わたげ
平岩純子県民クラブ大分市版会報


「わたげ」は、2003年4月、県議会議員に当選以来、議会ごとに出している会報です。このページでは、一部を公開します。この他に、平岩純子の行動日誌、応援して下さっている方の寄稿などがあります。「わたげ」を読んでみたいと思われる方は、ご連絡下さい。



51号 2018年10月05日発行




「教職員の皆さんと 山口県 国宝瑠璃光寺で」

誠実さを求めて

 今年の夏は、とても厳しかったと実感しています。
7月には、中国・四国地方を中心に記録的な大雨が続き、各地で甚大な被害が出ました。台風21号は、四国や近畿地方を縦断し、広範囲に被害を出していま す。その直後、北海道で震度7の地震が発生し、大規模災害になっています。冠水した関西空港やえぐられたような厚真の山々を見るたび自然の恐ろしさを実感 しています。お亡くなりになった方に心よりお悔やみ申し上げます。また、被害に遭われた方々、避難所生活を余儀なくされた方々にお見舞い申し上げます。

 厳しい暑さの中で、心が癒され、日本中に勇気と感動を与えてくれたのは、山口県周防大島で行方不明だった藤本理稀ちゃんが3日ぶりに無事発見され、その 理稀ちゃんを見つけたのが、ボランティアで捜索に加わっていた大分県日出町の尾畠春夫さんだったということ。そしてもう一つは、甲子園での秋田県立金足農 業高校の快進撃、雑草魂だったと思います。

 先輩の小野元県議は、質問のたびに「時代の潮流」と題して質問されていたことを思い出します。

 第196通常国会は、7月22日終了しました。随分前の事のように思いますが政府・与党の不誠実さがこれほど際立った国会はこれまでなかったような気がします。

 森友・加計問題や防衛省の日報隠蔽、働き方改革関連法データの不備など、重大な事実が次々に明らかになりましたが安倍総理や閣僚の答弁は、ごまかしや論点のすり替えが横行しました。その上、世論が支持しない法案も数の力で強行採決し、成立させています。

 福田前財務次官のセクハラ行為は、決して許されることではないと思います。さらに許せないのは、閣僚や麻生大臣の被害者に対するセカンドレイプ発言でした。安倍総理の3選が決まりましたが、世の中には、今や政治に対する閉塞感、嫌悪感が充満しているようにも感じます。

 私は、日本の端っこに住む地方議員ですが、政治に対する考え方は様々だと理解したうえで、政治が生活に密着しているそのことを第一に考えて仕事をしていきたいと願っています。


  2018年度
 第3回定例県議会報告

  定例会は、9月5日に開会し、
  25日に閉会しました


一般会計9月補正予算(54億5021万2千円)の概要
 
1.    7月豪雨災害復旧・復興対策(14億4579万1千円)
   河川海岸改良や道路維持修繕、漁港整備などの社会インフラの復興事業
2.「安心・活力・発展プラン2015」の取組(14億9843万1千円)
   大阪で女児が亡くなった事故を受け、ブロック塀等緊急安全対策事業、
   県央飛行場機能強化事業
3.その他、決算剰余金を財政調整用基金へ積み立てます。
  (25億598万6千円)


 質問しました!

 女性の活躍推進について(平岩質問)
 東京医科大が入試の際に女子の得点を一律に減らし、男子の合格者が7割以上になるように操作していたことが判明しました。
 男女共同参画を進めているにもかかわらず、このような現実があることはとても残念なことです。子育てしながら働き続けることを多くの女性が願っている中、理想と現実のギャップも大きな課題です。
 女性が家事や子育てをしながら働き続けることができる環境づくりについてお考えをお聞かせください。

(知事答弁)
 25歳から44歳の女性就業率は、全国平均を上回る78.6%で、5年前より6.9 ポイント上昇し、M字型カーブの改善も図られています。一方で、過去1年間に離職した女性の9.2%が、出産・育児によるもので、全国で2番目に高い割合 となっており、継続して就業できる環境整備が課題となっています。
 女性が家事や子育てをしながら働き続ける環境づくりには、企業に育児休業の取得促進や保育手当の創設を働きかける・保育所定員増・放課後児童クラブの拡充・病後児保育・男性の子育て、家事、介護への参加・働きたい女性への支援が大事だと考え、取り組みを進めています。



  育児休業の取得率は96.6%と高いです。しかし、中小・零細企業に勤める女性は、継続雇用が難しい状況です。女性が、置かれている環境は様々です。それ は若者や高齢者でもそうかもしれません。女性が自分の生き方を自己決定するためには、まず、自分で食べていける職に就くことが必要だと願っています。

 子どもの豊かな学びについて(平岩質問)
 2008年、教員採用汚職事件が発覚しました。PTが僅か1か月で報告書を提出し、教育現場で失われた信頼を回復することが求められました。加えて矢継ぎ早に教育改革が断行されました。
 大分合同新聞が組んだ特集記事では、県内の現役教員100人にアンケートを実施しています。約8割が「この10年で大分の教育は変わった。」「現場はむしろ悪くなっている。」と冷ややかな声が載っていました。
 学校現場は、息詰まる状況の中でも、学力向上・体力向上で前進あるのみです。そこに豊かな学びが存在しているとお考えですか。
 ここで一度立ち止まり、この10年の施策を検証することで、子どもの豊かな学びとは何なのかを再構築することが必要だと考えますが。

(教育長答弁)
・教育に関する考え方は人によりさまざまであり、豊かな学びの考え方も一様ではありません。
・継続は力なりといいますが、10年が経過してもなお、この流れを続けていくことが大事だと感じています。
・教育に携わる者が子どもたちのために何ができるかを考え続け実行することが、子どもたちがいずれかの時に豊かな学びがあったと実感してもらえることに繋がるのではないかと考えています。

(再質問)
  教員採用汚職事件で多くの若者に言葉にならない苦痛を与えたことは事実です。事件後の教育改革で大分で教員をすることを避け、他県を受けている人も多いと聞きます。大量退職の時代を迎えそれは大変なことではありませんか。

(教育長答弁)
 確かに倍率は下がっていますが、今年は、昨年より50名多く採用し若い力を入れて大分の教育をしっかり守っていこうと考えています。他県でも少子化や大学の学部の関係で厳しいと聞いています。

(再質問)
 代替教員を懸命に探しているのは、教育事務所だけではなく、いろいろな人脈を持っている学校です。
 確実に窮屈になり現場の負担は相当なものがあります。教育長にその実情が伝わっていますか。

(教育長答弁)
 現場に出かけて行ったり、団体や関係者からも話を伺ったりしています。厳しい状況もありますが、この制度スキルの中でやっていくしかありません。

(要望)
 福井県議会が昨年12月、中学2年生の自死を受けて、県教委に対して「学力日本一であり続けることを目的化し公教育の姿を見失っている。」と全会一致で「教育行政の抜本的見直しを求める意見書」を出しました。
 大分でこのように子どもを追い込むことがあってはいけないと切実に思っています。

 ほめる、認める、励ます、信頼する、話を聞く、見守る、笑顔やスキンシップがあり、我慢させる、叱る、こんなことがあふれているのが学校です。そんな学校現場になるよういろいろな施策を検証し、教職員の声に耳を傾けて欲しいと願っています。


  特別支援学校について(平岩質問)
 第3次特別支援教育再編計画が進められ、関係者の期待は高まっています。施設整備に関する今後のスケジュールや、整備する上でどのような課題を抱えていますか。

(教育長答弁)
・計画の前半は、大分市内の教室不足解消のために知的障がい特別支援学校と、高等特別支援学校を新設する計画です。その後、別府市内の特別支援学校の再編整備に着手する予定です。
・計画では、安全安心な給食を提供できる環境の整備も課題として認識しています。
・もう学校・ろう学校の寄宿舎は今年度中に実施設計を行い、併行してろう学校新校舎の基本設計も行います。  
・設計にあたっては、両校から課題などを集約し、両校の管理職や学校代表者と教育庁関係者によるプロジェクトチームの中で協議を重ねており、出来るものについては設計に盛り込んでいきます。

(再質問)
 現場のいろいろな不安を耳にします。情報の共有が、フィードバックされていますか。

(教育長答弁)
 いろんな意見が出ています。でも最終的には学校現場で意見をひとつにまとめて欲しいし、出来るだけ要望を聞いていきたいです。

(要望)
 たくさんの高校再編をしてきた教育委員会全体で知恵を生かして再編を支えて頂きたいです。

 聴覚障がい・視覚障がい児教育について(平岩質問)
 昭和23年4月以降、聴覚障がい児と視覚障がい児は別々の学校が設置され、歴史を刻んできました。今回、異なる障がいを持つ児童・生徒が同じ場所で学ぶことになるため、配慮も必要です。現場の意見をどのように反映し、配慮していくのでしょうか。

(教育長答弁)
・もう学校とろう学校は、同一敷地内に設置しますが、障がいの特性から別運営とし、もう導鈴や聴覚障がい者の情報保障のための視覚支援用モニターなど最新の設備を設けた学校を設置します。
・両校は、それぞれ県内唯一の専門教育を行う学校であることから、聴力測定室などを整備し、外来者への教育相談を充実させます。
・理科室、音楽室などの特別教室や体育館などは共用施設とし、両方に対応できるよう整備します。また、使用する時間帯を調整して、安心して学ぶことができるよう運営します。


(要望)
 寄宿舎に入る子どもたちに「どんな寄宿舎になったらいい?」と是非聞いてください。それが合理的配慮です。両校の統合をまずしっかりやってください。それが別府の再編につながります。

 児童虐待などの他県との連携について(平岩質問)
 虐待を疑われる子どもが他県に出て行った時の本県での扱い、同じように他県から大分に入ってくる子どもの情報交換についてどのようにされているのでしょうか。

(福祉保健部長答弁)
・県外へ転出する場合、児童相談所の担当者が必ず転居先を訪問するとともに、管轄の児童相談所や市町村職員へのケース記録に基づく情報提供など、支援がとぎれないよう確実に引継ぎを行っています。
・県内に転入する場合には、県外の児童相談所担当者の訪問のほか文書・電話による引継 ぎもあることから、速やかに本県児相職員が家庭を訪問し、直接子どもの安全を確認しています。特に虐待リスクが高いケースは、直ちに警察に情報提供し、面 接を拒否するような事案では、同行訪問をしています。
・さらに、引き継いだすべての子どもの情報は、市町村の要保護児童対策地域協議会の共同管理台帳に確実に載せ、毎月開催される実務者会議で情報共有を徹底し、関係機関の緊密な連携による支援をつなげています。

(再質問)
 政府が児童虐待防止の緊急対策として、児童福祉士を2000人増員するそうです。大分は、20人くらいになりますが、どうやって増やすのでしょうか。

(福祉保健部長答弁)
 一般職員の研修で育てて行きたいと考えています。

 ケースワーカーのケアについて(平岩質問)
  児童相談所のケースワーカーの方は、様々な事案のケースをたくさん抱えていると思います。リスクの高いケースがあるでしょう。親子関係修復のために、保護 者との関りも重要です。様々な親がいる中で、神経をすり減らし、昼夜をいとわず仕事をされているのは深刻な問題です。そんな職員の精神的・肉体的支援はど のようにされているのでしょうか。

(福祉保健部長答弁)
・業務負担が大きい職員の健康管理については、月45時間以上の長時間勤務者を中心に、産業医が面談しており、児童相談所のケースワーカーについては、29年度にはのべ32人を対象に必要な助言・指導を行っています。
・ケースワーカーが夜間に対応を求められるケースもあります。このような職員については翌朝の出勤時間を遅らせています。
・昨年4月から児童相談所に非常勤の弁護士を配置するなど組織的な体制強化を図り、個人の負担軽減を図っています。

 一時保護所についていて(平岩質問)
 県直営の一時保護所は大分市にある中央児童相談所の1か所だけです。県北や県南からも夜中に子どもが緊急入所するケースも多いと聞きます。児童相談所の一時保護施設を他地域にもう1か所作るべきだと思いますが。

(福祉保健部長答弁)
・平成29年度に一時保護した児童は413人で、うち中央児童相談所の一時保護所は、児童指導 員、保育士のほか教員、保健師、児童心理士などの専門職34人を配置し、24時間365日の受け入れ体制などを確保し、緊急保護のほか被虐待児や非行児の 行動観察など専門性の高い業務を担っています。
・児童や家庭の状況に応じ、乳児であれば乳児院、通学が必要な児童であれば児童養護施設や里親、医療が必要な児童であれば医療機関へ一時保護を委託しています。
・児童相談所の一時保護所は、一定の規模が必要であり、また、高速道路網も整備された現在、中央児童相談所において全県をカバーできていると考えています。

(要望)
 児童養護に関わる仕事は、派手な仕事ではないけれど重要な仕事です。しっかり支援をしてください。
 東京で亡くなった結愛ちゃんの「ごめんなさい、ゆるして」の文字は日本中に衝撃を与えました。あの時、大人社会が救えなかったのだと思いました。これからは、社会的にどうやって追いつめられた家族に気づき、守るのかということも考えて行かなければならないと痛感します。

 その他、防災対策について、知的障がいを持つ人の県立学校での採用について、特別支援学校の自校給食について、質問しました。
 詳細は、(9月12日第3回定例県議会一般質問と答弁)のページに掲載しています。


純子日誌
7月

2〜4日
 特別委員会調査
(鳥取・兵庫・大阪)


6日 デートDV授業参観(原川中)
10日 清明あけぼの寮視察    
13日 大分県警察柔道剣道大会
17日 別府厚生館視察 

18〜20日
 文京警察委員会調査(北海道)


25日
 教育公務員の在り方を考える会

28日 東野台祭り


8月

1〜3日
 全国定時制・
 通信制教育振興大会(福島)

6日
 平和授業参観 (賀来中) 

8〜9日 被災地調査
 (由布市・豊後大野市・中津市)






27〜28日
 沖縄九州セミナー(沖縄)



31日
 民主教育をすすめる国民要求







 14年前に帯状疱疹にかかりました。入院して24時間点滴を何日も続けましたが、それ以後、数か月に1度くらいの割合で、身体のいたるところに、突然神経痛のような痛みが出るようになりました。痛みは1日で消えていたので、我慢して生活していました。
  今回は、とても厳しく3週間苦しみました。5秒間隔で襲ってくるえぐるような痛みに強い薬も使いました。今は、痛みのない生活のありがたさをしみじみ感じています。
 免疫力が落ちていると帯状疱疹にかかりやすくなるそうです。皆さん、どうぞお気をつけください。




50号 2018年7月18日発行


「県民クラブの議員13人」

おおいた大茶会は
 「おおいた大茶会」って何だか知っていますか?
今年の秋、大分県で「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」が行われます。「おおいた大茶会」はその大会のコンセプトです。でも、まだまだ県民の皆さんに浸透していません。
 「おおいた大茶会」では10月6日に開会式とオープニングが行われ、11月25日まで約2か月間、大分県内で様々な催しが行われます。
 大分県全域を5つのエリアに分けて地域ごとに様々なイベントが企画されています。



水の森(中津市・日田市・九重町・玖珠町)
祈りの谷(豊後高田市・杵築市・宇佐市・国東市・姫島村・日出町)
耕す里(竹田市・豊後大野市)
出会いの場(大分市・別府市・由布市)
豊かな浦(佐伯市・臼杵市・津久見市)

 伝統文化から現代アートまで、様々な芸術文化に出会うことができる2か月間です。大分県内の各地域で昔から受け継がれている祭り、食などの地域体験も魅力のひとつです。県外からたくさんのお客様も来られますが、まずは県民総参加のお祭りになることを願っています。
 「全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」を盛り上げようと、障がい者の方々のアート展が催されています。県議会のロビーには様々な見ごたえのある作品が 並び圧倒されました。パソコンを使っていたり、口で剃刀を使って切り絵をしていたり、一日に8時間も作品づくりをしている人もいます。どの作品もハッとさ せられるくらい存在感があり、自己主張しています。





 好きなことをしている時間や作品が出来上がった時はどんなに満足されるだろうと思うのですが、この才能を見出したことも素晴らしいことだと思います。まだまだ周知されていないけれど素晴らしい才能や感性を持った人たちが大勢いるのだと気づかされます。








2018年度  第2回 定例県議会報告


第2回定例県議会は、6月12日に開会し、執行部提出18議
案と報告2案を原案通り可決し、6月27日に閉会しました。

主な議案
 補正予算は、20億7209万8千円
 (累計6190億1709万8千円)

●4月に中津市耶馬渓町で、突如、大規模な土砂災害が発生し、6名の方が犠牲になりました。改めて亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。県は、市と連携し、災害被害者の生活再建と被災地の復旧・復興を全力で取り組みます。
 さらなる土砂崩落による被害拡大が心配されますので、出水期に合わせて、大型の土嚢を設置し、地下水を抜くなどの応急対策工事を実施しました。
 24時間体制で現場の監視・観測を行いながら、発生原因の解明を急ぎ、抜本的な対策を行っていきます。

●県内全域の土砂災害警戒区域におけるハザードマップの作成を急ぎ、市町村を支援する体制を2020年度までに確立します。

おおいた動物愛護センターの設置
及び管理に関する条例

●動物の愛護や適切な飼育に関する普及啓発を図ります。
●人と動物が交流できる場を提供し、ともに共生する社会づくりのために現在建設中の大分市・廻栖野に「おおいた動物愛護センター」を設置します。
●ドッグラン及び多目的広場の維持管理には、指定管理者制度を導入します。

大分県プレジャーボート等の係留保管の
適正化に関する条例

●プレジャーボート等、ヨット、モーターボートその他の船舶の係留保管が守られていません。県民生活の安全と良好な生活環境を図っていかなければなりません。
●特に公共水域や港湾、河川、漁港の公共の水粋での適切な係留保管を確立していきます。それにより海洋性レクレーション活動の適切な発展を守っていきます。


意見書が採択されない!
「決算文書改ざん、日報隠蔽などで損なわれた行政の信頼回復を求める」
意見書

 森友学園問題では、国有地が不当な値引きで売却され、それに関わった関係者が記述された決裁文書は改ざんされていました。国民の財産を特定の個人へ利益誘導し、権力者により公平性が失われ、文書を改ざんするなどとは到底考えられないことです。
 加計学園問題では、国と関係自治体との事実認識が一致しない状況が報じられ、国民にどちらが嘘を言っているのかと不安を与えています。
 自衛隊のPKO活動に関わる日報問題では、現場からの報告が文民に即座に報告されてこそ機能するシビリアンコントロールが機能していない状況が露呈されていました。

 働き方改革に関する議論では、裁量労働制のデータがねつ造されていたことが発覚しました。
 官僚のセクハラ問題やそれを擁護するような大臣発言も含め、国民の政府や官僚組織に対する不信感は極限に達しています。
 私たちは、国に対して、行政の信頼回復に向けて、早急に真相を究明し、これまでの姿勢を改め、再発防止に努めてほしいと願い意見書を提出しましたが、反対多数で否決されました。損なわれた信頼を回復することを求めた意見書が通らないなんて・・・。
 国会で、数の力で押し切る党利党略の姿を連日見せられ、多くの国民が失望感を抱いているのが現実ではないでしょう。



 文教委員会に所属しています。

 2年ぶりの文教委員会です。
 限られた時間の中、直接現場で
 伺ったことを伝えました。



○ 働き方改革

 文部科学省もようやく、教職員の働き方改革に言及しました。県 では、今年度予算で「スクールスタッフ」や「部活動外部指導者」導入の予算を立てました。4月に実施を希望する市町村の調査を行っていますが、その状況は どうなっていますか。今後どのくらいの人数が増えることになるのでしょうか。
 学校現場の状況は、スクラップ&ビルドではなく、ビルド&ビルドのような状況です。僅かな人数を増やすのではなく、抜本的な定数改善が図られなければならないと思います。
 深刻な状況を抱えている学校があります。県費負担の教職員加配を強く要望します。

○ 多忙化

 学校現場では、「働き方改革」の中で「夜、8時には学校を閉めます。」と言われている学校もあるようですが、夜8時まで多くの先生が残って仕事をしていることから厳しい現実を知らされます。
 音楽が流され、教頭のアナウンスがあり、教職員は、追い立てられるように学校を出て行きます。しかし、仕事は残っています。持ち帰って仕事をしています が、すべてを持ち帰ることはできません。それで何が起こっているかというと、翌朝、7時前には学校に行って仕事をしています。それでも、仕事は減りませ ん。ですから、土曜日か日曜日に学校に行き仕事をこなしています。
 教育長はこのような状況をご存知でしょうか。先生がこんな状況では、子ども一人ひとりとしっかり向き合う教育はできないと思います。

○ 養護教諭

 学校には養護教諭がいます。保健室の先生です。小学校で児童数 800人以上、中学校は850人以上の学校は複数配置です。しかし、例えば、700人以上の子どもがいて、毎日40人以上の子どもがいろいろな症状を訴え て保健室にきても、一人で対応しなければなりません。極小規模校では、養護教諭がいない学校もあります。
 1学期の養護教諭は大忙しです。眼科検診、耳鼻科検診、内科検診など検査が続き、そのデータを入力して報告しなければなりません。器具の消毒、煮沸には時間がかかります。修学旅行や少年自然の家の引率もあります。
 養護教諭の業務は、誰かが代って出来る仕事ではありません。数年前、現職の養護教諭が立て続けに亡くなるということもありました。
 養護教諭の複数配置のための加配やせめて繁忙期の支援体制を強く願います。


純子日誌
4月



9日  爽風館高校3部制春季入学式
10日  大分工業高校入学式
11日  新生支援学校入学式
12日  賀来小・中学校入学式
13日  賀来幼稚園入園式
15日  爽風館高校 春季通信制入学式

20日  19日行動


22日  スペシャルオリンピクス・バザー
27日  教育公務員の在り方を考える会
29日  442号期成会総会


5月

6日  少林寺流錬心舘空手道選手権大会
8〜10日 政策研究集会(石垣島)



11日  義務教育費国庫負担 制度堅持集会
14日  定時制・通信制教育振興会総会

15日  文教警察委員会調査(大分市)



17日  文教警察委員会調査(大分市)
19日  豊賀祭

20日  19日行動


22・23日 文教警察委員会調査(津久見・佐伯・豊後大野・竹田)



24日  子ども教育相談室研修会

28・29日 文教警察委員会調査(別府市・国東市・日出町)


6月

2日  高齢社会をよくする会総会

8日  都市政策研究会
→ くまもんが突然現れる!


9日  リポビタンDチャレンジカップ



10日  定時制・通信制体育大会
15日  大分県福祉会評議員会

18日  おんせん県議会若者DAY


24日  えばの会総会
26日  大分外郭道路建設促進協議会

 ごめんなさい ゆるして
 東京で5歳になる女の子が、継父から虐待を受けて亡くなると言う
 悲惨な事件がまた起こりました。


繰り返される幼子への虐待
 大阪で幼い姉弟が、母親が頻繁に家を空けている間に餓死していたという事件は8年前のことでした。それ以後もそれ以前も自己主張できず、反抗もできず、 自分を守る術を持たない幼い子どもたちのあまりにむごたらしい事件が報道されるたびに胸をえぐられるような気持ちになってきました。日本では、年間80人 近くの子どもが虐待死しています。できればその情景をイメージしないようにと心を塞いでしまいそうになる自分がいました。
 事件を起こした「親」にも幼い頃があり、思春期があり、働いている時期もありました。自身が虐待を受けて育ったリ、貧困家庭で育ったリと厳しい家庭環境 の「親」もいます。事件が報じられるたびに私は、虐待の連鎖の問題や格差社会や孤立させてしまう社会の問題を考えてきました。
 けれども、もうそんなことを言っていられないほど、子どもたちの置かれている状況は切羽詰まっています。


シグナルは届かなかった

 東京で亡くなった結愛ちゃんは、5歳でしたが、ノートに「ごめんなさいあしたからは ぱぱとままがいうようにいいこにします」「おねがい ゆるして」と大学ノートに綴っていたそうです。守らなければならない約束事は20項目もあったそうです。
 幼い子どもが、親に認められようと必死で考えてとった行動です。通常の5歳児がする行動ではありません。異常さが際立っています。
 結愛ちゃんは、実母と再婚した継父とその間に生まれた1歳になる弟と4人家族でした。連行される母親の無表情な様子から、彼女は「親」である前に「女」 であることを選択したのだと思いました。夫に嫌われることを恐れ、実の子どもに対する執拗な虐待を目にしても、我が子を守ろうとしなかった母親。葛藤や恐 怖を感じていたかもしれませんが、我が子は殺されてしまいました。
 死亡した結愛ちゃんの体重は、5歳児の平均20sを大きく下回る12sしかありませんでした。動けなくなった結愛ちゃんに「親」は1歳児が使うおむつをあてていたそうです。

 香川に住んでいた頃、継父は、通報により2度書類送検されています。結愛ちゃんも香川の児童相談所に一時保護されています。ですから香川の児相は事の重大さを認識していたと思います。

 一家は、その後、東京に転居しています。その時も、香川の児相から東京品川の児相に連絡が入り、ケースワーカーは自宅を訪問していますが、母親は結愛ちゃんとの面会を拒んでいます。

 問題意識の共有はされていたはずなのに、一刻を争う状況とは認識されなかったのでしょうか。
 虐待を受けて保護される子どもを支援する人たちは、子どもを一時保護しても、親子関係が修復されるようにと保護者との関りを続けていきます。親の意向に 反して行動することのマイナスを考えることもあると言われています。でも、近所の人たちは「やめて」と泣き叫ぶ結愛ちゃんの声を何度も耳にしているのです から、何とか危険な場所から脱出させる術があったのではないかと考えます。大分の関係者の方は「同じ仕事をしているものとして今回の件は許せない」と言わ れました。



子どもを虐待から守るには
 経済的に厳しく、社会とつながりを絶ってしまった「親」は追いつめられると、自分よりも弱い立場にいる子どもに向かって虐待を行うのだと聞きます。児童 虐待防止法が改正されて、児童相談所の権限は強化され、子どもの安全のために強制的に家庭に踏み込むことができるようになっているのですから、(実際その 制度で救われている子どもも大勢います)保護者の反発を考えてはいけないのだと知っているのに・・・。今となっては何を言っても取り返しはつきません。 「ゆるして」というのは、結愛ちゃんが言うのではなく、守ることができなかった私たち大人が言わなければならない言葉でした。

 議員になって初めて大分の児童相談所の一時保護所を訪れた時の衝撃を思い出します。不十分な環境の中で、子どもたちが生活していました。そこには懸命に 理不尽な親と対峙し、心の置き場のない、自分の思いを伝えることのできにくい子どもたちを守りながら仕事をしている職員の方々がいました。
 何とかしなければと訴え続け、みんなの願いが少しずつ叶えられ、大分県の児相では、職員数が増大されてきました。子どもたちの生活環境も整備され、夜間の体制も充実されてきました。けれども、虐待を受けて保護される子どもの数は、児相の体制以上に増え続けています。

 社会が変わることをもう待っていられません。専門職をもっと増やし、権限行使がスムーズにできるようにしていかなければなりません。警察との事案の情報共有をしていかなければなりません。孤立している「親」たちへの相談・支援体制を充実していかなければなりません。
 そして、専門家もそうでない人もそれぞれの立場で、私たち大人が考えなければならないことだと思うのです。私も、大人として、議員として子どもの支援に 携わっている人たちの意見を聞きながら、現状分析をしながら、行動していかなければならない、自分の考えを伝え続けていかなければならないと自分に言い聞 かせています。






毎 年、6月になると2008年の「教員採用汚職事件」を思います。事件のことを忘れたことは一度としてないけれど、つらい10年間でした。事件に振り回され た子どもたちや保護者、学校関係者にとっても同じです。翻弄され、人生を変えられた当事者たちにとっては言葉で表現できない事件だったと思います。
 県教委幹部と学校現場の管理職が起こした事件でしたが、教育界全体でその
責任をとる形で教育改革の嵐が吹き荒れた10年間でした。子どもにとって、学校現場にとっても良い改革ではありませんでした。
 身に覚えがないのに、不正に採用されたと判断され、採用を取り消された若者のうち二人が起こした採用取り消し訴訟は、最高裁に上告されていましたが、6月29日に全く異なった判決が出ました。
 最後まで「口利きの背景」は何一つ明らかにされませんでした。



《傍聴のお知らせ》
第3回定例県議会で質問します。9月12日、午前11時頃です。お時間がありましたら議会に傍聴に来られませんか。



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