●平岩純子の巻頭エッセイ
「アイ女性会議九州ブロック集会」
「平和は、歩いて来てくれない」
これは、「ベトナムのダーちゃん」の作者早乙女勝元さんが本にサインしてくださった言葉です。その日から25年、まさか平和が脅かされる時代が来るとは思ってもいませんでした。
時あたかも国会では、「安全保障関連法案」が衆議院特別委員会で強行採決され、舞台を参議院に移しています。
安全保障に関しては、様々な考え方があることは承知しています。しかし、集団的自衛権行使を容認した時からこの法案は「戦争法案」以外の何物でもないと思っています。
日本はこれまで憲法9条の存在で、いかなる戦争にも巻き込まれることはありませんでした。しかし、一連の法案は、これまでの憲法解釈を変更し、専守防衛
を覆すものです。日本と密接な関係にある国に対する戦争支援を世界中で行うことができるとするものです。複雑で矛盾に満ちた説明を繰り返す政府答弁の本音
は、法的安定性に疑問を持ちつつも法案を強引に成立させたいということではないでしょうか。そのことを多くの国民が不安に思っています。
私たちは、あらゆるところで街宣活動をしていますが、日増しに耳を傾けてくれる人が増えています。日本は、国民主権の国です。一人ひとりが考えを持つこと。それが、これからの時代を生きる若い人たちにとって尊いものになると信じています。
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