わたげ 平岩純子後援会会報


「わたげ」は、2003年4月、県議会議員に当選以来、議会ごとに出している後援会会報です。このページでは、一部を公開します。この他に、平岩純子の行動日誌、応援して下さっている方の寄稿などがあります。「わたげ」を読んでみたいと思われる方は、ご連絡下さい。

43号 2016年4月18日発行





『地方創生と空き家対策』

 2月のことです。「第6回大分・安心院スローフード感謝祭」のご招待を受けました。農家民泊・グリーンツーリズムを推進しているNPO主催です。
 第1部では、俳句の表彰式がありました。20年前は、「わらこづみ」大会をしていたそうですが、ここ4、5年は、「農村の風景」の俳句を募集してきたそうです。
 「だいこんの たねをまいたよ たのしいね」入賞した小学1年生の句です。賞品は、安心院ぶどうジュースと安心院米30キロ。小さな体の1年生はもちろんお米は持てませんでした。
 第2部は、宇佐地域料理や伝統料理試食会。県内はもちろん宮崎や東京から来られた方もいて人で埋め尽くされていました。ご飯、お汁、おかず、デザートの コーナーが設けられ、123種類の食べ物が並んでいました。どれも地域で採れた食材を使っています。まさに身土不二(人間は、自分の地域で採れたものをそ の季節にあった時に食べましょう)に感動しました。安心院グリーンツーリズム研究会は、大分で早くから民泊に取り組み福岡からの修学旅行も盛んです。昨年 は、台湾から700人が研修でいらしたそうです。


 宇佐市役所で空き家対策をされている方に伺いました。高齢化、過疎化の中でこの地域でも空き家は増え続けています。高齢者が亡くなったり、子どもの家に 行ったり、施設に入所したりして空き家になることが多いようです。空き家は、売るに売れない、貸すに貸せない問題を抱えます。そして維持や相続の問題、近 所への迷惑など様々な課題が生じています。
 人口減少社会ですが新築する人は大勢います。新築優遇制度もあります。リフォームよりも新築のほうが、モノ(建材や住宅設備)やヒト(大工さんや左官さ ん)が必要になり、経済は潤うかもしれません。でも、何十年後には空き家になっていきます。データによると2033年には3軒に1軒が空き家になるとの報 告もあります。「空き家対策特別措置法」ができましたが、その対策にもっと早くから取り組まなければならなかったのではと深刻に考えます。
 古民家を利用して、田舎暮らしを始めるシニア世代や若者が増えてきています。市町村とともに地方創生に本格的に取り組んでいかなければなりませんね。

2016年度  第1回 定例県議会報告
(2月24日〜3月25日)
今年度の一般会計予算は、6912億1600万円
(*前年度より0.1%増 *3年連続プラス予算 *県債残高は4年連続減少)

安心して心豊かに暮らせる大分県にむけて
「子育て満足度日本一」をめざす
■これまで子育てに係る経済的負担の軽減や相談支援体制の充実に取り組んできたが、加えて出会い  から結婚(婚活を促進するコーディネーター配置)、妊娠(不妊治療費助成)、出産、子育てへと  切れ目のない支援を行う。

■3世代同居のリフォーム支援制度創設。スクールソーシャルワーカーを全市町村に配置など

「健康寿命日本一」をめざす
■県民会議を立ち上げ、県民総ぐるみの運動を展開する。地域総合型スポーツクラブを活用した手軽  に取り組める運動プログラムの普及。

■健康を支える食育推進。自立支援型のケアに加え、要介護者の重症化予防。
  地域ケア会議への医師の参加を支援する。

 「障がい者雇用率日本一」をめざす
■アドバイザーを配置し、民間企業を個別訪問し、仕事の切り出しや職場環境の見直しを進める。
 就労継続支援A型事業所の拡大。重症心身障がい者の在宅支援のため適切な医療的ケアの提供や家 族への支援を強化する。

活力ある大分県にむけて
 農林水産業の構造改革
■TPPの影響は、国と同じ前提で試算すると牛肉、豚肉を中心に12億円から20億円の影響が見込ま れる。そのため、高付加価値、販売促進の構造改革を強め影響を最小限に食い止めたい。

 商工業の振興
■国もようやく東京一極集中の是正に取り組みだした。そこで本社機能の移転などに支援制度を設け る。成長が期待される航空機産業への参入をめざす。

■「おんせん県おおいた」の強みを生かした誘客対策。台湾やタイ、ベトナムなど海外からの観光客 を8年後には120万人にしたい。

将来にわたり発展する大分県にむけて
 教育県大分の創造
■いじめ・不登校未然防止と早期解決に向け地域不登校防止推進教員、スクールカウンセラーの配 置、スクールソーシャルワーカーの配置に取り組む。

■大分県奨学会の貸与額を拡充する。

 芸術文化・スポーツの振興
■ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックに向けキャンプ誘致に取り組む。
 県内屋内スポーツ施設を3年後に完成させる。

 移住・定住の促進
■東京・大阪・福岡での移住相談会を毎月実施。Uターン促進のため30歳同窓会の開催。

■おおいた暮らし体験ツアーや空き家の改修による「おためし居住施設」整備など。



できました!
「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例」

 2011年、障がいのある人や家族の方が「だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会」を結成し、約21000人の署名を添えて、議会に請願を出し ました。請願は採択され、条例づくりが始まりました。議員提案ではなく、執行部だけでつくるのでもなく、当事者や有識者が会議にも参加し、何度も話し合 い、パブリックコメントも反映させ、条例案はできあがりました。

 全国に同様な条例は12道府県で制定されていますが、大分県条例の画期的特徴は、障がいのある人が恋愛や性、結婚などで直面する課題や、親の死後に生じ がちな問題への取り組みを「県の責務」と位置付けたところにあります。これは、障がいのある女性の「性別のある人として生きたい」との願いも反映されてい ます。

 2016年3月25日に条例案は、全会一致で可決されました。「つくる会」の運動から5年の月日が流れていました。

 議会終了後、「つくる会」の代表の人たちが、県民クラブに挨拶に来られました。皆さんがそれぞれの思いを告げられる中、事務局長さんの目には涙があふれ ていました。これからは、この条例を多くの人に周知し、生きたものにしていかなければなりません。そして、誰もが持っている生きづらさを隠すことなく伝え られ、支え合って生きていける社会にしなければならないと考えます。



意見書(議会で可決し、国及び政府に対して意見を送付する)について

 議会では、毎回いくつもの意見書が提出されます。数の論理で通らないこともあり、私たちの願いが届かないことも多いのですが、県民クラブでは、今回「奨学金制度の拡充などを求める意見書」 「消費税の逆進性対策を求める意見書」 「性犯罪など被害者のためのワンストップ支援センターの設置を求める意見書」「再犯防止対策に関する意見書」 「安保法制の撤回を求める意見書」の5本を提出しました。

賛成討論ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターの設置などを求める」
 国連では、性暴力を「身体の統合性と性的自己 決定を侵害するもの」と定義しています。そして、20万人に1か所レイプクライシスセンターを設置することが望ましい」「法は性暴力被害者が、国の費用に より妊娠検査、緊急避妊、人工中絶、性感染症や負傷の治療、被害後の予防およびカウンセリングを含む包括的かつ総合的なサービスに速やかにアクセスできる よう規定すべきであり、このアクセスは、被害者が警察への被害の申告の有無を条件とするものではないことを規定すべきである」と勧告しています。

 大分県では、今春から「ワンストップ支援センター」が設置され、性犯罪・性暴力被害者に被害直後から総合的支援を行うことができるようになり、期待が寄 せられています。しかし、残念なことに全国的には十分な取り組みがなされていません。犯罪白書には、1年間の性犯罪被害者数が表示されています。ただ、こ の数は、あくまで警察に届け出た数であり、被害を届け出る女性は、13.3%と言うデータに照らし合わせると、2014年度の強姦は9398件、強制わい せつは55639件、合わせれば65037件という大変な数字になります。

 ワンストップ支援センターを各都道府県に最低1か所設置することを義務付ける法律を早急に制定し、当事者が心身の回復とともに自分らしい生活を取り戻すために必要な財政上の措置と十分な支援が受けられるよう強く望みました。


「再犯防止対策に関する支援の充実を求める」
 犯罪件数は、2002年をピークに減少傾向に あり、犯罪認知件数はピーク時の47.7%と半減しています。しかし、犯罪率は1997年から一貫して上昇し続け、47.1%になっていることが2015 年の犯罪白書で明らかになっています。その背景には、高齢により出所しても仕事や生活の自立が困難なため、また罪を犯してしまうと言う現実があります。

 1月28日に大分刑務所に調査に出かけました。近くにあるもののあの高い塀で隔離されているのと同じようにこれまで刑務所は遠い存在でした。大分刑務所 には、現在1000人以上の男性が収容されています。洋裁や溶接、クリーニング、畳加工などの仕事をしています。農業園芸や情報処理の技術を身に着けるこ ともできます。外部講師を呼んで交通安全、犯罪被害、覚せい剤、窃盗、暴力防止プログラムの学習が組まれています。しかし、残念なことに刑務所に入る前に きちんとした仕事をしてきた人は少ないそうです。そして、再び罪を犯してしまう人も多いと言われていました。

 刑期を終え、外に出ても犯罪者だった人を容易に雇ってくれる社会ではありません。何よりも罪を未然に防ぐための人とのつながりや貧困の連鎖を断ち切る施策が求められています。

 安心・安全な社会の実現のためには、検挙される人の二人に一人が再犯者だという実態から勘案しても、矯正施設内での指導・教育の充実とともに出所後の更生保護の拡充に力を入れなければならないと願います。



「子どもの貧困問題調査」(4月5日〜6日・山形・東京)
「見えにくい子どもの貧困」

 川崎で起こった上村亮太君の事件以来「子どもの貧困」と言 う、胸が痛くなる問題を考え続けています。2012年の時点で16.3%。過去最悪を更新しています。17歳以下の子どもの6人に1人、300万人あまり が貧困状態にあるとされています。中でも深刻なのは、母子家庭などの「ひとり親世帯」の子どもで、貧困率は54.6%。子どもの2人に1人を超えていて、 先進国でも最悪な水準です。

 山形大学の戸室健作准教授は、もともとは、労働問題の研究をしてこられましたが、その問題を追及していく中で、少子化で子どもの数が減少しているにもか かわらず、生活保護費以下の収入で暮らす子育て世代が過去20年間で倍増していることに行きつきました。そして、都道府県別の「子どもの貧困率」も初めて 明らかにしました。結果は、1992年に約70万世帯だった子育て中の貧困世帯数は、約146万世帯に倍増していること。一方で、子育て世帯自体は約2割 減っているため、「子どもの貧困率」は5.4%から13.8%に悪化していること。また、都道府県別では、貧困率が高い順に 1.沖縄(37,5%)2.大阪(21.8%)3.鹿児島(20.6%)4.福岡(19.9%)から続き、最も低い福井(5.5%)までを公表しました。 その中でワースト10のうち8県に西日本が含まれていることが明らかになりました。

 「福井は何故低いのだろうか?」と話し合いました。福井県は3世代同居が多い県です。家族が収入を出し合って支えている実態があります。貧困率は、世帯 人数が少ないほど、高くなっていますが、「沖縄は大家族が多いのに何故高いのだろうか?」沖縄県では、低賃金の職種が固定化していると考えました。
 「子どもの貧困対策法」から3年、国も何らかの対策をやらざるを得ない状況がつくられていますが、各都道府県は、「貧困の見える化」には消極的です。
 収入では足りない部分を補足するために生活保護費がありますが、基準は地域によって異なり、市町村の負うところが大きくなっています。「貧困率の高位平準化が進んでいる。生活保護費を全額国庫負担すべきだ」と教授は言われました。
 話し合いを進めていくうちに、子どもの貧困とワーキングプア、非正規労働、高齢者の貧困すべてが連動していることに気づきます。戸室教授は、「山形大学 の学生の厳しい実態」も伝えてくれました。(授業料が払えないので、単位は取っているけれど卒業できない・教科書が買えない・アルバイトで生活費をねん出 している・卒業が近づくと学生のためにお金をためておく教授など)大学生の2人に1人は奨学金を利用している実態と重なります。



「子どもの貧困対策センター・あすのば」

「あすのば」は2015年6月に設立されました。私の周りには遺児を支援する「あしなが育英資金」を受けて学び、社会人になった人が何人もいます。
 その「あしなが育英資金」で進学した学生たちが中心になって活動しています。今春には、制服の購入など最もお金が必要になる3月に、小学校入学や中・高 を卒業する全国の厳しい環境にいる子どもたち80人にお金を支給しました。その財源のほとんどが、学生たちが10都道府県で街頭に立ち、集めた寄付金で す。大分でも募金箱に寄付された方も多いと思います。「あしたば」の活動の柱は@実態把握から行政を動かしその道しるべになる。A子どもたちを支えている 人たちを支える。Bしんどい思いをしている子どもたちの声を拾っていく。
 
 小泉行政改革以後、様々な面で格差が拡がりました。「自己責任」と言う言葉も多く聞かれました。私たち大人は、その「自己責任論」をかみしめながら現実 と何とか折り合いをつけて生きているのかもしれません。でも、子どもは、生まれてくる場所も、親も選ぶことはできません。どの子も幸せになるべき存在で す。子どもが生きづらくなっている背景を探ると、そこには家庭環境が見えてきます。そして、自分では声を上げられない、自分の置かれた環境すら十分に把握 できない子どもたちがどんなに多いことかと気づきます。「子どもの貧困」は私たちの生活と無縁ではないと思います。この時代、失業や、離婚、介護、病気な ど貧困に陥る要素はたくさんあります。自分がいつどうなるかわからないとも思います。私は、議員として何ができるのかを考えます。多くの方が関心を持って くださればと願います。信頼できる団体に寄付をする、地域の子どもに目を向ける、自ら事業を立ち上げると様々な選択肢があるのかもしれません。


純子日誌

1/30
母と女性教職員の会

1/30
米海兵隊陸揚げ抗議
2/3
夢一輪の会
2/14
竹田女性集会

2/24
駅前街宣
2/25
議案説明

2/26
県内1週大分合同駅伝
3/18
自分で作る弁当の日


■ 編集後記 ■

 車でスーパーに行った時のことです。駐車した隣の車には小さな女の子とお母さんが乗っていました。お母さんは、メールを打ってい ました。買い物を終えて車に戻ると隣の車もまだ止まっていました。お母さんは、メールを打っていました。私は少し寂しいなあと感じました。小さな女の子は どんなことを考えてシートに座っているのかしらと思いました。




42号 2016年1月12日発行




●平岩純子の巻頭エッセイ


「生き生きサロンの芋煮会」

「未来を拓いていきましょう!」


 2016年は、暖かで穏やかな年明けでした。
 皆様お揃いで、新しい年を迎えられたことと思います。

  暮れの31日に、「さあ、食料品の買い出しに!」と朝早く出かけました。混まないうちにと考えて出かけたものの駐車場は車でいっぱい。お正月食品やつ きたてのお餅売り場は、最後尾のプラカードを持った売り場の方が立っていました。レジでまたびっくり。いくつもあるレジがどこも長蛇の列です。私の前には 28組の人が並んでいました。「少しは、景気が良くなっているのかしら?」と感じたものです。

 昨年、清水寺の貫主(かんす)様が書かれた漢字は「安」でした。不安の「安」?安全保障の「安」?とにかく明るい安村の「安」?・・・・。
 昨年ほど、政治に対する思いが、様々な形で語られた年はありませんでした。
 第2次世界大戦で多くの命が失われた反省から、日本は、二度と戦争をしないと決意しました。武器を持たない、武器を使わないと誓いました。その願いを憲 法前文に、そして9条に記しました。また、憲法では「国民が主権者」だと定め、以来、国民は民主主義を追求してきました。誰もが納得でき、安心して過ごす ことができる政治が今ほど求められている時はありません。
 今年の夏の参議院の選挙から、18歳選挙権が行使されます。未来を拓く一歩になってくれればと願います。地方政治に身を置く私も、「立憲主義」「平和主義」を大切にしながら参画していかなければならないと言い聞かせています。

 昨年の大分県は、東九州自動車道の開通、県立美術館のオープン、大分駅のリニューアルオープン、2019年ラグビーワールドカップの大分県開催決定と嬉 しいことが続きました。華やかな出来事の陰で、厳しい生活を強いられている高齢者や就労できない若者や障がいを持つ人、DV被害を受け続けている女性や虐 待を受けている子どもたちがいることも事実です。県民の誰もが安心を感じることができる大分県になっていかなければならないと痛感しています。


2015年度 第4回 定例県議会報告

 2015年第4回定例会は、11月26日に開会し、12月16日に閉会しました。一般会計補正予算や
「大分県食育推進条例」の制定、大分県農林水産振興計画の制定などの予算外議案と国道57号
の県道路線の認定など34本の議案が審議されました。

知事提案理由から


芸術文化等の創造
・県立美術館が開館7か月で年間入場者数目標の50万人を超えた。
・2019年開催のラグビーワールドカップ日本大会にむけ、開催地の1つでもある大分の熱意をイングランド大会で訴えてきた。
・屋内スポーツ施設の早期完成に向け、実施負担設計に係る債務負担行為予算の提案。

県政推進計画と予算編成
・新たな長期計画「安心・活力・発展プラン2015」の着実な実行を図るため来年度の県政推進指針を定めた新たな施策に挑戦する。
・地方創生のため特別枠「おおいた地方創生推進」に20億円用意する。

質問しました!

伊方原発再稼働について

(質問)愛媛県知事が、四国電力伊方原発3号機の再稼働に同意したことから、来春にも再稼働する可能性が高まっています。福島原発事故から多くのことを学 んだ私たちは、原発再稼働を認めることができません。県では、地域防災計画を見直したり、原子力災害対策実施要領を策定したりしていますが、伊方原発再稼 働は、もしもの時に大分にも重大な影響を及ぼします。風向きによっては、大分も看過できないレベルの放射能で覆われるとの民間研究機関のシミュレーション 結果も出ています。知事のお考えを伺います。


知事答弁・・・
電力の低廉かつ安定的な供給は県民生活に不可欠です。国内電力需要量の約3割を担っていた原子力発電を直ちに再生可能エネルギーに代替することは、経済的、技術的な面から安定供給上の課題があります。
 厳格に審査を行った後、国や電力会社は、地域住民はもとより国民全体に責任を持って判断すべきと考えています。伊方発電所は、安全に対する最大限の手順 を踏んできています。万が一の事故の際には、国が最終責任を負うとの考えも示されました。県では、近隣の原発事故時に影響を想定した「原子力災害対策に関 する実施要領」も策定し、万が一、事故ある時は、正確かつ迅速な情報が得られるよう愛媛県と確認書を締結し、職員の相互派遣も行っています。
 課題については、しっかりと検証し、実行性を高めていきます。

 愛媛 県・伊方町の住民が大分に避難した訓練では、様々な課題が浮き彫りになりました。いつも南北の風が吹いている訳ではありません。東からの風が吹けばプルー ムは大分にやってきます。県は、21.9qしか届かないと言われていますが、福島県の飯館村は、40q離れていて放射能に覆われ、未だに帰宅困難地域で す。
 もし ものことを想定することが、間違っています。「原発安全神話」は崩壊しています。原発に係る、莫大な費用(地域への迷惑料・維持するための費用・事故が起 こった時の補償や除染費用・廃棄物対策費)を考えれば、決して低廉なものではありません。原発再稼働はあまりに無謀なことだと思います。



高齢者の貧困対策について

(質問)悲しい言葉ですが、「下流老人」と言われる高齢者が自身の医療や介護を年金で賄えない中で厳しい生活を強いられ、絶望感を抱いている実態が多く報道されています。僅かでも蓄えがあれば簡単に生活保護を受けることはできません。
 非正規労働者が増加する中、厚生年金に入れない人が多数います。国民年金だけでは、安心して生活を支える金額ではありませんし、無年金の人もいます。
 今後ますます、高齢化が進んでいく中で、貧困に陥るリスクを負う人が増えていきます。生活保護制度を含めて社会全体で支える仕組みづくりを考えなければなりませんが。

知事答弁・・・
 一人暮らしの高齢者が年々増加しています。バブル崩壊やリーマンショックの影響で貯蓄や年金の減少なども相まって「高齢者の貧困」が社会問題となってきました。
 貯蓄もなく、年金も少なく、働くこともできない高齢者には、最後のセイフティーネットとして、生活保護制度が準備されています。しかし、生活保護の申請 をためらい、貧困状態にある高齢者がいることも事実です。必要な援助がなされるよう、生活保護制度の適切な運用に努めてまいります。
 生活保護に至る前の段階での対応も重要です。「生活困窮者自立支援法」に基づき、県内すべての市町村に相談窓口を設置しました。それぞれの状況に応じた自立につながる就労や家計分析・改善などきめ細かな支援を行っていきます。


自立援助ホームについて

(質問)家庭で養育放棄や虐待を受け危機的状況にある子ども、里親や児童養護施設で多くの人に支えられながら巣立ったものの何らかの困難に直面し、行き場 をなくしてしまう子どもは大勢います。未成年者を親代わりになって支える施設として自立援助ホームが県内には2か所あります。男子のみを対象としていま す。理想だけでやっていけるほどその支援は簡単なことではありませんが、今後は、女子を対象とした自立援助ホームが必要と考えますが。

福祉保健部長答弁・・・
 様々な困難に直面している女子に対し、しっかりと寄り添い、自立するための手助けを行うことのできる自立援助ホームの役割は重要です。女子を対象とした ホームの将来の開設を模索している法人もありますが、人材の確保などの課題もあり直ちに開設の見込みは立っていません。今後、情報提供や相談に応じる等開 設に向けた支援をしていきます。

日本語の支援を必要とする児童・生徒について

(質問)子どもたちが日本で生活するようになる時期や年齢は様々ですが、多くの子どもは日本語習得に苦労しています。生活言語の習得は比較的できても学習 言語となると難しく、疎外感を感じる子どももいます。そして進学する時に大きな壁になっています。現状と今後の方針をお聞かせください。

教育長答弁・・・
 県内6市の公立学校に62人の指導が必要な児童生徒が在籍しています。市では日本語指導員や教育相談員を配置し日本語指導を行っています。しかし、学校 現場では多言語化に応じて指導できる人材をすぐに確保できないことや指導時間も限られているなど課題も多くあります。このため、外国人児童生徒の受け入れ 態勢の支援や研究会を開催しています。NPO関係者や日本語指導員のネットワーク会議を開催し人材の発掘を進めています。

 初期 指導の重要性、日本語指導ができる人の派遣が必要です。小・中の連携・引き継ぎも求められています。今は、ボランティアや個人的なつながりで連絡しあって いる状況です。学校がやるべきこと、行政がやるべきことも明確にしていかなければなりません。県ではグローバル人材の育成に多額の予算をつけていますが、 マイノリティーの子どもたちにもしっかりと目を向けて欲しいと願います。


児童・生徒の歯の健康について

(質問)小・中学校の歯みがき指導や食育指導の実態についてお聞かせください。

教育長答弁・・・
 平成27年度の調査では、95.4パーセントの小・中学校で給食後の一斉歯みがき指導や歯科衛生士等によるブラッシング指導に取り組んでいます。91.5パーセントの小中学校では、よく噛んで食べることや間食の取り方等食に関する指導をしています


(再質問)この5年間の12歳児のむし歯の数の推移は

教育長答弁・・・
 平成22年2本、23年3本、24年2.1本、25年1.7本、26年1.4本です

 フッ化物洗口している学校は、県下で1パーセントにも満たない状況ですが、歯みがきと食育指導で、子どものむし歯は確実に減少していることがわかります。

スロージョギングの推奨について

(質問)スロージョギングはいつでもどこでも楽しく取り組めるお金のまったくかからないスポーツです。ポイントは、歩 く程度の速さで走ること。驚くべきはその効果で、エネルギーの消費量はウォーキングの2倍以上、内臓を揺さぶることで内臓の全機能が活性化され、血糖値や 血圧の改善が望まれます。有酸素運動により脂肪が燃焼され、筋力アップ、持久力アップ、脳の活性化などが挙げられています。スロージョギングを普及しなが ら健康づくりを進めてはいかがでしょう。

福祉保健部長答弁・・・
 スロージョギングは、効率的なエネルギーの消費や膝の痛み予防になる太もも前面の筋肉強化が期待でき、手軽に取り組める健康法として有効だと考えていま す。竹田市では、スロージョギング市民公開講座を実施し、大変好評でした。今後、スロージョギングも含め様々な運動を行う県民を増やし、健康寿命延伸につ なげていきます。

 大分県の健康寿命は男性39位、女性34位と日本一になるには相当高いハードルです。しかし、スロージョギングを普及しながら健康づくりを進めれば相当の躍進が見込まれると思います。結果として、元気な高齢者が増え、医療費抑制にもつながると考えられます。

その他、人事委員会の給与勧告制度について、教職員の人材育成方針の見直し、性暴力被害者
支援センターについて質問しました。


「地域が変わる、子どもが変わる、未来を変える」

 何か月も前のことです。深夜何気なくテレビを見ていました。そこに現れたのが、「子ども食堂」です。いつの間にか食い入るように見ていました。そして 「本当に大切なことをしている人が、東京にいる!」と感じました。子ども食堂を運営している栗林さんは、テレビの中で「今の子どもはみんなきれいな格好を しているし、家庭内のことも隠したいと思っているので、ちょっと見ただけではその子が貧困の状況にあるのかどうかはわかりません。」と言われていました。
 厚生労働省の発表では、日本の相対的貧困率は、16.3パーセント。生活保護を受けていたり、生活保護以下の年収家庭で育つ子どもが6人に1人という状態です。私たちもこれまで、「子どもの貧困対策」を教育委員会や福祉保健部で随分と協議してきました。
 全国から注目されている「子ども食堂」は、東京の豊島区にあります。正式には「豊島こどもWAKUWAKUネットワーク」が運営しています。毎月第一、 第三水曜日の17:30〜19:00にオープンしています。ここでは、一食300円で愛情たっぷりの手作りのご飯が食べられます。幼児から高校生まで、親 が夜遅く働いているため、一人でご飯を食べていた子どもたちや、シングルマザーの親子など、どちらかと言うと地域の中で孤立しがちな人たちが集まり、安心 してご飯を食べ、人と人がつながれる居場所をつくっています。


 「子ども食堂を見たい!」そう願って12月に東京に行ってきました。その日は、区民ひろばで「一般社団法人キワニスクラブ」が子ども祭りを催し、その中 で「出張・子ども食堂」が開かれていました。午後3時30分開店。メニューは精養軒のシェフが作るハヤシライス(無料)です。果物や飲み物もありました。 子ども同士で、また小さな子どもを連れたお母さん方が次々にやってきました。ですから通常の「子ども食堂」ではありません。



 慌しい中でしたが、「子ども食堂」の栗林理事長さんにお話を伺いました。 豊島区の人口は約30万人。小学校は22校。3年前に空き家を使って「子ども 食堂」を開いたそうです。今年からはお寺を使ってやっています。区民会館を使うと、いろんな人につながることができるし、子どもの居場所を点在化すること ができると言われていました。
 劣悪な環境で育つと、子どもはそれが当たり前だと思ってしまう。小さい子どもほど、一人親だけでなく、いろいろなことを教えてくれる大人に出会うことが大切。だからネットワークを広げ、学習や食事の支援をやってきたそうです。
 豊島区では、今、無料学習支援を作り出しています。
 最後にこう言われました「すべて私たちがやるのではなく、地域の中から広がっていくことが大切。」だと。

 「子ども食堂」は単に厳しい環境にいる子どもたちに安い値段でご飯を食べさせるだけの場所ではありませんでした。一人ぽつんとしている子ども。遊びの中 に入れない子ども。自分の感情を上手く表現できないけれど、不安や不満を抱えている子どもたちを「一人じゃないよ」と励まし、そして、周りにいる大人たち が子どもに向き合っていくことで子どもたちが変わっていくことを願っています。

 少子化の中で、地方に行くほど、地域で子どもの姿を見ることが少なくなりましたが、子どもは自分の置かれている場所を選んで生まれてくることはできません。
 この大分の地で私たちができることは何なのかを考えています。行政がする支援、NPOができること、学校との連携など、課題はたくさんありますが、どんな子どもであっても生まれた時から等しく育つ可能性をもっているということを教えられました。
「子ども食堂」に伺う前に行った、「国立児童自立支援施設」で職員の方が言われた「自由にして、保護された子どもは伸びる」「子どもたちは、みんな伸びたいと思っています」の言葉が重なりました。


純子日誌

10/21CLT調査(鹿児島)

10/22ペッパー君と
(大分市内のホテル)


10/23 来年度予算要求



11/3  ボーリング大会
11/7・8全国シェルター
シンポジウム(沖縄)


11/13  課題検討会議
11/18  県政共闘会議
11/23  後援会DV被害研修
  11/28 大南校区グランドゴルフ


11/29 賀来校区ウォーキング大会

■ 編集後記 ■
 私の年代になると、話題は介護か孫のことが多くなります。
 でも私は、4人の親を看取り、子どもがいないので自ずと孫もいない。と少し、寂しい状況です。
 ですから、与えられた3年4か月、少しでも人のお役に立つ仕事をしなければと新しい年を迎え、決意を新たしています。



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