恐怖でしつけをして悪いのか


 北海道での小学生置き去りの件は賛否両論あり、多くの視点からの議論があることは喜ばしい事である。

 強い不安を恐怖と呼んでよいだろうか。事の是非は別にして、子どもの恐怖を大人が共感できるか疑問だ。不安と安心を対極に置いて区別しようとするが、感情はそれぞれが表裏一体である。人の心は安心と不安の間を揺れ動く。不安の方が人の心には強い印象を与える。健康番組が病気に対する恐怖で視聴率を上げようとするのは解りやすい例えだろう。

私は、置き去りの件は親が子どもの不安を同時に感じていたと思う。問題は、不安を中和するだけの安心を普段から子どもが感じているかどうかだろう。

北海道の山中には、最近人を襲って新聞を賑せているツキノワグマよりはるかに凶暴なヒグマがいる。教育的な置き去りなら構わないと思うが、場所をわきまえるべきだとすれば少し冷静さを失っていたと私は一緒に反省している。