わたげ 平岩純子後援会会報


「わたげ」は、2003年4月、県議会議員に当選以来、議会ごとに出している後援会会報です。このページでは、一部を公開します。この他に、平岩純子の行動日誌、応援して下さっている方の寄稿などがあります。「わたげ」を読んでみたいと思われる方は、ご連絡下さい。

41号 2015年8月22日発行




●平岩純子の巻頭エッセイ


「アイ女性会議九州ブロック集会」

「平和は、歩いて来てくれない」


 これは、「ベトナムのダーちゃん」の作者早乙女勝元さんが本にサインしてくださった言葉です。その日から25年、まさか平和が脅かされる時代が来るとは思ってもいませんでした。
 時あたかも国会では、「安全保障関連法案」が衆議院特別委員会で強行採決され、舞台を参議院に移しています。
 安全保障に関しては、様々な考え方があることは承知しています。しかし、集団的自衛権行使を容認した時からこの法案は「戦争法案」以外の何物でもないと思っています。
 日本はこれまで憲法9条の存在で、いかなる戦争にも巻き込まれることはありませんでした。しかし、一連の法案は、これまでの憲法解釈を変更し、専守防衛 を覆すものです。日本と密接な関係にある国に対する戦争支援を世界中で行うことができるとするものです。複雑で矛盾に満ちた説明を繰り返す政府答弁の本音 は、法的安定性に疑問を持ちつつも法案を強引に成立させたいということではないでしょうか。そのことを多くの国民が不安に思っています。
 私たちは、あらゆるところで街宣活動をしていますが、日増しに耳を傾けてくれる人が増えています。日本は、国民主権の国です。一人ひとりが考えを持つこと。それが、これからの時代を生きる若い人たちにとって尊いものになると信じています。


京大有志の会「声明書」

戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。

戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。

精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。

海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。

血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。

生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない

2015年度
第2回定例県議会報告
【7月9日〜8月6日】

第2回定例県議会は、7月9日から一か月近く行われ、マイナンバー条例の制定案、地方への緊急経済対策の追加実施を求める意見書など25議案を原案通り可決しました。

予算について
■今年の予算は、9年ぶりの6000億円台!
 補正予算は400億1200万円です。既決予算に累計すると6086億3500万円となり、2年連続のプラス予算となりました。その背景は、消費税増税による歳入増や、緩やかではあるものの景気回復により法人税、県税収入の増加によるものです。
 しかし、積極予算により、財政調整用基金(自治体の余裕がある時に蓄え、必要な時に切り崩す財源。家庭でいえば預金)は、86億円取り壊すことになりま す。基金の残高323億円は確保できる見通しはあるものの、財政健全化のためには、今後も行財政改革にしっかりと取り組んでいかなければならない状況で す。厳しい状況は続きますが、県民のため、また県政の最前線で働いている職員の士気を高い水準に維持しながら執行していく必要があります。

 臨時財政対策債は、 国の財源が不足し、地方交付税として交付すべき財源の額を減らしてその穴埋めに地方に自ら借金をさせるものです。もちろん後から交付税として県に入ってく るのですが、一時的な大分県の借金です。予算説明の時によく「臨時財政対策債を含んでいるので大丈夫です。」と説明を受けますが、県債残高は14年連続で 減少しているものの、1兆574億円(昨年度末)もあります。国の財政状況は県以上に厳しく、毎年多くの借金を増やしています。臨時財政対策債は言わば、 大分県が保証人となっている借金のようなものですから「国が返せなくなったら・・・」というくらいの危機感を持っていなければなりません。

大型施設整備事業予算等が出されました
■県立スポーツ施設建設事業費(2900万9千円)
 武道をはじめとする屋内スポーツの競技施設を充実するため、全国規模の大会に対応し、大規模災害時の広域防災拠点としても利用できる屋内スポーツ施設に着手します。場所は、大分スポーツ公園内です。総事業費は、約50億円と見込まれています。

■芸術文化短期大学のキャンパス整備事業費(2億3092万2千円)
 キャンパス整備基本構想に基づき、施設の老朽化に対応するとともに教育機能の充実を図るため、施設整備や改修費に支援します。今年度は、設計委託料や仮設校舎工事費が予定されています。


■鑑識科学センター整備事業費(2471万1千円)
 科学捜査の高度化が求められる中、新たな鑑定手法・機器などの導入に対応するため、鑑識課と一体になった科学捜査研究所の建設に着手します。場所は大分市高江西インテリジェントタウンです。

■東九州新幹線調査事業費(809万1千円)
 九州知事会は東九州新幹線の整備計画路線への格上げを要望しています。JR九州によると、開通後1年間の乗客数が、博多・熊本間で約38%、熊本・鹿児 島中央間で約64%増加しているそうです。鹿児島県では、開通後1年間で県外宿泊客が20.5%増加し、463億円の経済効果があったとしています。県 は、宮崎県と連携して需要予測、概算事業費、完成した際の経済効果などを調査します。

■豊予海峡ルート関連事業費(1000万円)
 これまで調査費として僅かな予算は計上されていました。しかし、国・地方の厳しい財政状況から実現は困難とみられていました。今年3月に東九州自動車道 の県内区間が全線開通し、広域ネットワークが充実してきました。九州の東の玄関口として、豊予海峡を挟んで四国、瀬戸内海との海上交通ネットワークは、物 流・観光面でも期待できるものもあります。太平洋新国土軸構想の灯を消すことなく国に対して要望をあげていくとしています。

 東九州新幹線や佐賀関と三崎を結ぶ橋もしくはトンネルができることは、喜ばしいことです。しかし、社会資本整備は、費用対効果を考えなければなりません。新たなインフラ整備の財政負担が県民に負担を強いることにつながってはなりません。


■不妊治療助成費(2億1034万6千円)
 不妊治療の経済的負担を軽減するため、治療効果の高い体外受精や顕微鏡受精などに対し、市町村と連携して本人負担が概ね3割となるよう助成額を引き上げます。対象は43歳未満 所得730万円未満


 「地方創生の時代だ!」と叫ばれ、これに絡めた事業も多く計画されています。
 しかし、地方創生は、国が地方創生交付金の「メ ニュー例」を示していることや、効果に対する評価があるように、なかなか地方の実情に応じて自由度の高い財政措置ができるのかと疑問も出ています。これが 「新たな補助金」とならないようにしていかなければなりません。知事は、4期目を迎え、現場主義に徹し、県民目線で事業を積み重ね「地方創生は大分県か ら」と意気込みを語られました。独自性の強い大分県版地方創生に取り組んでいかなければならないと考えます。


■「安全保障関連法案」の意見書について
 所属する福祉保健・生活環境委員会に出された請願は賛成多数で可決しましたので、本会議で意見書を提案しました。しかし、残念なことに賛成少数で否決さ れました。議会は数の論理で左右されるということを思い知らされますが、県民の意思を十分に吸い上げている結果だとは思えません。


純子日誌
4月

15日 当選証書授与式
19日 スペシャルオリンピクス・バザー
23日 県立美術館記念式典
25日 認知症の人と家族の会総会
29日 442号期成会総会メーデー


5月

13日 定時制通信制教育振興会総会
21日 子ども教育相談員研修会
22日 教育会館理事会
   義務教育費国庫負制度堅持を求める集会
23日 豊賀祭
25日 ななせの火群まつり振興会総会
27日 老人会クラブ連合会総会
29日〜31日 宮城・福島調査


6月

2・3日 管内所管事務調査(大分・由布)
6日 高齢社会をよくする会総会
  原発反対街頭活動
7日 大分県障がい者スポーツ大会
11・12日 管内所管事務調査(宇佐・中津・日田)
16日 民主教育をすすめる県民会議
17日 管内所管事務調査(別府・国東・日出)
21日 錬心館空手道大分県選手権大会
23・24日 県内所管事務調査
     (佐伯・津久見・竹田・豊後大野)
26日 里海ホーム調査


7月

1日 原水禁要請
3日 自立援助ホーム「未来」調査
5・6日 アイ女性会議
    九州ブロック大会
7日 安保法制案反対街宣活動

14日 自立援助ホーム
  「ふきのとう」調査
23〜28日 福島の子どもたち
     保護プログラム
28日 東野台まつり
 


東日本大震災から
5年目の夏


 毎年、福島に出かけていましたが、今年はもう5年目になるんだとしみじみ思います。5月29日から31日まで宮城県と福島県に行ってきました。


■まだまだ厳しい復興の現実
 仙台空港についたのは、29日の午後12時25分。あんなに多かったボランティアももう仙台にはいないそうです。震災がれきを処理していた巨大プラント ももうありません。海水につかった田んぼも少しは復興されているかもと思っていましたが、やはり厳しいようです。空港も海水の影響でいたるところにさびが でているとか。4人の生徒が犠牲になった閖上(ゆりあげ)中学校はもう使われていません。
 多くの海岸線には、津波被害を防ぐために防潮堤が高く建設されようとしています。そのため、海の景色は高台に行かなければ見ることができません。当時よ く耳にした防潮林も松ではなく他の木々が多く植えられていましたが、土壌の塩抜きが不完全だったのかうまく根付いていないようでした。
 久の浜(福島県)では、210戸の住宅のうち180戸が流されました。海岸近くの住宅地は更地になり緑地公園に代わる工事が行われていました。
 復興仮設商店がいくつもできています。国が作り、家賃を払わず5年間は営業できます。しかし、その後の商売の見通しが立たない方が多いようです。

■電源立地地域の復興
 電源立地地域とは、原発を誘致していることによる迷惑料を受けている地域のことです。原発事故により立ち入り禁止区域、帰宅困難区域になっています。
 今でも、12万人の人が故郷を離れ、仮設住宅や他県に避難して生活しています。そして、移り住んで行った電源立地の人たちと、もともとそこに住み、精神的慰謝料を貰っていない人たちとの間に対立が起こっています。このことが報道されることは殆どありません。

■汚染地域への帰還政策
 福島県楢葉町は、除染作業が進み9月に避難区域解除が行われる方針です。富岡町は昨年まで人気のないゴーストタウンのようでしたが「除染中」という表示が掲げられた家が何軒もありました。しかし、放射線量は低くなってはいません。
 すべてが、帰還のためのスケジュールに合わせて動いているようで不安でした。今でも思います。「こんなところに子どもを住まわせて良いのでしょうか?」 と。除染作業員の人たちが1日に8時間から10時間しかいられない所に子どもたちを住まわせようとする政策があまりに無謀だと思います。
 帰宅困難区域が解除されると、自主的に避難している人たちにこれまで東電が払ってきた住宅支援は、2016年で打ち切られる方向が示されています。避難 する前の地域は、放射線量が高い地域もあり、小さい子どもを抱えて自主避難している親たちは、帰るに帰れず避難の継続を望んでいますが、政府方針のこの切 り捨ては許せません。


 いわき市には、多くの仮設住宅が建っています。放射線量は高くはありませんが、低線量被曝を心配する保護者が大勢います。100万人に一人が発生すると いわれる小児甲状腺がんがすでに127人も発症しています。ですから保護者の不安は募ります。しかし、4年も経つと「心配性の親」と言うレッテルが張ら れ、その不安を口にすることができない雰囲気も生まれています。そんな親の不安を子どもたちは毎日肌で感じながら4年間を過ごしてきました。大人の顔色を うかがいながら、何も言えず生活している子どもたちが精神的に追い詰められています。もって行き場のない感情は、自分よりも弱い立場にいる子に向けられて いる現状を聞くにつけ、胸が締め付けられる気がしました。国と東電の福島に対する棄民政策だと感じざるを得ません。




 5回目のゆふわく   7月23日〜28日
「福島の子どもたちを湯布院へ」

 福島の子どもたちの保養プログラムも5年目を迎えました。昨年の反省をもとに今年は早めに取り組みを始めました。いわき市、福島市、二本松市、郡山市から31人の子どもたちと5人の保護者が新幹線とフェリーを乗り継いでやってきました。一番小さい子どもは4歳でした。
 私は、統一地方選の関係で県議会の時期が重なり、昨年のように子どもたちとずっと一緒には過ごせませんでした。夜と週末だけの参加でしたが、その分客観 的に子どもたちの様子を見守ることができたかもしれません。お寺での食事、ピストン輸送での入浴、蚊帳の中での就寝をベースに自由遊び、滝遊び、湯布院散 策、夜市、絵手紙、駒つくり、竹馬づくり…とメニューが豊富に準備されています。子どもたちは管理されずにスタッフも平常心で過ごすことができました。
 参加者は、小学校4年生が多かったのですが、震災の時は5歳です。この4年間見えない放射能の恐怖を感じながら、外遊びも制限され、どれだけ不自由な生 活を強いられてきたのだろうと思います。はじめは、動きが緩やかだった子どもたちも時間の経過とともにどんどん活発になり「子どもってすごいな!」と教え られました。
 小さなトラブルは、たくさん起こりましたが、事故もけがもなく別府港から名残惜しそうに故郷に帰っていく子どもたちに幸多かれと祈りました。もう会うこ とはないかもしれません。でも「遠く離れた九州にあなたたちのことを愛おしく思う大人がいることを覚えていてくださいね。」と小さくなっていくフェリーに 呟きました。
 今年もたくさんの方のご寄付をいただきました。本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。

  

■ 編集後記 ■
 いろいろ思案しながら、実家を手放すことになりました。思い出の物を取り出し、使っていただける物は人にあげ、それでも残った物は業者さんが片付けてく れました。それが2トントラックで4往復。だから「これからは、終活!」と心に決めています。でも、つれあいはまだ物欲があるのかいろんなものを買ってき ます。やれやれと思っています。
 まだまだ暑い日が続きますが、皆様ご自愛ください。




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