冬枯れの北峰西絶壁。(H18.4.7撮影)
三俣北峰には二つの断崖絶壁がある。一つはこの西面、もう一つは北面の絶壁である。
北面の絶壁はまったく近寄る事が出来ず長者春の里から遠く眺めるだけである。
それに比べ、この西絶壁はこの様に本峰から至近距離で俯瞰する事が出来る。
北峰北斜面は九重連山の中でも1、2位を争う急傾斜である。
それは例えば牧ノ戸峠方面から見ても傾斜角45度以上には見えるし、
遠く大分市内からもその突き出た鋭い姿を見る事が出来る。
そのせいか何時も崩落を繰り返しており、H17年夏の大雨で大崩落を起こし、
指山コースは流失し通行困難になった。
マンサク、シャクナゲ、ヨウラクツツジなどの花の名所でもあり、彼女達の安否も心配である。
新緑の北峰西絶壁。(H15.5.9撮影)
これは上の本峰からのショットと違い、大鍋の鞍部からのものである。
本峰からのと違い、鋭く加速度的に駆け下る絶壁の稜線が何とも言えない迫力があり私は好きだ。
断崖絶壁のミヤマキリシマと始めての御対面。(H17.6.7撮影)
九重連山の中でミヤマキリシマと言えば平治岳、大船、扇ガ鼻がメジャーな名所である。
しかし、この年はミヤマキリシマの当たり年となり、三俣なども大咲きとなった。
三俣南峰南面、W峰南面も見た事のない素晴らしい咲きっぷりとなった。
北峰西絶壁も写真の様にチラホラではあるがマズマズで、私は始めて見たので
感激の御対面となった。
冬の九重は山も危険だが、登山口までのアプローチが怖い・・。
私はカチカチに凍結した道路は大の苦手で見ただけで身体がすくんでしまう。
若い頃オートバイに乗り、凍結した道で何度となく転倒し命を落しかけた事もあり、
その頃の恐怖感が身体に染み付いているのだと思う。
この日も道路情報を入念に見てチェーン規制が解除されたタイミングで出かけた。
そのためか深い雪に閉ざされた厳しい光景になかなか逢う事が出来ないが、
そんな私にとってはお気に入りの1枚になっている。

 「燃える北峰西絶壁」(H22,10.22撮影)
私の定点ショット。 ここを通った時は必ず撮る。
今日の太陽光線は西に行くほど赤みを増して絶壁は眩しく浮かび上がった。
あまりの鮮やかさにしばらくの間ジーッと見入ってしまった。
こんなに美しく迫力のある紅葉の北峰西絶壁は始めてだ。
しかし、ここで休憩していると冷たい風が指山の方から吹き上げて来て、
いよいよ厳しい冬の到来を感じさせる。