愛情に確信を持とう

●大分合同新聞10月21日朝刊の「読者の声」欄に掲載されました●

保育園で私は館長と呼ばれている。園に出向くと園児がふざけて館長に悪さをするのが常で、私の喜びである。最近、私はある男の子に蹴られたとき、思わず「痛いじゃねーか、お前!」と叫んだ。
 それを見ていた5歳児から「おまえは、ちくちく言葉だから使ったら駄目」と言われた。ちくちく言葉とは、小学校で指導される禁止用語らしい。
 私は「おまえと呼ばれて嫌な気持ちになった?」と尋ねた。男の子は「言葉じゃなくて、誰にどんなふうに言われたかだよな」という趣旨の答えが返ってきた。短い時間ではあるが、私は毎日園児と向き合っていて親愛の情を肌で感じている。
 子どもに対する体罰や言葉は、目に見えるものだけを問題にして、その心が論じられることが少ないのではないか。忌むべきは思いやりのない体罰である。大人はもう少し自分の愛情に確信を持って、子どもに接することができないのだろうか。