TA-E7B プリアンプの修理

アナログメーターの付いたアンプが欲しくて、ネットオークションで探してみると、1977年製、TA-E7Bの故障品が出ていました。出力せずということなので、簡単に修理できると見込んで、競り落としました。5,750円でした。古いアンプとしては、ちょっと高かったかな?ちなみに、発売当時の定価は、15万円でした。

なんか、フロントパネルとかにガムテープのノリがべたべたと付いています。

落札から2日後に到着しました。早速、動作確認します。確かに出力が出ていないです。

修理にとりかかります。上蓋を外しても、まだその下に蓋がありました。

アンプのブロック図が書いてあります。この頃の流行りだったようです。

 

さらにカバーを外すと基板がみえてきます。中央に位置するプリアンプらしからぬ大きさのケミコンの隣の基板は、なんとメーターを駆動するアンプです。裏パネルには、MC HEAD アンプが張り付いています。ボリューム基板にあるのがフラットアンプだと思われます。

こちら側には、故障箇所は無いようです。

アンプをひっくり返して、裏側のカバーを外すと、電源基板が見えてきます。隣がRIAAのEQ基板のようです。

早速、電源電圧を確認すると、+24Vが出ていません。ヒューズ抵抗が切れていました。トランジスタと出力ケミコンも交換します。これで音が出るようになりました。

 

 

しかし、DCが出ています。フラットアンプの電源の+25Vが6Vくらいしか出ていません。ここもヒューズ抵抗が切れていましたので、あり合わせのふつうの抵抗に交換します。ヒューズ抵抗は、経年変化で抵抗値が大きくなって、最後は切れてしまうようです。ここも出力ケミコンを交換しました。下のゴムが,かなりはみ出ていました。

この7点の部品が故障していたようです。

 

信号を入れて、レベルメーターを調整します。ゼロ調整だけで他は合っているようです。

フロントパネルに付いているガムテープのノリをアルコールで拭き取ります。かなり頑固でした。ごしごしと拭くとレタリングがとれてしまいそうですけど、パネルの文字はレタリングじゃなくて、なんとエッチングで彫り込まれています。いくらこすっても大丈夫でした。

 

一応、音が出て、レベルメーターもまともに動いているようですので、試聴してみます。

今まで使っていたアンプ TAE-5450との比較試聴となります。

音像が前に出てきました。また、残響音も綺麗です。ドラムの量感があります。こんな音の違いは、周波数特性には出てこないんですよね。電源の質量の違いとか、厳重なシールドとかが違うのかなと思ってます。また、裏側のピン端子と表側のコントロールの配線間にコネクタが無くて、ワイヤラップで直結されているのが、TAE-5450と違うところです。このTAE-5450は、さすがに古くて、コネクタ部分を動かすと、接触不良で音が出なくなったりしてましたから、やっぱりコネクタがあるのは良く無いようです。でも、このTA-E7Bみたいに、コネクタ無しで直結というのは、組み立てが難しそうだし、そこらへんが壊れると修理が大変になりそうですね。

試聴の結果、音は良いようですので、TAE-5450は引退して、これからは、このTA-E7Bを使っていくことにします。

(2004/09/12)

 

また、PreOUTにDCが出てパワーアンプが壊れてしまいました。

段間の結合に100uF/6.3VのタンタルCを背中合わせにして使っているようですが、これがショートしていました。タンタルCの使用上の注意を無視した危ない回路です。47uFのBPコンデンサに交換して修理完了しました。

肝心の音は、なんか派手さが無くなってふつうな感じになりました。いいのか悪いのか...タンタルCを音の味付けに使っていたのでしょうか...

(2007/05/07)


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