いまだに1週間も病院探しをしている人はたくさんいます。 3.マスクは感染の速度を落とすためには有効なので、無駄ではありません。ただし、他人との接触を完全に止 めることはできません。外来診療での感染はほとんどありません。感染の確率が高くなるのは、人が密集 した狭い場所での食事、満員電車、介護病棟や重症病棟などの感染に弱い人が集まる場所です。 4.インフルエンザに対してワクチンや治療薬がありますが、それでもインフルエンザが全滅することはありま せん。コロナも同様に、ワクチンや治療薬ができても完全になくなることはありません。 C.診断 1.PCR検査で感染者の隔離を決めるのは合理性がありません。感染後、約2週間を過ぎると感染力は無くなり ます。PCR検査は感染から45日間は陽性となります。最大80日程度陽性となることが知られています。 2.発熱から急激に悪化して数日で死亡する、胸部写真ではわかりにくい危険な間質性肺炎があります。死亡の 危険性のある間質肺炎は毎日でも診察する必要があります。 D.治療法 1.コロナは治療法がないので重症化を防ぐことが重要です。コロナワクチンは医療者に優先的な接種が開始 されましたが、私は受けません。ワクチンの必要性を感じないからです。 ポイント コロナウィルスはワクチンを接種しても感染したり、感染を広げたりします。いつか必ず感染すると思って ください。倦怠感、味覚障害、咳、息苦しさ、発熱の順に症状が出ます。発熱する前に受診してください。感 染の可能性のある人は受診の際に病院に入る前に必ず電話をしてください。自宅待機は危険です。感染から逃 げるより、感染を早く発見し、感染したらどうするのかの準備の方が正しい行動です。 |