設立趣旨


  現在、湯布院町は年間400万人の観光客が訪れ、日本でも有数の観光地の一つとしてその名が挙げられるようになりました。しかし、その一方で、観光開発による町並み景観の乱れ、過当競争の中で、競争力のある町外資本の店が増加したものの町内資本の店は減少したり、ゴミが増加したりと、経済的なメリットに反比例して、暮らしの安定、安心の生活空間が荒廃しているのが実態です。また、少子高齢化、高齢者のみの世帯・独居老人の増加、農業従事者・後継者の減少、農地の減少といった問題は湯布院とて例外ではありません。今、自治体も財政が逼迫し、なんでも行政に頼るような在り方は見直さざるをえません。これからは住民どうし知恵と力を出し合って行動する、真の住民自治が求められています。
 そのような中、「農」が持っている多面的機能を活用し、人が暮らし、生きていくための食、福祉、教育、環境、エネルギーに関わる総合的な機能を地域に回復し、もって地域の子どもたちやお年寄り、障害を持っている人たち、社会に出ることに戸惑っている若者たちなどの居場所をつくり、誰もが地域の中で安心して生きられる地域共生社会の実現をめざします。
 これまで続けられてきた湯布院の様々なまちづくり文化活動に対しても積極的に連携、支援を行い、地域での文化、教養、芸術面における生活の質を高め、内面的にも充実した豊かな暮らしづくりに寄与することをめざします。
 また、地域の安定は地球環境や国際平和と切り離しては考えられず、草の根の国際交流などを通じてこれからの地球時代にふさわしい国際感覚を持った地域住民コミュニティの実現をめざします。
 真に良質な観光は、地域の多様な豊かさの上に初めて実現しうるものです。また逆に、地域の多様な豊かさも外からの人や視点に刺激されながら相補的、相乗的に発展できます。内と外を繋ぎ、お互いに交流をする中で、地域内、外の元気な活力を高めていきたいと考えています。
 以上の目的を達成するために、私たちはここに特定非営利活動法人 ムラづくりNPO 風の原っぱ を設立することと致します。

戻る