わたげ
平岩純子県民クラブ大分市版会報


「わたげ」は、2003年4月、県議会議員に当選以来、議会ごとに出している会報です。このページでは、一部を公開します。この他に、平岩純子の行動日誌、応援して下さっている方の寄稿などがあります。「わたげ」を読んでみたいと思われる方は、ご連絡下さい。

52号 2019年1月15日発行





昨年の人権週間で入賞したポスター


安東ふさよし市議女性集会


あたりまえに人権が守られる社会に

 新しい年を迎えました。年末は、大寒波に見舞われた北日本がまた昨年のような雪で大変なことになるのでは…。と心配しました。
 皆様は、ご家族お揃いで賑やかなお正月を迎えられたでしょうか。我が家は、つれあいと二人きりなので、帰省している映像やスーパーでたくさんの食材を求 めていらっしゃる方の姿を見るたびに「うらやましいなあ…。」と感じてしまいます。でも、「それは仕方のないことです。」と自分に言い聞かせています。

 清水寺の貫主(かんす)様が書かれた2018年の世相を表す漢字は、災でした。日本列島を襲った地震、豪雨、台風、猛暑など自然災害の脅威に怯えた一年でした。災害を経験した多くの方々が、改めて自助・共助の大切さを実感した年だったかもしれません

 しかし、災は、自然災害だけではなく、政治の世界でも起こっていたと感じます。決して忘れられない税金を私物化した森友・加計問題。それを隠そうとした文書改ざんや隠ぺいや虚偽答弁。8万票もの大差をつけて
誕生した沖縄県知事選の民意は、反映されず、辺野古の海に土砂が投入されました。大分では、突然の日米共同訓練でオスプレイが使われるという事態が起こりました。
 「LGBTの人は、生産性がない。」という発言や障がい者の雇用水増し問題等々。毎回、毎回心臓が飛び出しそうになるような発言や事象が起こり、胸が痛くなってしまいました。
 昨年ほど、障がいを持つ人や女性に対する配慮のない言葉が横行する年はありませんでした。
 その発想は、「LGBT」のみならず、高齢者、障がい者、子ども、女性、生活保護受給者、子どもを持たない人・・・・等々、弱い立場にいる人を排斥する思想そのものであり、極めて危険なものだと私は考えています。

 望んでいるのは、ただ一つです。平和で格差と貧困のない、一人ひとりがあたりまえに大切にされる社会です。
主権在民をもう一度思い起こし、子どもたちに渡す未来をみんなで創り出したいと願っています。



2018年度
第4回 定例県議会報告

第4回定例県議会は、11月26日に開会し、一般会計補正予算案などの20議案を可決し、12月12日に閉会しました


一般会計補正予算

 今年度中の歳出を伴うものはなく、早期の事業着手に向けた債務負担行為での補正予算 (76億4,682万2千円)
 内訳は

◆県立芸術短期大学整備事業 (6億9,680万2千円)
◆その他 道路改良事業 側溝整備事業 河川海岸改良事業 
  緊急河床掘削事業 急傾斜地放棄対策事業 地すべり対策事業等

※頻発する豪雨を見据え、次の出水期までの治水・土砂災害対策や公共事業の平準化を促進し、河床掘削や危険な法面などの対策工事を急ぎます。

今議会で話題になった特徴的なこと
●今後の芸術文化の振興について
 国民文化祭、全国障がい者芸術・文化祭は、10月6日に開会し、全国からの来場者を迎え、県内で164もの催しが行われ、11月25日にフィナーレを迎 えました。「おおいた大茶会」をテーマに約140万人を超える観客が、大分の芸術文化を堪能したと執行部は総括しています。

◆開閉会式を始め、各事業に子どもからシニアの人まで、また、障が い者、外国の人も多く出演し、県民総参加のお祭りとなりました。

◆国宝宇佐神宮でのデジタルアートの展示や、閉幕での日舞・洋舞・詩吟など、異分野コラボも行われる中、新しい出会いや交流が生まれ、新たな発見につながりました。

◆制作過程から地域住民を巻き込み、その結果、地域文化の素晴らしさを再確認する機会になりました。

◆障がい者の作品展示やステージが初めて県下全域で実施されたことで、多くの県民は、その魅力にふれることとなり、障がい者の文化活動への参加意欲が高まったと捉えています。

 今回播かれた文化の種を今後どう花開かせていくことができるかが課題だと思います。



●大分銀行ドームの渋滞対策について
 11月16日に行われたサッカー日本代表戦では、試合会場となった大分スポーツ公園で、深刻な交通渋滞が発生しました。選手は、キックオフ1時間30分 前には、開場に入っているものですが、日本選手もベネズエラの選手も試合開始、40分〜45分前に到着すると言うアクシデントに見舞われました。観客の中 には、試合開始に間に合わず、試合終盤まで会場に向かって駆け込む人もいました。チケットは購入していたけれど、実際に観戦できなかった観客もいました。
 来年は、ラグビーワールドカップが大分会場でも行われ、より多くの国内外からの観客が訪れることは必至です。スムーズに観客誘導ができるのかが大きな課題となりました。

◆自家用車での来場と大分駅からのシャトルバスを基本に輸送計画を主催者である日本サッカー協会が立てていましたが、交通規制やシャトルバスの運行、会場 周辺の駐車場券の発売などで、うまく運営できていませんでした。それに加えて、週末と雨が重なり大渋滞を引き起こしてしまいました。

◆来年度のラグビーワールドカップに向けては、自家用車での来場を禁止した上で、大分・別府両駅からのシャトルバス、駐車場を活 用したパーク&バスライ ドをメインに考えています。6月のラグビー日本代表戦では、この方法でテストし、概ね円滑な輸送ができたと認識しています。

◆とは言え、日本代表戦を上回る多くの観客が来場するため、バスの運行台数やパーク&バスライドの駐車場のキャパシティーの拡充を予定しています。

◆海外観戦客に向けて、会場へのアクセスはもとより宿泊や観光情報 なども発信していきます。

 私もあの日、昼間会場周辺を通った時、「大渋滞になるのでは・・・。」と予感がしました。その夜は、渋滞の影響で大分市内も、大変な混乱でした。
 会場に入れなかった県外からのお客さんが悪い印象を持って帰られたのではととても気になります。
 そもそも、4万人を収容できる施設を造った時に、会場へのアクセスをどのようにするのかを十分に検討していたのだろうかと疑問です。
 大きな施設があるのに、これまでスポーツを除いた大型イベントは、殆ど実施されていません。今回の大渋滞で「大分は大変なところだ。」と日本中にアピールしてしまったことが残念です。今年は、県立武道場も完成します。
 大分スポーツ公園へのスムーズなアクセスを考えていきましょう。



●久住高原農業高校の新設について
 高校の具体的な内容は、 

◆久住校は、九州の中央部久住高原に広がる地にあります。大自然の雄大さと人々の優しさの中で、動物、草花な どたくさんの命にふれながら「小さな学校」を強みとして一人ひとりの「大きな希望」(進路)を応援する学校にしていきます。

◆法改正により、「1学年1学級」でも、本校としての設置が可能になりました。

◆久住校では、高校日本一の品目数を誇るJGAP認証、有機JAS認証圃場での野菜栽培など、特色ある農業教育を実践していますが、近隣には進出企業の大規模農場や、大学の研究拠点などもあり、地元から熱い期待を受けています。

◆農業に対して意欲ある生徒を県外からも募集し、県内外の生徒が互いに切磋琢磨する中で、将来の県農業振興を担う人材の育成を図ります。

◆学校の敷地内に竹田市が設置する新学生寮を造ります。(定員82名)

◆10月に実施したオープンキャンパスには、県内外から生徒68名、保護者、教員など74名の参加がありました。



 県の大きな課題である、農業振興に寄与する学校となることを多くの関係者は期待しています。
 農業の基礎から専門性までを学習し、「くじゅうアグリ創生塾」や農業系学科がある県内の9つの学校と協働した農業研修も組み込まれています。
 ただ、少子化や農業経営の困難さからこれまで単独校であった農業高校はすべて総合選択制の学校にかわっています。卒業後農業に従事する生徒も多くはあり ません。本当に農村が元気になり、若い人たちが農業で生きがいを見つけ、それで生活していくことができるような学校となるよう祈るばかりです。



文教・警察委員会で訴えたこと
●警察委員会
平岩意見
特殊詐欺事件
 オレオレ詐欺から始まった詐欺事件は、消防職員や市役所職員を語った特殊詐欺まで拡大され、県民の方の被害が毎日のように報告されていて、心を痛めています。
 私も以前、被害に遭いそうになり、近年は、裁判をにおわすような葉書が来ました。しかし、毎日マモメールでお知らせをいただいているので「これは詐欺 だ!」と理解し、警察へ届けています。一人でも多くの県民の方がマモメールに登録されると、学習もでき詐欺にかかる件数は減るのではないでしょうか。

答 弁
 マモメールの登録者は、38,734人です、学校や教育委員会を通じても拡げて行きたいです。メールやアプリで登録し、PTAや防犯パトロール隊で強くお知らせすることも効果的だと考えています。



●教育委員会
平岩意見
大規模化していく支援学校
 新生支援学校と大分支援学校の児童生徒増に対する支援は。2校とも教室が足りず、特別教室を区切って教室確保をしています。もう学校とろう学校が統合さ れた跡地に新しい支援学校を造る予定ですが、まだ5年も先のことです。入学者が年々増えている状況ですがどのように対策を講じて行きますか。

答 弁
 見極めながらやっていますが、増築部分は要求としては入っていません。児童・生徒数は、ほぼ横ばいだと思います。重複は3名が1学級で、少ないので、一緒にしています。現在、来年度どのくらい人数が増減するのかを調査中です。


平岩意見
学校現場の働き手不足
 産休、育休、病休代替の先生が不足していて、学校は大変な状況です。この状況は、子どもの学習権の保障ができていないということです。次年度につながる定員内臨時講師を誰で賄うのか。ベテラン臨時、学卒者、退職者なのでしょうか。

答 弁
 現在義務制で28名不足し、高校では不足していません。今後地教委や教育事務所と連携して確保していかなければならないと考えています。


平岩意見
少人数学級の拡大
 小学校1,2年、中学校1年に30人以下学級が実現して、12年が経ちます。少人数学級を他の学年に拡大すべきではないですか。

答 弁
 すべての学校でそれを実施すると37億円必要となります。それでなくても教員が足りない状況がありますが、実施するとさらに教員不足になります。


 教職員不足と子どもに向き合った豊かな教育を実施することとは別の問題です。法律で守られるべき産休・育休代替を確保することは教育委員会の責務ではないでしょうか。


平岩質問
日本語教育支援と高校入試
 入管法が通り、子どもを連れて来日する海外からの労働者の方は増えていくと思われます。日本語を母国語としない子どもへの日本語支援の対象者は何人ですか。
 その子どもたちの大きな課題が高校入試です。特別措置(時間延長やルビをふるなど)は実施されていますが、大分県では特別入学枠はありません。どのように考えていますか。


答 弁
 現在、日本語の指導が必要な生徒は50名です。国の基準は、17名集まれば一人加配がつき、日本語指導するための教員を育てられます。外国からくる場合は編入枠の制度があります。
日本語教育支援と高校入試


 会話ができているから、日本語を理解できているわけではありません。他県では、特別選考だけでなく、入学特別枠を設けているところもあります。
 今は、乏しい日本語習得でも、入学して学ぶ中で子どもはどんどん成長していくと思います。伸びしろがあります。その子たちが高校を卒業して大学に行ったり、県内に就職したりします。
 ちょっと先の未来に目を向けてください。




障がいのある人もない人も、
ともに豊かに暮らせることを願って


11月17日
 大分支援学校の文化祭(志村祭)に参加しました。4年ぶりです。
 支援学校の学習発表会は、機敏に体が動かせなかったり、お話ができなかったり、車いすを使う児童・生徒が多いので、先生方は映像や音楽や小道具・大道具でいろいろな工夫をしていていつも感心させられます。
 少子化の中ですが、支援学校に通う子どもは、増え続けています。大分支援学校には、242名が、新生支援学校には250名が在籍しています。20年前は 両校とも100名くらいでした。予想していなかったマンモス化で教室が足りない状況が続いています。大分支援では、望んでも通学バスに乗れない状況が起き ています。
 狭い体育館の中には、保護者や交流先の生徒、見に来てくれたお客さんが入ると、子どもたちは座るスペースがありません。ですから、本番数日前にお互いの 出演を見合う「プレ観劇会」が行われるそうです。出し物は、小学部から高等部の生徒まで、絵本の題材や学習活動や卒業を前にした思いをそれぞれ工夫して作 り上げています。
 校長先生が、隣に座って子どもたちの日頃の様子や置かれている状況を教えてくれました。ただ、漠然と見ていたら気が付かないことばかりです。

 高等部には「どうしてあなたがこの学校に?」と思ってしまう生徒もいます。卒業後の一般就労を願っている人も大勢いるようです。酸素ボンベを添えた車い すの子どももいました。いろいろな話を聞きながら、どの学校も大変な状況だけれど、支援学校は、子どもを取り巻く課題がすべて凝縮されていると実感しまし た。
 雨が降っていなかったことが幸いでした。一つの出し物が終わると舞台暗転の為、道具は一度すべて屋外に出され、次の舞台装置が入っていきます。
 子どもたちにもっと広々とした空間で活動させてあげたいと思いました。


 
 人でごった返した学校でしたが、子どもの生き生きとした姿や一生懸命な先生方、我が子の演技を一心に撮影している保護者の姿を見て、心温まるものを感じていました。

 県では、第3次特別支援教育推進計画が進められています。新しい支援学校が完成するまでにまだ5年かかります。それまでの間、教室不足や通学バスの問題をどう解決していくのかがとても大きな課題です。


11月27日
 「敷戸駅と大分大学駅の無人化に抗議する集会」に参加しました。
JR九州は、大分市内8駅の無人化計画で、豊肥線の敷戸駅、大分大学駅を無人化すると公表しています。(12月から無人化されています)すでに日豊線の牧駅には駅員さんがいません。
 SSS(スマート・サポート・ステーション)を導入して、監視カメラで見守り、インターホンでの対応をしています。
 当日は、障がいを持つ人も持たない人も、それぞれの駅から列車に乗り、大分駅で下車して午後7時からの集会に参加しました。



 皆さんが感じたことは、

・無人化になったら、車いすで駅を利用する時は、前日の午後8時までに予約が必要になる。脳性まひの人は話をする時は時間がかかるし、言葉も聞き取りにくいので電話での対応はとても難しい。せめてメールで受け付けをしてほしい。

・階段がある駅は、原則車いすお断りのようだ。

・SSSは、ボタンの位置が高くて、車いすに乗っていては、手が届かない。

・敷戸駅のホームは狭く、盲導犬と一緒だと歩けなかった。

・駅員さんがいて、手伝ってくれたが、外出するなと言われているような気がした。

・車内アナウンスで「お手伝いが必要な方がいたら皆さん支えてあげてください。」と言われるが、乗客のみんなはスマホに熱中していて、関心がなさそうだった。

・障がい者が駅や列車を使えないようにしておいて、利用者が少ないから切って行くような気がする。

 などの声が上がりました。
 JR九州は、鉄道部門20億円の赤字解決の為に今回の無人化を発表していますが、639億円も営業利益を上げる大企業です。民営化しても、公共交通としての役割を果たしてほしいと願わずにはいられません。
 そもそも鉄道駅は、障がいのある人たちが利用するという前提に立っていないことに愕然としました。サポートしてくれ、困った時にすぐ話しかけられる人が いることがどんなに重要なことかと思います。それは、年をとって移動が困難な状況の人や乳母車を使う赤ちゃんや小さな子どもを連れた親御さんにも言えるこ とです。
 みんなでつくった「障がいのある人もない人も心豊かに暮らすことができる大分県条例」の意味が理解されていませんし、現在盛んに言われている「合理的配慮」も実行されていないことが悔しくてなりません。
 みんなで集めた7万3,113筆の署名の重さをもっと理解して欲しいし、この深刻な問題に対して行政もしっかりかかわっていかなければならないと痛感しています。
 最後にT弁護士がこう言われました。
 「障がいを持つ人たちが出て行くことで、社会が変わる。運動はしたたかに楽しくやらなければならない。熱い心と怒りです。」


◆ 純 子 日 誌 ◆

10月
1日 爽風館高校通信制・3部制入学式
6日 国民文化祭開会式
12日 一時保護所運動会


15日 都市政策審議会
19日 定時制・通信制生徒生活体験発表
    戦争法・共謀罪廃止講演会
23日 稙田地区老人クラブグランドゴルフ大会
25日 大分市戦没者追悼式
26日 大分工業高校定時制体育祭
30日 心をつなぐシンポジウム

11月
1日 大分教育の日(竹田)


2日 県政共闘会議来年度予算要望書提出


4日 防災訓練


14日 自治研セミナー
17日 大分支援学校志村祭 車いすマラソン中国選手激励会
20日 自治体議員団大分県会議総会
21日 県政共闘会議
22    〃


23日 後援会総会


25日 賀来校区ウォーキング大会


27日 敷戸駅無人化に抗議する集会

12月
2日 大分市消防団第4方面隊内点検


2日 日米共同訓練反対集会(玖珠町)



8日 ポケットの会講演会
12日 飲んだらのれん啓発活動



◆ 編 集 後 記 ◆
 今、話題の映画と言えばイギリスのロックバンド「クイーン」のヴォーカリスト、フレディ・マーキュリーの自叙伝を取り上げた「ボヘミアン・ラプソディ」です。
 数々のヒット曲を生み出したフレディ・マーキュリーは、ロックという範疇を超えた奇想天外な発想で曲を作り、自分の主張を曲げることができない故、バン ドのメンバーとの確執など今まで知らなかったエピソードが盛り込まれています。自分がバイセクシャルであることに苦悩しながらも抑えきれない感情を音楽に 込め、パフォーマンスを結実していく姿。男であれ女であれ自分の感情を素直に受け入れて行く純粋なフレディに感動しました。
 今、私の車の中はクイーンワールドです。






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