県議会報告
2008年 第3回定例県議会一般質問と答弁


 ※再質問については通告していません。従って答弁書がありません。再質問に対する答弁を起こす時間がありませんでしたので今回はその答弁は記載していません。

 29番、県民クラブの平岩純子です。

 一般質問も私が最後となります。私は、真実を求めて今回は、教育の問題に限って質問いたします。皆さんお疲れでしょうがどうぞ宜しくお願いいたします。傍聴席には、今回の一連の教育委員会汚職事件に心を痛めている方がいらっしゃっていると思います。どうぞ一緒に考えてください。

 教員採用試験汚職事件

(1) 教育の営みと学校現場の混乱について

 はじめは、今議会で6人もの議員が質問されています、教員採用試験汚職事件についてです。

 事件発覚以来、2ヶ月半以上が経過しています。過激な取材合戦や報道は減少しましたが、私の中では、洞爺湖サミットよりも福田内閣よりも北京オリンピックよりも重大事件でした。

公明、公正であるべき教員がしかも管理職が犯した事件です。どうしてそんな不正が、姑息な手段で秘密裏におこなわれていたのか。そのことが許せませんでした。「何故なんだ」「これからどうすればいいのか」と事件のことが頭を離れた日は一日としてありませんでした。

事件の全貌は、一向に明らかにされないまま、教育委員会をはじめ、教育に携わるすべての人たちが、自分の立場や行いを振り返り、総点検をし、改めて綱紀粛正に取り組まなければならない状況に置かれました。そのことは、大切なことです。しかし、一部の人たちが犯した過ちが教育という言葉でひとくくりにされ、学校現場全体で責任を負わなければならない状況を思う時、怒りも覚えました。

学校では、子どもたち一人ひとりを慈しみ、時には厳しく愛情を持って育てています。県教委の打ち出した数々の改革の中で、学校は、日を追うに従って忙しくなり、教員は、子どもと関わる時間が欲しいと切望しています。子どもたちとの関わりを多く持つことで、子どもの本音や姿が見えてくるからです。でも子どもたちの生活背景や課題を共有する「場」がなかなか持てません。ですからその時間を確保するために教材研究や会議はすべて放課後遅い時間に取り、何よりも子ども優先で何とかやりくりをしています。

残念なことに今回の汚職事件で、真っ先に非難の的になったのは学校現場でした。保護者や地域の人たちの声、そして子どもたちの素朴な疑問を一番に受け止めなければならなかったからです。がんばっている人たちが非難にさらされ、さらに信頼回復のために努力を強いられる。言葉で表現できない理不尽さを感じました。

教育という営みをどう捉えていらっしゃるのか。そして学校現場を巻き込んだ今回の混乱と責任をどう考えていらっしゃるのかを教育委員長と教育長それぞれに見解を伺います。

麻生教育委員長答弁

 教育の原点は、人格の完成を目指し、個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主自律の精神を養うとともに、国家や社会の形成者として必要な資質を備えた人材の育成にあると考えています。

 今回の教員採用選考試験などに係る贈収賄事件については、教育行政に対する県民の信頼を根底から失墜させるものであり、深くお詫びを申し上げるものであります。

 県民の願いは、子どもたちが心身ともに健やかに育つことです。失われた信頼回復のためには、この県民の願いを心として今一度原点に立ち返り、教育の場で成果を出していくことが重要だと考えています。

 そのためには、今回の改善策を始め、教育再生に向けた取り組みを着実かつ迅速に推進し、生き生きと活気あふれる学校を実現できるよう、私たち教育委員が先頭に立ち、県教育委員会職員はもとより、現場の教職員、市町村教育委員会の職員も一体となって、本県教育の信頼回復に全力で取り組んでいかなければならないと考えています。

小矢教育長答弁

教育とは、子どもたち一人一人のもつ潜在的な能力を可能な限り引き出し開花させること、そして、どのような道に進んでも、自らの人生を幸せに送ることができる基礎を培う営みであると考えています。

今回の事態はすべての教育関係者に忽せにできない課題を突きつけられたものであり、私は県教育委員会事務局の責任者として責任を痛感しています。今後は県教育委員会職員、現場の教職員はもとより、市町村教育委員会職員などすべての教育関係者が一丸となって、大分の教育再生に向けた改革への取り組みを推進していかなければならないと考えています。

(再質問)

学校の中には、近年採用された人がいます。臨時講師をしながら採用をめざしてがんばっている人がいます。一つずつの学校がそれぞれに今回の事件に直面しています。でも誰も何も言えず、怒りが充満し、平常心ではいられない状態になっています。心穏やかに子どもに接することの出来ない状況、このいびつな状態から安心して子どもたちと過ごせる協働の状態に戻していくことが必要です。こういうことが何故起きたのか。これからどうするのか。教育を停滞させることはできません。あまりにおぞましい事件です。でも、子どもたちのため不正を生み出す体質を改善しなければならないと思います。

教育という営みを子ども主体の本来の姿に戻すために県教育委員会として学校をどう支えていくのかお答えください。

(2)教員採用試験に係る「口利き」について

 7月8日、県議会議員が県教委幹部に受験者の依頼をしている。との報道がありました。その日以来、私の所にも、県内のマスコミ関係者だけでなく、東京の放送局、ワイドショーの記者の人たちが多数来られるようになりました。

学校は、まだ夏休みになっていませんでした。過激な見出しが子どもたちや学校にどんな影響を与えるのかを考え、取材は、殆どお断りしましたが、私が元教員だったため一連の事件に近い所にいると思われていることは悲しい限りでした。

 口利きを行っていたのは、議員だけでなく、元県教委幹部、現教育関係者、地元企業の幹部など一部の大きな影響力のある人たちでした。

 口利きについては、多くの人が「不正を要求したわけではない」「みんなやっていること」「それによって金品の受け取りはない」などのコメントをしています。しかし、例え合否の結果の報告だけだったとしても依頼を受けた側が圧力と捉えていたとしたら不正を助長したと考えられます。依頼を受けた県教委幹部は、今後の教育行政をスムーズに運営していくためにと判断して不正を行っていたとのこと。このこと一つを取ってみても教育が捻じ曲げられていたということに他なりません。逮捕された幹部のメモには、口利きをした人の名前が残されていたということがそのことを悲しくも証明しています。

 教育委員会として、口利きをどう捉えていたのか。また、その口利きがどのように不正に影響していたのかわかっている状況をお知らせください。

小矢教育長答弁

 教員採用選考試験に係る、働きかけ、いわゆる口利きについては、プロジェクトチームによる関係者への聞き取り調査結果などから、「事前に結果を教えてくれ。」という単なる事前連絡依頼があったことは確認されていますが、それが不正に影響したかどうかについては確認できませんでした。

 しかしながら、一部の受験者の試験結果について、発表前に連絡したことは、公平性の面で適切ではなかったと考えており、今後このようなことが起こらないように徹底してまいります。

(再質問)

 私見ですが、教育に関することでは、議会の中でもいろいろな意見が出てきます。イデオロギーでの対立もあります。例えば、学力テストの学校名公表一つ取ってみても、「テストの学校名公表はすべて公表すべきだ。」という意見があります。逆に「学校名公表は、競争を煽ることにつながる危険があるから止めるべきだ。」との意見もあります。このような対立する難しい問題を審議していくのが県議の仕事であり、きちんと教育委員会と対峙していかなければならない存在だと私は考えました。その立場の議員が、教育委員会に取り入ってしまうこと自体が許されることではありません。公益通報制度も機能していませんでした。

 ひとりの受験者に有利な働きかけをしたら、別の受験者に不利が働くのは当然のことです。私は、学校に勤めている時に 臨時講師や非常勤講師をしながら教員採用試験をめざしている多くの人たちと仕事をしてきました。例え臨時であろうと非常勤であろうと子どもの前に立つと「先生」です。同じ仕事が求められます。昼間懸命に仕事をし、夜、眠い目をこすりながらくたくたになった疲れた体で採用試験めざしてがんばっていた人たちが、一部の関係者の理不尽な行為によって正当な評価がされなかったということは許しがたい蛮行です。

 私たちは8月27日に「県民不信を招くことのない議員活動を誓う宣言」を決議しました。それは遅きに失してしまいましたが、私たち議員一人ひとりがしっかりと胸に刻まなければならないことだと思います。

(3) 点数改ざんによって不採用になった受験者の救済と不正によって採用された教員の処遇について

 逮捕された元幹部は、依頼のあった受験者を合格させるため、本来なら合格し、採用されていたはずの人の成績を下げ、不採用にしていたと言われています。県教委は、不正な方法により、採用されなかったことが確認できた者については、本人が希望すれば、採用すると発表しています。当然のことだと思います。

 同時に県教委は、不正な方法により、採用されたことが確認できた者については、採用を取り消すとも発表し、実際8月30日から2008年採用の人たちに対して採用撤回という性急な通告を行いました。幹部のパソコンに残ったデータの復元をその根拠にしているようですが、県教委は、本来なら10年間保存しなければならない答案用紙をその年の年度末に業者に依頼して処分しています。このこと自体、許されることではありません。本来の不合格者の特定は、データの信憑性に疑問がもたれて難航すると予想していましたが、本人が納得できうる証拠と成りえたのでしょうか。お答えください。

小矢教育長答弁

 採用されたパソコンと義務教育課に残ったパソコンのデータから得られた約24万9千件のファイルを対象に、「一次試験」「二次試験」などをキーワードとして検索を行い、関係すると思われるファイル約6千4百件を抽出し、さらにその中から、ファイルの更新日時や作業手順の証言などから、関係ファイルの絞り込みを行い、点数が書き換えられていないと考えられるファイルを特定しました。

 その結果、平成20年度教員採用選考試験に係るデータについては、(1)ファイルの更新日と試験の作業日程が一致すること、(2)ファイルに一貫して変更されていない点数が存在すること、(3)点数操作などの実行者は2人であり、その2人の供述が一致すること、(4)ファイルの信憑性の確認について警察の協力を得ていること、(5)プロジェクトチームの顧問弁護士の意見は、証拠として耐えうる相当程度の確実性が認められるというものであることから改ざん前の本来の得点としての信憑性はきわめて高いと判断したところです。

 一方、19年度試験に係るデータについては、(1)ファイルの更新日時と作業日程の実績が矛盾すること、(2)変更されていない点数が存在しないこと、(3)点数操作などの実行者が1人の供述であることなど、20年度と比べると信憑性に劣るものであることから、本来の得点の確実な特定ができたとは言いがたいと判断したところです。

(再質問)

○不正に採用された人について

 今回,不正採用と言われている大半の人が本人の知らない所で行われた不正行為によって合格したと思われます。その任命権者は、教育委員会です。その人たちがどんな気持ちで学校に勤めていたか想像してみてください。例えば、元県教委幹部が大学教授になり、熱心に受験生に採用試験の指導をしていました。学生は、朝から晩まで勉強に励んできました。そして、実力で採用されたと信じて疑いもしていませんでした。今回の事件で、突然渦中の人となりました。保護者や同僚からどんな目で見られているかを考えながら、でも、職場では何も言えない。地獄のような苦しみの中にいながらそれでも子どもたちと1学期のまとめをし、通知表を書き、2学期の準備をしてきました。

 不正を働いたのは、県教委幹部と依頼者です。本人が関知していないところで行われた不正の責任を本人のみに取らせることが適切なことでしょうか。しかもその責任の取らせ方は、即採用取消ではなく、まず本人からの「自主的退職願」という形を取らせています。

 責任を取るべき人、責任の取らせ方がこれでいいのでしょうか。

○子どもたちの混乱

 教員は、最初から教員にはなれません。新採用の時は、大学で習ったこと、教育実習で学んだことがいかに通用しないかを思い知らされます。

 そんな教員を子どもたちが育ててくれるのです。子どもの行動や反応から自分の実践を振り返り学んでいきます。もちろん保護者も職場の先輩たちも育ててくれます。1学期間、悩み、苦しみ、葛藤しそれでも学校が大好き、子どもたちと共に歩もうと教員としての醍醐味を感じ始めたのがこの新採用者たちです。単なる技術の慣れや理論の理解では備えることのできない教師としての大切な姿勢を身につけはじめたのが彼らです。

学校現場は、20人辞めさせて、20人入れれば良いと言うようなそんな簡単なところではありません。子どもの目線に沿って一人ひとりに合った教育を考えていくのが教育です。楽しい夏休みが終わり、新学期に子どもたちは、宿題や作品を先生に見せようと楽しみに学校にやって来たと思います。今日は、2学期になって4日目です。学校に勤める者にとって最も悲しいのは、子どもが事故に遇ったり、事件に巻き込まれたり、亡くなったりすることです。子どもにとって一番悲しいのは、友達や先生と別れることです。

このまま行けば、いくつかの学校で大好きな先生が、突然、目の前からいなくなることになります。この事実を子どもたちはどう受け止めればよいのでしょうか。教えてください。

不正採用の背景

一昨日から「PTがよくがんばった」と評価されています。確かに何万ものファイルから照合するのに、土日もなく夜遅くまでの仕事だったと思います。しかし、その結果報告が、「何故今なんだ」と思います。どうして夏休みぎりぎりの2学期直前のこの時期なのか。学校の実態をまったく理解していないと思います。

一昨日、玉田県議が奈良の中和広域消防の不正採用事件を話されました。23名中19人が不正採用で、1名が自主退職。18名が採用取消になっています。でもそれだけではなく、市議と市職員9人が逮捕、起訴(あっせん収賄・地方公務員法違反―不正採用のそそのかし)されています。不正採用者だけではなくそれに関わった人たちも処分されています。

不正採用といわれる人たちは、「何故なんだ」「誰が介入したからこうなったのか」そのことを知りたいのです。もしかしたら善意の介入があったのかもしれません。その介入が社会的公平さを壊し、他人の人生を狂わせているのです。その人たちは咎められないのですか。

私は、不正採用者を採用しろと言っているのではありません。納得いく情報を示してあげて下さいと言っているのです。

20人には、それぞれの背景があります。大学を出たばかりの人がいるかもしれない。もしかしたら結婚を決意した人もいるかもしれない。子どもが生まれる人もいるかもしれない。みんなそれぞれの人生を抱えています。ただひとつだけ共通しているのが、「何故なんだ」です。こんなことをされなければ、今年も採用試験を受け、今頃はどこかの学校で臨時講師をしながら、また採用試験めざして子どもたちとがんばっていられたのです。点数が足りないのはわかった。それなら誰が介入したから不正が行われたのかそれを教えて欲しい。そうしなければ、次のステップに進めないのです。そこまで丁寧な扱いをしていますか。

本人が直接関わっていなければ、「懲戒免職」にはできません。2007年採用の人は、1年以上経過しているので採用取消はできません。2008年採用の人は、条件付採用だから採用取消ができます。だから2008年の人だけにこんな取り扱いをしているのではありませんか。

7月16日に県教委は、教育行政の抜本的改革について事実関係の徹底的解明をすると発表しています。それなら、採用取消の裏づけをはっきりさせてあげてください。PTは、私たち県議にも聞き取り調査をしたんですか。

(4) 信頼回復のための具体策と今後の教育行政のあり方について

 どん底まで失墜してしまった教育への信頼を取り戻すためにはあらゆる方策を講じなければなりませんが、「信頼」を具体的に取り戻すのは、教職員が教育活動を通じてでしかできません。地域の方は、自分の住む地域の学校を評価します。保護者の方々は、自分の子どもの通う学校の担任や学年の先生を見て学校を評価するからです。子どもたちが安心して学校に通え、今まで以上にのびのびと活動することができる、教職員が思う存分教育活動に専念できる教育環境を再構築していかなければならないと思います。

 県教育委員会として具体策と今後の教育行政のあり方を示してください。

小矢教育長答弁

 県民に対する教育行政の信頼回復は何よりも重要なことであります。そのためには、今こそ「知・徳・体の整った人格を涵養し、子どもたちの夢を実現させ、ひいては地域や国の発展に貢献してもらう」という教育の原点に立ち返り、教育の場で成果を上げていく必要があります。

 このため、全県的な教育水準の維持向上を図るための教職員の広域人事推進、努力した人がきちんと評価される教職員人事評価システムの確立、教職員の意識改革などの取組を迅速かつ着実に実施し、教育環境の再構築と教育再生に繋げていくことが重要です。

 取組にあたっては、今月1日に設置した「教育改革推進室」を中心に、県教育委員会のみならず、学校現場、市町村教育委員会のすべての職員が一体となって、信頼回復に全力で努めてまいります。

(再質問)

服務規程の勉強会を学校現場にするよう指示があったようですが、「服務規程を勉強するのは私たちではなく、県教委ではないか」と反発の声を多く聞きました。現場から信頼される県教委でなければならないと願いますが、地教委とも教育事務所とも校長会とも現場ともPTA連合会とも信頼関係は崩れ、その溝は深まっていくようで心配です。

そこで、提案です。

 現在、県教育庁に勤務されている職員は192名。そのうち教員出身者は87名だと伺っています。指導主事として入ることが多いと思います。現場での実践を踏まえて教育行政に入ることは重要なことです。子どもにとってどうあることが大切かを一番わかっているからです。子どもたちのために何が必要か、どんな施策が大切かと計画し、教育行政全体を取りまとめていくことができます。

 しかし、いったん教育行政に入った人は、殆どの人が管理職になるまで現場には帰っていきません。一部の人たちは、教育行政に出ることは出世することだと考えているのかもしれません。さらに教育行政に勤務している人は、管理職試験の時に法規を理解しているから、指導主事で任用されるときにもう試験を受けたからとの理由で筆記試験や論文が免除されていました。今回の事件を考える時、上意下達で強権的な管理・統制をする組織としての認識の上に立っていた県教育委員会の姿が浮き彫りになってきます。

 重要なことは、教育行政に出ても何年かしたら現場に戻り、学校の実情や学校の置かれている実態を知ることではないでしょうか。その時初めて、教育行政全般にわたって学んだ知識やノウハウを生かすことができます。同じように現場から今の子どもの実態や子どもを取り巻く環境を熟知している人が教育行政に出て行く。そして教育委員会本来の重要任務である教育条件整備に取り組む。私は、この状況を早急に作ることが必要だと思いますが、教育長の見解を伺います。

 

 8月6日に「大分県の小・中学校のみなさんへ」と教育長からの謝罪文が学校に回りました。私は、その日現場にいて、その文章を読みました。教育長ご自身が書かれていることがよくわかりました。いつもおっしゃっている「子どもを中心に据えて」という思いを文章の中に読み取ることができたからです。でもそれが学校に届くのに問題があった。夜遅くか、明け方だったんです。突然、下りてきた文書にどこの学校もその扱いを検討する時間的余裕はありませんでした。それを、一部の新聞で学校の取り扱いが悪いと非難されました。ですからそのことはどこかで言わなければと思い、今こうして話しているのですが、

教育長は事務局に文書を預けていて、事務局が忘れていたとしたら。確かに教育委員会は、今回の事件で大変な忙しさの中にいたと思います。しかし、8月6日は、大分県下の子どもたちが一斉に「平和を願う日」です。広島の原爆記念式典に合わせて朝、8時から授業は始まっています。

 学校に勤めたことのある人なら8月6日は子どもたちが県下いっせいに「平和を願う日」であり、その日に向けて1学期から夏休みにかけて子どもと教職員が保護者も一緒に準備をいることは、体に染み付いているべきことです。そのことすら忘れられていたとしたら教育委員会はいったいどこを向いているんだと考えてしまいます。

 この質問は、ここで終えますが、大分で起こった事件です。大分の人たちの力で解決していきたいと思います。

今回の問題は、倫理観やシステムの問題ではなく、教育委員会の閉鎖的な権威的な体質にその原因があると考えます。そしてその改善が急がれます。

大分の子どもを大分の大人たちがみんなで責任を持って育てていくことを確認したいと思います。

今回の問題に正面から立ち向かっていかなければならないのは,私たち大人であることを自覚しなければならないと思います。私たち大人の姿勢が,英知が、行動力が子どもたちに問われているのだと思います。

 

中学校30人以下学級について

(1) 中学校30人以下学級の評価と課題について

 次に、中学校30人以下学級の評価と課題について質問します。

 長年の願いであった30人以下学級が2004年に小学校1年生に実現しました。2006年には、小学校2年生まで拡大され、今年から中1ギャップの解消を主目的に中学校1年生に実施されています。

 県の英断に感謝をしています。中学校にはいくつかの小学校から生徒が入学してきます。人間関係や仲間づくり、教科担任制、部活動など、初めての経験の中で一人ひとりに丁寧に接することができるのがこの少人数学級だと思います。現場からも授業・学級活動など、これまでに比べ目が行き届き、50分授業においてもより多くの生徒が発言の機会を与えられている等・・と教育効果は大きなものがあると伺っています。

 しかし、小学校の少人数学級と同じようにはいかず、導入された学校ではいくつかの課題も伺っています。教育委員会としてこの中学校1年生の30人以下学級の評価と課題をどう受け止められているのか教えてください。

小矢教育長答弁

 中学校1年生の30人学級は、小学校から中学校への進学時に当たり、学習・生活環境の急激な変化に伴う生徒指導上の問題、いわゆる中一ギャップに対応するため、本年4月から新たに導入したものです。

 実施から5ヶ月であり、具体的な調査はまだ行っていませんが、学級担任からは、一人ひとりの子どもの把握、問題行動の早期対応がしやすくなったという声も伺っています。

 今後、生徒指導や学習指導面での成果と課題について、検証を行うこととしています。

(要望)

 残り時間が、ありませんので1学期間、大分市内、由布市内の中学校で伺った実態をお知らせします。

・一部の学校では、急な学級増のため生徒会室や少人数授業として使っていた教室もすべて普通教室となった。

・加配の教員を使っているので、教員が足りず、これまでのような少人数指導ができなくなった。

・ 副担任が置けなくなった。

・ 教員数は増えていないので、ひとりの授業のこま数だけが増えて余裕がなくなった。

・ 技能教科の教員が手一杯。月に80時間の超勤をしている。(平均すると一日に4時間。殆ど夜9時まで学校にいる)

中学校は、教科担任制なので、いくつかの教科では教員増で、ゆとりが生まれますが、人数が増えない教科は、ひとりの持ち時間数が増加しています。授業の持ち時間数の増加は、それでなくても教材研究が保障されていない現場にとって、大きな負担になっているようです。新学習指導要領により授業時間が増える中さらなる負担が予想されます。

 中学校では、部活動も行っていますし、荒れる生徒や学校生活からの逃避や過度の自己主張、不登校など生徒指導が多岐にわたり厳しい現実があります。

 私は、もう総額裁量制を運用しての30人以下学級の限界だと思います。今後の課題を明らかにしながら検討していかなければならないと考えていますので宜しくお願いいたします。


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