Wearing Propaganda: Textiles on the Home Front in Japan, Britain, and the
United States, 1931-1945 「ウエアリング・プロパガンダ(衣服の戦争プロパガンダ):昭和6〜20年の日本、英国、米国の戦争柄の布展」 期間:2007年2月7日〜2007年4月28日 会場:ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ Honolulu Academy of Arts 900 South Beretania Street | Honolulu.Hawaii| 96814-1495 | Phone: xxx-xxx-xxxx | generalinfo@bgc.bard.edu 2007年2月7日〜2007年4月28日、アメリカ・ハワイ島のホノルル・アカデミー・オブ・アーツに於いて「ウエアリング・プロパガンダ展」が開催されます。1931〜1945年(昭和6〜20年)の日本、英国、米国の戦争当時の布を集めた展覧会です。アジア太平洋戦と第二次世界大戦当時にプロパガンダ(広報)として使われた布を展示する最初の主要な展覧会です。第二次世界大戦終結から60年後に、このあまり知られてない、プロパガンダ(広報)として使われた布に目を向ける良い機会となることでしょう。展示される独特な図柄は、そのデザイン性だけでなく、当時の大衆文化も反映しており、一見の価値があります。 展示するのは、日本(78点)、英国(37点)、米国(23点)の三カ国から計138点の国民たちが身につけていた布で、それがどのようにプロパガンダとしての役割を果たしていたかを例証します。展示品は、衣服、アクセサリー、サンプル布、漫画(図柄のもとになったもの)、ポスター、写真などです。米国と英国からは個人所有や公共機関のコレクション、日本からは多くの個人コレクターの皆様からお借りしたコレクションです。多くの展示品、とくに日本の着物類は未知のものが多く、これまで、記録されたり、展示されたり、写真でも紹介されてないものがたくさん含まれています。 興味深いことに、また当然のことですが、日本と西洋の間には、プロパガンダとしての布の使い方に文化的な相違があります。米国や英国では、ほとんどの布が女性のために作られたものであり、ヘッドスカーフ、ブラウス、ドレスなど、外側に身につけていたものでした。一方、日本では、プロパガンダ柄の布のほとんどが、男性や男の子の着物に使われていました。男性の場合、おもに着物の下に着る長襦袢や羽裏(羽織の裏地)に使われており、外側からは柄が見えないため、ごく身近な人にしか見る機会はなかったのです。さらに興味深いのは、日本では子供用の着物にプロパガンダの柄が多く使われていることです。展覧会で紹介する幼い子供用の着物は、ほとんどがお宮参りの着物(西洋の洗礼ガウンのような意味がある)で、どれもはっきりとした軍隊のイメージがあります。 展示品は、衣服(着物、長襦袢、羽織、帯、ブラウス、ドレス、スカーフなど)、洋服地、サンプル布をはじめ、ハンカチーフ、テーブルクロス、風呂敷などの様々な布類、また、ポスター、おもちゃ、雑誌、団扇など、当時人気のあった視覚的、物質的文化に関連したものも展示します。 展覧会と図録で、文化と日常生活の両方を反映している20世紀のプリント柄テキスタイルのデザインを考察し、続いて戦争当時のプロパガンダ柄の布を紹介します。「ウエアリング・プロパガンダ展」では、プロパガンダとして使われた、もっとも一般的なテーマとモチーフ(図柄)について探求しています。 モダニティ、帝国、軍国主義、愛国心、犠牲、英雄、指導者、文面(スローガン、言葉、歌)、同盟(同盟国と連合)、などです。いくつかのテーマを簡潔に述べます。 モダニティ:日本のプロパガンダ柄の主要なテーマの一つで、主として戦争、帝国、近代技術が表現されています。 伝統:日本のプロパガンダの図柄には、富士山や庶民の英雄などの文化的な偶像が含まれています。米国では、第二次世界大戦前と戦後に、憲法、ジョージ・ワシントン、忠誠の誓いなどが伝統的な象徴(アイコン)として使われています。英国では、テキスタイルの柄には伝統的なイメージはほとんどありませんが、古いスローガンが取り入れられています。(例えば、「英国はすべての男性が義務を果たすことを期待する」と言ったトラファルガーの戦いのネルソン提督のモットーなどです。) 帝国:帝国という概念は、日本と英国の両国の社会と戦争の歴史の主要なものです。 軍国主義:三カ国のテキスタイルの柄に軍国主義のデザインが遍在し、それぞれが全く異なった方法で表現されています。 愛国心:すべてのプロパガンダ柄に、愛国心がデザインされています。それは、戦争当時の国家に求められた愛国的な精神を取り入れたものです。国家の愛国心の概念が最も密接に結びついた図柄は、国旗であり、他の図柄の中で際立っています。 テキスタイルのデザインの多くが、複数のモチーフで構成されているので、図柄は1つ以上のカテゴリーに分類されます。 ウエアリング・プロパガンダ展は、ジャクリーン・M.アトキンス(バード大学院センターの博士号候補生)が監修しています。アメリカのテキスタイルに造詣が深い学者であり、アメリカと日本の織物とキルトの歴史に関する本を多く出版しています。 彼女は、プロパガンダテキスタイルを多く所有し、テキスタイルコレクションで有名なアレンタウン市のペンシルバニアアート博物館のケイト・フォーラ・マリー-スミスの学芸員です。 図録 展覧会の図録は、英国エール大学プレスとバード大学院センターの共同で出版されます。ホームフロント(銃後)のプロパガンダであった、戦争柄の布を包括的に研究した最初の出版物で、著名な学者の戦争に関する随筆も含まれます。 1,客員学芸員のジャクリーン・M.アトキンス著「銃後のプロパガンダ:メッセージを伝えた衣服とテキスタイル“Propaganda on the Home Fronts: Clothing and Textiles as Message”」 2,マサチューセッツ工科大学の日本史教授で、ピューリッツァー賞受賞者のジョン・ドーバー著「日本の美しい、モダン戦争“Japan’s Beautiful, Modern War”」 3,ニューヨーク大学のシネマ学の教授、アントニア・ラント著「戦争における英国の文化的なアイコン(偶像):ポテトもまたプロテクティブ“Cultural Icons of Britain at War: Potatoes are Protective, Too”」 4,ウルフソニアン・フロリダインターナショナル大学のチーフ学芸員のマリアンエ・ラモナカ著「アメリカのビジョン: 第二次世界大戦のプロパガンダ“An American Vision: Propaganda from the Second World War”」 5,川村学園女子大学の若桑みどり教授著「十五年戦争時代と戦意昂揚のキモノ “The Fifteen-Year War and War-Promoting Kimono,”」 6,武蔵野美術大学の柏木博教授著「デザインと戦争、座敷芸的プロパガンダとしての着物 “Design and War: Kimono as ‘Parlor-Performance’ Propaganda”」 7,バード大学院のパット・カーカム教授著「銃後の士気を保って:戦争時の英国の美と義務、“Keeping Up Home Front Morale: ‘Beauty and Duty’ in Wartime Britain,」 8,ポール・レニール著「ロンドンスクエア:戦争時の英国のスカーフ"London Squares: The Scarves of Wartime Britain"」 9,ウィスコンシン大学のベヴァリー・ゴードン教授著「色を見せて:アメリカ “Showing the Colors: America”」 関連プログラム 講演、パネル、その他の企画が「ウエアリング・プロパガンダ展」に関連して行われます。詳細はprograms@bgc.bard.edu、または212-xxx-xxxxにお問い合わせください。 ガイドツアー 「ウエアリング・プロパガンダ展」のガイドツアーは2月末から3月にアトキンス教授が、展示解説をする予定になっているようです。詳細後報 ホノルル・アカデミー・オブ・アーツは 900 South Beretania Street Honolulu.HAWAII ホームページは、こちらです 詳細はホームページをクリックして下さい 展覧会はThe Blakemore Foundationの援助を受けています。 詳細は以下にご連絡ください。212-501-3000 or e-mail generalinfo@bgc.bard.edu.
|
表紙に戻る |