県議会報告
第1回定例会 一般質問 2007.3.5


 私は、県民の皆様に選ばれて議員になることができました。初めての議会で戸惑うことばかりでしたが、多くの先輩議員の皆様や各部の職員の方々に教えて頂きながら活動を続けることができました。そして厳しい情勢の中でも県民にとって暮らしやすい大分県をつくろうと懸命に努力されている知事および執行部の皆様を最前線で見てまいりました。その4年間を振り返りながら、質問をしました。(質問・答弁の要旨を記載します)




質問項目

 ・教育行政について
 ・男女共同参画について
 ・自立援助ホームについて
 ・放課後児童クラブの役割について
 ・子育て支援について
 ・「坐来(ざらい)大分」の生産者育成について
 ・携帯電話中継基地局について
 ・賀来新川〜医大挾間入口交差点の事故防止について


学校現場は混乱し、子どもたちが犠牲になっています

 私が、大好きだった学校を辞め、子どもたちと別れて議員になったのは、教育行政に学校現場の実態を知っていただき、その願いを伝えたかったからです。
 願いはなかなか受け入れられず、この4年間に教育改革が叫ばれ、大分県でも様々な教育施策がなされました。
 評価できるものとして、義務教育費国庫負担制度の堅持を国に訴え続けたこと、30人以下学級を小学校2年生まで拡大したこと、大分養護学校の高等部設置があげられます。
 しかし、胸を張って子どもたちのための施策を行ったと言えるものばかりではありませんでした。

地方を切り捨てる高校改革推進計画
 特に禍根を残すものとして、高校改革推進計画があげられます。地方を切り捨て、過疎化に拍車をかける教育改革になってしまいました。2006年度公立高等学校入学者選抜試験の志願者数にはっきりと表れていました。2008年度実施の普通科全県一区により地方の高校は見捨てられていくようでなりません。

点数にこだわる全県一斉学力テスト
 
次に全県一斉学力テストです。点数学力の伸長に偏った旧態依然とした教育施策であり、特に学校名公表は子どもたちの学校を愛する心を傷つけるものでした。

教職員の健康問題
 豊かな教育の営みを押しつぶす教職員の多忙化、心身ともに病む教職員の増加に対する具体的な施策は見えませんでした。現場の声を反映させる術はありませんでした。

教育行政の本来の役割は?
 教育行政は、大分に住むすべての子どもたちの教育保障を目的とするのですか。一部のエリート育成に力を注ぐのですか。地方自治体が教育に対し責任を負わなければならないのは一体どこなのでしょうか。
 学校にいるのは、一般論としての子どもではなく、名前を持ち、個性を持ち、育ってきた年月がある、育んできた家庭を持つ生身の子どもたちです。
 教育行政が子どもたちの教育に携わっている教職員の良心が痛むような施策を行ってはならないと思います。

教育を受けるのは基本的人権
 教育を受ける権利は、憲法に掲げられた基本的人権のひとつです。教育長にこの4年間の教育行政をどう総括し、今後のどう取り組んでいくのかお聞きします。

●教育長答弁 質の高い教育が県下どこでも提供され、県民から信頼される学校教育をめざしてきました。今後とも、県民や学校現場等の声をお聴きしながら、県教育委員会に課せられた教育改革を強力に推進します。




実効性のある「男女共同参画」を

 大分県には、男女共同参画のための施設は1カ所しかありません。ドメスティックバイオレンス(夫や恋人からの暴力)、セクシャルハラスメント、離婚、相続、就労、健康など山積する問題を抱える大分市や別府市にも女性センター的なものはありません。
 この際実効性のある「男女共同参画社会の実現」に向けて、積極的に改善措置を含む取り組みを推進できないかお聞きします。

●知事答弁 これまで把握した女性の様々なニーズに応える施策を展開し、国や市町村、関係機関、NPO等との緊密な連携・協働を図ります。県の振興局に担当を設けることも検討します。





自立援助ホームへの支援を

 一時保護所に入所する延児童数は4,000人に迫ろうとしています。子どもたちは、親との関係が修復できれば親元に帰れますが、4割近くの子どもたちは、養護施設や児童自立支援施設、里親に預けられます。
 しかし、18歳を過ぎればそこにはいられません。望むと望まざるとに関わらず社会に出て行かなければなりません。頼りになる大人の精神的・経済的支えもなく、社会の荒波に放り出されます。それはあまりにむごいことだ。せめて家庭的な温もりの中で、子どもが自立して働けるようになるまで支援をしなければと立ち上がったのが、自立援助ホームです。
 自立援助ホーム「ふきのとう」は、現在の県の助成では、厳しい運営を強いられています。運営をサポートしていただきたい。

●知事答弁
 新年度から、自立援助ホームの運営を改善するため、国庫補助基準額が増額されたことを踏まえ、提案中の当初予算で、運営費補助金を増額し計上しました。




子育て支援を急いで

 大きな子育て支援の流れの中で、県下でも公立幼稚園での預かり保育やファミリーサポートセンターが機能し始めています。県では「認定こども園の認定基準を定める条例」が制定されました。国レベルでは放課後子どもプランなどが打ち出されていますが、即実行に移すには時間を要すると思われます。
 より家庭の状況に近い児童クラブの担う役割が尊重されることが望ましいと思いますが、幼稚園児は放課後児童クラブの補助対象とはなっていません。県の考えをお聞きします。

●福祉保健部長答弁 幼稚園児が、一部市町村で放課後児童クラブを利用している実態があることは承知しています。幼稚園児の居場所は、地域ごとにその実情に応じて検討されるものであると認識しています。




知られていない「坐来(ざらい)大分」

 「坐来大分」の目的は、ショップが繁盛することではなく、大分の生産者が育つこと、商品価値があるものが大分から都会に向けて売り出されることだと考えていました。
 しかし豊後大野市での出前県議会(06年8月29日)で農業従事者の方たちに、「坐来大分」に関連した農産物の需要があったかどうかを尋ねてみましたが、だれも「坐来大分」の存在すら知らないという状況でした。
 「坐来大分」の開店以来どれだけの生産者が育ってきたのかでしょうか。

●商工労働部長答弁 「坐来大分」の活用について、広く生産者等にもPRしていきます。




事前説明が必要な携帯電話中継基地局

 携帯電話基地局周辺では、体調不良やガンの発生率が高いという研究報告も海外では多数出ていますが、日本では、住民は、どこに何基あるのかさえ知ることはできず、乳幼児がいる住宅地や学校、病院周辺であっても住民の反対を押し切って強引に基地局を建設するため、住民との間で200件以上のトラブルが起き、九州では6件、大分では1件の裁判が進行中です。
 福岡県篠栗町では、紛争未然防止のため、 携帯電話中継基地局の設置に関する条例」がつくられました。
 今や携帯電話は生活の一部になりつつあるだけに、今後、情報公開と事前説明会等住民参加の形を義務付けるよう行政が働きかけなければならないと考えます。

●企画振興部長答弁 携帯電話各社に、住民へ情報提供を行うように求めていきます。




賀来新川〜医大挾間入口交差点間の事故防止を

 私が住む賀来地域は、医大バイパスと賀来西タウンを中心に急速に発展している地域です。一歩奥に入れば、幼い頃過ごしたような自然が手付かずで残されていて癒しの空間が広がっていますが朝のラッシュ時には、狭い県道に車が我先にと進入して、小・中学生や自転車の高校生が毎朝冷や冷やしながら通学しています。大雨の時は河川の水があふれ、道路が冠水する地域もあります。事故が起こらないのが不思議なくらいの狭い踏み切りもあります。
 道路改修や河川改修、橋梁の架け替え、交差点改良に伴う踏切の拡幅が将来的に実施されると聞いていますので、その日が一日も早く来るよう願っているところです。
 賀来新川交差点から医大挟間入口交差点の医大バイパス、特に医大前から挟
間に下るあたりは、朝夕を問わず交通量が多く、毎年重大事故を目にしています。
 再度、根本的な交差点改良やスピードを落とすための方策ができればと願っています。

●土木建築部長答弁 当面の追突防止対策として、注意喚起のために交差点部にはカラー舗装や夜間点滅する自発光鋲の設置を、交差点進入部にはスピード抑制効果のあるドットライン等の設置を考えています。


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