無床診療所の夜間当番院

 無床診療所は入院施設を持たない小病院です。かつての診療所は多くが有床で、急患は入院して様子を見る事ができました。診療報酬の減額と人員不足が原因で有床診療所は無床にするか閉院しており、この10年間に半減するほど激減しています。救急病院が混雑し救急車のたらいまわしが起きる原因の一つです。

 夜間病気になった時にどうしますか。かかりつけ医のほとんどは無床であり夜間は連絡が取れません。救急病院か、夜間当番医を探して受診するでしょう。偶然でなければ専門の先生はいないので、応急処置をして翌日専門医の受診を勧められます。

 無床診療所は輪番制で夜間当番医をしていますが、貧弱な人員で十分な態勢はとれません。患者さんは診察を受けた安心感を持ちますが、医師は初めて診る患者さんに十分な検査もできません。一晩を過ごせるかどうか判断に迷う患者さんを救急病院に入院依頼するのはかなり大変です。