終戦記念日を迎えて

 集団的自衛権の拡大解釈に反対する事が目的なのか、戦争の悲惨さを伝える記事が多く見受けられる。戦争は殺しあいであり、原爆でも撃ちあいでも結果は悲惨である。しかし、明治以来戦争を繰り返した日本人は戦争の悲惨さを知らなかったのだろうか。日露戦争では10万人近い犠牲者が出ている。

集団的自衛権の拡大解釈は犠牲者が出ない、抑止力なら良いという主張である。威嚇した後に撃ちかえされ、これが規模を大きくして戦争になる事は歴史的事実である。むしろ、犠牲者が多いからこそ戦いはエスカレートしてその後の犠牲者を増やしていく。戦争の悲惨さをイメージでとらえ、戦争放棄と結びつける方法は正しいとは思えない。

日清戦争以来、太平洋戦争の敗戦まで続いた戦争の歴史を振り返るなら、攻撃されても反撃しないという事にしかない。70年前に何百万人の遺体を前に日本人は世界中に、反撃しない覚悟と魂を示したと信じている。