ロシア対ウクライナの戦争


 多くの人はこれを2国間の戦争だと考えているようだが、そうだろうか。確かに、ウクライナは独立国家としてロシアと対等に共和国である。しかし、その歴史はドンバス、クリミアといった現在の紛争を起こしている場所のみならず多くの国境が不明確なまま21世紀を迎えている。更に、ウクライナはこの地域をめぐってロシアとだけではなく、ポーランドやトルコとも奪い合いをしている。 ふと思う。日本国内で武田信玄と上杉謙信の関係に近くないだろうか。もちろん、日本とは違い、言語や文化の違いがウクライナ人とロシア人の間にはある。しかし、2国は兄弟であるという言葉も聞く。ロシアにとっては、兄弟間の内紛だと考えることもできる。だから、プーチンは、これは紛争であって戦争ではないと考えている。しかし、そもそもロシア帝国に支配されたウクライナは小ロシアと呼ばれ、搾取の対象であったわけで、ウクライナがこの戦争に負けて領土を奪われることは、ウクライナ人としての独立を永遠に失うことになると考えるだろう。骨肉の争いは始末が悪い。