かかりつけ医


 いまさらのようにかかりつけ医が大切だと言う。かかりつけ医はこれまでの医療制度の概念を大きく変える方法である。政府は、診療報酬をやりくりしながら誘導しているようだが、きちんとした説明と制度設計が表出されない。今回のコロナ騒動では、医療の実態があぶりだされている。現在、発熱者の診療拒否が続出している事を御存じだろうか。その主な理由は、コロナ風評被害、2類伝染病扱いで過剰な診療と、過剰な報告が要求されている。しかし、そんなことは3年も前からわかっていたことで、わかっていない人が世の中の中心にいるだけ。いまだに東京の特殊な環境が基準になっていて、都市に住み、実際に患者さんを見ずに、専門家と言われる人に全体を俯瞰する力はない。 本来、日常的に診察をしている、いわゆるかかりつけ医は発熱があれば即座に診療すべきである。しかし、保健所でコロナ陰性を確認して、4~5日様子をみて、受診するように勧められる。その間に症状は重症化していく。かかりつけ医はコロナであるかどうかより、重篤であるかどうか、今後の症状がどのように変化するかを診るのが仕事である。 発熱者の診療拒否にも十分な理由があるが、それにしても医療難民をこれだけ生みだしていて、反省もなくそのまま医療制度を維持しようとする方が無理だ。 これはコロナ診療に限ったことではなく、医師が医療制度から遠ざかり、ただの医療技術者になり下がった証拠である。