少年兵が銃殺し、家族を惨殺された女性のインタビューにISISの残虐さが印象強く残る。現実の一部分を切り取った映像で特定の印象を視聴者に与えるのはテレビの常だ。残虐なストーリーは人の目を引くが根底にあるものを隠してしまう。

　ISISは特別な集団なのか。窮鼠猫を噛むという。長い戦闘状態に心がすさみ破壊的になる心理状態は理解できる。同じ人間に生まれてこれほど不公平な状態は実感しにくい。彼らも安全で楽しい家族があれば穏やかな生活を望むのではなかろうか。

　ISISを悪者にし、西洋的価値観の世界から追い出しても絶滅させる事はできない。アルカイダ、アフガン、古くはベトナム戦争でも武力で人を服従させることはできなかった。

　ISISが悪者になれば日本人捕虜が命を落としても日本政府への批判は少なくなる。今回の出来事がISISに与える心理的な影響はどうだろう。今後、日本人が格段に危険な状態に置かれる事は想定しているだろうか。