県議会報告
2012年6月28日
第2回定例県議会一般質問と答弁

☆ 再質問については、記載していません。
どうぞ県議会の中継録画をご覧になってください。



 17番、県民クラブの平岩純子です。私は、この1年間県民の方々からいただいた課題や私が心を痛めている問題について質問いたします。知事及び執行部の皆様の誠実な答弁をお願い致します。

 また、何かとお忙しい中、わざわざ傍聴に来てくださった皆様ありがとうございます。

 6月は男女雇用機会均等月間です。政府は「社会のあらゆる分野において、2020年までにあらゆる場面での女性の占める割合を少なくとも30%程度にする」と明記しています。

 私は、4月に政務調査費を使い国民の幸福満足度世界一のデンマークに行かせていただきました。女性が仕事を持つことは当たり前、女性の政治への参画も当たり前という実態を目の当たりにして帰ってきました。

県でも各種委員会や審議会での女性参画に意識的に取組んでいただいた結果向上しています。けれども生活の中での性別役割分担意識はまだまだ根強く残っています。男だから女だからではなく、互いの個性を尊重しながら共に過ごしやすい環境を作るためには、教育や目に見える場面でのさらなる充実が求められていると考えます。

それでは質問に入ります。

1.地方自治と首長のあり方について

 過去を振り返れば、「生殖機能を失った女が生きている価値はない」という趣旨のいわゆる「ババア発言」をした首長がいました。

 今、日本のいくつかの地で首長の暴走が止まらないといった状況をとても危ういものだと私は捉えています。東京都、名古屋市、大阪市、過去には阿久根市がその最たるものです。政治・経済の低迷、雇用の不安定、老後への不安など、そして様々な案件で国を二分するような課題を抱えている中、政治は行き詰まり、国民感情の中には閉塞感があります。

 先に述べた首長たちは、この閉塞感を打ち破るかのような心地よい言葉を巧みに使いながらマスコミの注目を集め、民衆を扇動してきました。国のやり方を徹底的に批判し、既得権益や公務員バッシングを繰り返すことによって力を発揮し、選挙で支持されてきました。いわゆるポピュリズムです。それぞれの首長たちは、沖縄の頭越しに「尖閣諸島を買う」と言ったり、先が見えない中京都構想を打ち出したり、大阪を一つにすると大阪都構想を打ち出したりしています。さらに多くの問題点を指摘されている教育基本条例を数の暴挙で制定しました。

 私は、地方自治は中長期的な視野に立ち、住民に根差した丁寧な説明と努力の上に成り立つものだと思っていますが、広瀬知事はこの首長たちの手法をどう受け止めていらっしゃるのか率直な感想をお聞かせください。

知事答弁

 現在、不安定な政治情勢や経済の低迷などにより国民の閉そく感が高まっている中で、各地方で改革を求める様々な動きがあります。

 地域住民の選挙により選ばれた首長が改革の声を上げていくことは、地方公共団体の自主性・自立性を高め、個性豊かで活気に満ちた地域社会を実現することにもつながると受け止めています。

 一方で、私は、首長の役割として、地域住民の声を良く聞いて、何を求めているのかをしっかり見極めることが重要だと考えています。その上で、自らの地域のみならず、日本全体に及ぼす影響も含め、大きな視野で中・長期的に検討し、腰を据えて丁寧に改革を進めていくことが肝要です。

 この点では、現在の様々な動きがこれらのことを十分に実践できているのかと疑問に思う面もあります。

 私自身としては、知事就任以来、県民の皆さんが自由な発想で行う活動を支え、政策、施策に生かしていく県民中心の県政を旨としてまいりました。今年3月に策定した「大分県行財政高度化指針」においても、第一に「県民中心の県政運営の実現〜行政の「質」の向上、透明性の確保〜」を掲げて取組んでいるところです。

 また、地域住民の代表として選挙で選ばれた議員の方々と十分論議し、よく考えた上で、丁寧に物事を進めていくということも大事です。

 今後とも、住民を代表する議員の皆様から寄せられる意見をしっかりと受け止めながら、信頼関係の構築と対話を大切にして、是々非々の議論を通じて「安心」「活力」「発展」の大分県づくりに努めてまいります。

 

2. 東日本大震災と福島原発事故からの課題

 次に東日本大震災と福島原発事故からの課題について質問します。

@ がれきの広域処理と被災地支援について

第1回定例会で「東日本大震災からの復興支援を継続・拡充する取組み宣言決議」を行いました。決議の中で、私たちは、「厳格な検査を実施し、安全基準をクリアした物を前提とした「震災がれき」の広域処理について、県民の理解を図りながら・・」という文言を入れました。それでも私は、がれき受け入れは心配・反対と県政報告に書いて県民の方に厳しいお叱りを受けました。改めてがれきに対する県民の感情が賛成・反対に分かれていることを思い知らされました。

その後、津久見市では震災がれきの受け入れをめぐり激しい論争が起こっています。

第1回定例会直後、県民クラブではプロジェクトチームを立ち上げ、この問題に取組んできました。6月13日〜15日まで気仙沼市、南相馬市、仙台市、そして環境省に伺い、現地の様子を調査して来ました。

例えば、気仙沼市では、がれきの仮置き場やそこで分別作業をしている様子を見ました。多くのことを学びましたし、現地に行かなければわからないことがたくさんありましたが、今回は時間の関係で質問に関連する部分だけをお伝えします。

対応してくださった市民生活部長のお話では、「最初の国の説明ではオールジャパンでやるということだった。他の市町村に頼ろうなんて思ってもいなかった。そういう説明だった。昨年の7月からどこの自治体が受け入れる?と環境省が言い出した。」と経緯を説明されました。宮城県の震災がれきは当初環境省が衛星画像から浸水区域を特定し、津波により倒壊した家屋等の災害廃棄物量を推計した1107万トンよりも少ない676万トンとなりました。少なくなった理由は、流出した家屋が多かったこと、解体せずに補修する家屋が相当数発生したこと、市町村による独自処理を実施したことによります。一般廃棄物処理しかできない市町村にアスベストの管理やPCBが混入したものの処理をまかせたことに対する市側の憤りを感じました。しかし、市民の苦情を受けながらも、仮置き場の確保や悪臭やオオクロバエ、火災と闘いながらここまでやって来た道筋を語られました。今も、働いている人たちは、作業中マスクをしていますが、マスクを外しても嫌な臭いはしませんでした。

「処理が3年、4年かかっても自分たちでやる。被災自治体のものを賛成・反対で争って欲しくない。そんなことを望んでいない。」と重ねて言われました。

 さらに「最初は全国の港湾を利用し、埋め立てをすると思っていた。国の舵の取り方はおかしい。全国の市町村で余剰能力を抱えている民間施設はそんなにないでしょう。ましてや僅かな量を全国に動かしてどれだけコストがかかると思いますか。」とも述べられました。

 この話を聞きながら私は、まず、がれきの受け入れを反対・賛成と住民同士が争わないようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

そしてがれきの受け入れ以外の支援を考えることが重要ではないかと思います。

 部長は「申し訳なかったが、ボランティアや行政からの支援が本当にありがたかった。市職員は市職員の応援が一番嬉しい。カウンターパートナーが一番いい。」と言われています。気仙沼、南三陸、石巻、松島と下って仙台に入りましたが、いたるところで大型バスを見ました。土地を覆っていた車も家屋も船も撤去され平地になった場所で、たくさん報道され目に焼きついた骨組みだけが残った建物の前で、ガイドの説明を聞きながら訪れた人々の鎮魂が続いていました。

 故郷を愛する気持ちは誰もが持っています。ましてや自分の責任ではない原発事故によって故郷を離れなければならなくなった人々の思いは私たちには想像できないものがあると思います。しかし、現実に警戒区域となり居住制限がかけられ、故郷を離れている方々のために、大分県にある耕作放棄地や空き家になった家を活用できないでしょうか。望めば「大分に来られませんか。ここで農業をしませんか。牧畜を続けませんか。」と呼びかけてはどうでしょうか。 さらに外での活動を抑えられ、思いっきり遊びたい。遊ばせたい。と願っている親子に「長期の休みに大分に来て思いっきり遊んでください。」と行政が声をかける活動を組んではどうでしょうか。例えば、県内にある青少年の家などを利用して、教育委員会が中心になって声かけができればと考えますがいかがでしょうか。いずれにしても、西日本は放射能がない状態で子どもたちにストレスを感じさせない場所として存在すべきだと思います。

生活環境部長答弁

・宮城・岩手両県においては、平成26年3月末までの災害廃棄物の処理完了へ向け、可能な限りの自力処理がすすめられていますが、今なお両県合わせて約224万トンの広域処理を全国の自治体に求めています。

・災害廃棄物の処理の遅れが、復興の大きな妨げになっていることから、県としては、被災地が求めている限り広域処理の受け入れに向けた努力を続けていきます。

・実施にあたって大切なことは、安全確保と県民の不安の払しょくです。県では、受け入れ基準を定め、安全確認体制を確立するとともに、こうした基準や安全性について、県民への説明責任を十分に果たしていきたいと考えています。

・実証試験によって、得られるデータについても、専門家の客観的評価に加えて、安全を確認し、その結果を公表していくことが重要です。

・このような科学的根拠を示し、わかりやすく、丁寧に説明することで、県民理解が得られ、安心確保できるものと考えています。

教育長答弁

・被災地の子どもたちが、1日も早くふるさとで伸び伸びと生活できるようになることが大切だと考えています。

・議員ご提案の青少年の家などを活用した親子の支援については、近隣の国立青少年施設が福島県の小中学生やその家族を対象にフレッシュキャンプを行うほか、山形県でも夏休みの体験キャンプなどが計画されていると承知しています。

・遠方の九州では、これまでのところ、同様の取組は行われていませんが、被災地の子どもが置かれている状況などを踏まえた支援のあり方について考えていきたい。

A 脱原発への道筋について

6月16日、 野田政権は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を正式決定しました。「脱原発依存」と言いながら、「原発を止めたままでは、日本社会が立ちいかなくなる。」との経済性だけを考えた言葉により、「国民の幸福のため」はあまりに国民の願いとかけ離れ、怒りを感じました。まるで福島原発事故がなかったかのような、福島原発事故以前に戻ったかのような印象を持ちました。

羽田空港に行くと動く歩道があります。楽で便利は良いけれどその上をみんな急ぎ足で歩いています。家の中は涼しい部屋、温かい便座、冷たいビールなど電気は豊かな暮らしのシンボルでした。原子力エネルギーは資源に乏しい日本の将来を約束するかのようにエネルギー政策の中心に据えられてきました。私たちは、原子力発電所立地県の人たちの犠牲と危険との隣り合わせで電気を使い続けてきました。しかし、未曾有の大震災と原発事故が起こり、今、私たちの生活のあり方を根底から揺るがしています。

今年の夏の節電は、一昨年並みのマイナス10%が求められています。

便利で豊かな生活のために命を削ってはいけない。と教えてくれたのが福島原発事故で被災された方々です。地震国日本では、どんなに頑張っても原発に安全性を求めることは不可能です。それならば安全なエネルギーを求めるために私たちの生活スタイルも変えていかなければならないと思います。ゆっくりと生きるスローライフの提唱が叫ばれています。

知事は大飯原発再稼働をどう捉えていますか。また、脱原発社会への取組とその道筋についてお考えをお聞かせください。

知事答弁

去る5月5日に、北海道電力の泊発電所3号機が定期点検に入って以降、国内の原子力発電全てが停止しており、夏場の電力需要のピークを前に、国民生活への影響が懸念されます。

このような状況の中、国は、福島第1原発を襲った様な地震や津波が発生しても、事故を防止できるような対策と体制が整ったことや、計画停電や電力価格の高騰といった、日常生活への悪影響をできるだけ避ける必要があるとの判断により、関西電力大飯発電所3,4号機の再稼働を決定しました。

今回の再稼働については、国と電力会社が責任を持って安全性を確保したうえで、地元である、おおい町や福井県の同意を得て決定されたものと認識しています。

これにより、関西電力管内における電力需給は一定の緩和が見込まれたものの、九州電力管内の需給見通しには大きな変更はなく、この夏を乗り切るために、昨年以上の節電に取組む必要があります。

福島第1原発事故から2度目の夏を迎えますが、未だに電力の安定した供給が確保されていないことは非常に残念に思います。

我が国の発電量の約3割を占めていた原子力発電の多くが停止したままでは、国民生活や経済活動に多大な影響を及ぼすことが危惧されます。

こうした状況から、少なくとも当面は、原子力発電について、国及び電力会社の責任において、しっかりと安全性を確保し、地元の理解を得ることが重要と認識しています。

中長期的には、再生可能エネルギーの導入の拡大をはじめ、議員ご指摘のライフスタイルの変革を、各家庭で電力需要を賢く抑制する機器の導入により後押しし、省エネ・節電対策を強化していくことが重要です。加えて、環境への負荷、需要家へのコスト負担など、様々な条件を考慮し、安定的な持続可能なエネルギー構成となる必要があります。

現在、国では、8月をめどに中長期の再生可能エネルギー政策の見直しを行なっていますが、再生可能エネルギーなど、将来の選択肢を良く整理したうえで、具体的なビジョンを示し、国民的な論議を決定していくことが求められています。

本県としては、再生可能エネルギー導入のトップランナーとして、温泉熱や小水力と言った特徴あるエネルギー導入をこれまで以上に促進してまいります。

そして、成長産業として期待されるエネルギー産業を、県経済の新たな牽引産業とすべく、大分県エネルギー産業企業会を中心に、スピード感を持って取組む覚悟です。

3. 研修施設について

@県職員と市町村職員の研修一元化について

 第1回定例会で、守永議員が、研修一元化を進める上で、職員研修のあり方は重要な課題であるとの認識に立ち、県の考えを伺った経緯があります。

 このような状況のもと、今回、研修一元化に要する建設費用などに関しての債務負担行為が上程されています。

 日本経済の成熟化、複雑化に伴い、個人の価値観や生き方が変化している中で県民のニーズの多様化・高度化が進んでいると感じます。

 そこで、質問ですが、非常に混沌としている時代にあって、これからの地域主権を担う県職員及び市町村職員の人材育成は、とても重要だと考えます。今後、一元化を具体化していくうえで、研修体制をどの様に考えているのか。研修一元化の内容はどの様な考えに立って進めていくのか。また、研修施設の機能・規模について県の考えをお聞きします。

総務部長答弁

(一元化の基本的な考え方)

・本格的な地域主権時代に向け、自治体職員の行政能力向上が喫緊の課題となっており、市町村からの要請も踏まえ、県と市町村職員研修の充実・強化を図るものです。

(研修体制)

・財団法人大分県市町村職員研修センターを母体とする公益財団法人が、県と市町村の職員研修を一元的に実施します。

・実施に当たっては、これまでの県の職員研修ノウハウが活用できるよう、財団への人的支援を行います。

(一元化後の研修内容)

・県と市町村の役割や課題に応じてそれぞれ必要な研修内容を確保しつつ、合同研修を拡充するなど、今後、関係機関による「研修計画等検討会議」を通じて、効果的・効率的な研修カリキュラムを策定する予定です。

(研修施設の機能・規模)

・講義形式のみならず、グループワークでの活発な議論や、県と市町村の交流を促進するなどの、機能と環境を備えた施設にします。

・規模については、現行の県職員研修に加えて、大分市も含めた市町村職員研修が実施できるよう、研修スペースは、県職員研修所の約2倍を確保し、総面積としては、約3千平方メートル程度になるものと考えています。

A 県教育センターの今後のあり方について

 40代後半から50代前半の教職員の人数が多く、今後10年間でその人たちが退職していきます。現場ではベテラン教職員から若い教職員への指導やそのノウハウの伝承が欠かせませんが、授業時数も増え、多忙化の中で十分な意見交換の時間も確保されない状況です。教職員にとって研修は欠かせないものです。特に近年は、社会状況の変化や子どもの多様化の中で、分かる授業の構築や生徒指導上の課題、特別支援を必要とする児童・生徒の急増、家庭・地域を巻き込んだ教育力の向上など教職員に求められているものが多くなっています。そんな中、県教育センターでは、以前は存在していた自ら選んで研修する公開講座も少なくなっているように感じます。

 教職員の質的向上を図るための教育センターは、職員研修所と同様に築後40年が経過し、老朽化が目立ち不具合が生じている部分もあります。

 研修の充実に伴い、研修室の改修など、研修環境の整備が急務だと考えますが、教育センターを今後どのように活用していくのか改築も含め教育長の見解をお尋ねします。

教育長答弁

(現状)

・教職員のライフステージに応じた研修体系の整備と研修内容の精選、効率化を図るため、県教育センターにおいて、教職員研修を企画・実施しています。

 教職員が自ら選択して受講できる研修についても、テーマ別研修や土曜セミナーを設けています。

(今後の方向性)

・ご指摘の通り、教職員の大量退職時代が到来し、ノウハウの継承など若い教職員の計画的な育成が喫緊の課題となっています。

・このため、昨年10月に策定した「公立学校教職員の人材育成方針」を踏まえ、教員研修権限を有する中核市の大分市や教員養成課程を持つ大学と連携も図りながら、すぐれた授業力や学校課題を組織的に解決する力を持つ人材の育成を目指し、研修内容の見直しを進めているところです。

・今後の県教育センターは、そうした見直しを踏まえ、本県の教育課題解決を担う人材育成の中核施設として位置付け、必要となる研修環境の整備について、隣接する県・市町村研修施設との連携を図りながら検討していきたいと思います。

4.教育課題について

つぎに教育の課題について2点質問します。

@ 閉校する定時制高校への支援について

別府鶴見丘高校定時制と大分中央高校は県教委の高校再編計画の中で本年度末で閉校となります。今は4年生しか在籍していません。働きながら学ぶ生徒にとって定時制は重要な役割を担って来ました。卒業生も多く輩出しています。

 1学年だけとなったこの学校の残り9カ月間を充実したものにしてあげたい。

立派な卒業式をしていただきたい、と多くの関係者が願っています。職員の加配はそれなりに行っていただいていますが、閉校に向けた学校からの要望や願いはどんなものがあるのでしょうか。また、県教育委員会としてどんな支援をしていくのでしょうか、お伺いします。

教育長答弁

・両校は夜間定時制課程として、学習意欲のある働く青少年や中学校で不登校経験を持つ生徒などに高校教育を行なって来ました。

・県教育委員会では、これまでも生徒数が減少する中、学習活動が円滑に進められるよう教員はもとより、就職活動を強化するためキャリアコーディネーターを配置するとともに、学校内外の体験学習などには、少人数のため割高となる生徒負担を減らす支援を行なっています。

・生徒に最後まで充実した高校生活を送らせたいという強い思いを、学校、教職員だけでなく、保護者・同窓会がもっているということは認識しています。

・このため、学校や大分県定時制通信制教育振興会など関係機関と連携を図りながら、生徒が胸を張って卒業できるよう、最後まで支援をしていきたいと思っています。

A 県立学校の学校徴収金と団体費の取り扱いについて

昨年の行政監査は「県立学校における教材費などについて」をテーマに行わ

れました。監査の着眼点を6項目おき、教育庁の関係4課と県立学校23校を選定し、学校徴収金、学校関係団体費及び学校指定用品の事務が保護者の信頼に応え適切に取り扱われているかを監査しました。

 その結果、監査報告書に示された通り、現金の管理や支出等の事務処理に関して改善または検討を要するものが認められました。また、保護者が学校運営に必要な費用を負担している状況や、教職員が学校関係団体の事務に関わることについて学校任せになっている状況も認められました。県教育委員会の示したマニュアルが周知徹底されず、校長が詳細を知らず、慣れない教員が忙しい合間に金銭を管理している状況が浮き彫りになりました。そのような状況の中で現金事故が起こらなかったことは幸いでした。

 県教育委員会として、どのように学校徴収金を取り扱うようにしたのか。保護者負担の軽減にどう取り組んでいくのか。作業チームも立ちあがったとお聞きしていますが、方向性や取組みについて教えてください。

教育長答弁

・行政監査において、保護者から集めた現金の管理、使途及び事務処理が不適切であること、また、県、教職員及び保護者負担とする区分が不明確であることなどを内容とする監査意見を頂きました。

・監査結果を受けて、現金を金庫に保管していない等、学校徴収金の不適切な管理については、すぐ改めさせました。

・また、学校関係団体費の使途で問題があると指摘された項目のうち、県有財産の修繕料などについては、原則として公費負担とすることにしました。

・現在、他の指摘事項について、ワーキンググループを設置し検討を進めるとともに、PTA,校長会など関係者からも意見を集約しているところです。

・今後、この検討結果を踏まえて、保護者などとの負担区分の新しい基準などを、8月末までに取りまとめる予定にしています。

・また、現在の取り扱いマニュアルを見直し、適切で効果的な事務処理の実施、学校徴収金の透明性の確保、保護者の負担軽減を図ることとしています。

5.通学路の安全について

最後に通学路の安全について質問します。

このところ集団登校している子どもたちの列に車が突っ込み、大惨事になる事故が多発しています。学校では日頃から交通安全指導を行い、保護者や地域ボランティアを中心に子どもの見守りを行なっているものの、通学路のハード面を改善すべき点とドライバーのモラルの向上があまりに欠落している点が浮き彫りになっています。

 ハード面の改良は県内いたるところで要求されていると思いますが、具体的な場所をあげて質問します。

@ 国道442号宗方稙田間の改修について

歩行者も自転車も自動車も多く通行する国道442号稙田区間は、歩道があまりに狭い場所があるばかりか、歩道がない場所まであり、これまで何度か議会でも質問されました。2010年11月に有志が集まり、「国道442号宗方・稙田区間整備促進期成会」を組織し、定期的な理事会、学習会、現地調査、地元住民や沿線商店へのアンケートを実施してきました。

 アンケートの結果は、昨年度土木建築部と大分土木事務所へ提出していますし、現地調査にも同行していただいていますので、十分な認識をされていると思います。

 すぐにできないこともありますが、雨降りの子どもたちの登校の状況には厳しいものがあります。通学路の安全確保の観点からどのような改善が見込まれるのかお示しください。

土木建築部長答弁

(現状)

・この区間は、交通量増加に伴う混雑や、歩道が狭く途切れた区間もあるため、

 混雑の解消や安全な通行空間の確保が課題と認識しています。

(これまでの対策)

・これまで車のスピードを抑える区画線や、通学路表示板の設置など交通安全対策に努めてきました。

・昨年度は、期成会の方々と共に歩道の現地調査を行い、その結果を踏まえ、傷んだガードパイプの修繕など、安全対策を実施してきました。

(改良に関わる検討状況)

・抜本的な対策となる道路改良については、沿線商業施設が立ち並んでおり、拡幅を行う場合に生じる影響が大きいため慎重に検討を進めています。

・これまでの交通状況調査の結果、通勤通学時に、歩道上で人と自転車が錯綜したり、自転車が歩道を走行せざる得ず、改めて当区間の課題が明らかになりました。

(今後の方針)

・引き続き期成会の方々と協力しながら、地域の実情に応じた安全対策に努めるとともに、課題解決に向けて検討してまいります。

A 森の木踏切の拡幅

 大分市賀来地区にある森の木踏切は、私が議員になった9年前以前から拡幅が求められていた踏切です。賀来小・中学校に通う半数以上の子どもたちが毎日通学のために通ります。自転車の高校生や自動車もひっきりなしに通ります。朝は交通指導員さんが誘導してくださってやっと命が守られているといった状況でした。自治会からも学校からも要望書が出されています。

 踏切に沿って賀来から横瀬に抜けるバイパス(市道)ができて以来、交通量はさらに増え、大型ダンプも行き来し、ますます危険度は高まってしまいました。

 多くの方のご尽力で踏切の拡幅の見通しがつき、民家の移転も行われ、いよいよ拡幅だ、と喜んでいたのですが、それ以後、進んでいません。JRと大分市と県と警察で協議を進めていらっしゃると思いますが、その進捗状況はどうなのか。いつ頃拡幅の見通しが持てるのか、お知らせください。

土木建築部長答弁

(現状)

・森の木踏切については、道路幅が4メートル程度で歩道もなく、賀来小・中学校の通学路となっていることから、早急な安全対策が必要な個所です。

・先に開通した市道バイパスに踏切が極めて近く、歩行者は元より自動車通行の安全確保の観点から対策が急がれます。

(経緯と今後の対応)

・そのため、交差点の形状などを地元関係者、JR九州、大分市、警察と協議を重ねてきましたが、昨年度末、ようやく合意を得たところです。

・協議と並行して工事のための用地取得を行なって来ましたが、取得に必要な関係機関との調整が難航しており、未だ工事に着手できていません。

・用地が取得でき次第、工事に着手する予定です。


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