龍の火炎吠える! (H20.4.5撮影)
「シャー!、バリバリ!、ゴゴー!」 なんと恐ろしい光景であろうか・・。
炎の乱舞などと言うものではない。猛り狂う炎の咆哮と言うしかない。
風に煽られ、樹木、ススキに含まれる油の成分が数百度の高温で燃え、渦を巻き、
熱が熱を呼び、あらゆるものを数秒で焼き尽くす・・燃えると言うよりも爆発している・・
私は毘沙門天の背中で燃えている灼熱の炎を思い出した。
燃えたあと、漆黒の大地と化した坊ガツルでは数日もしないうちに草花達の新芽が顔を出して
本格的な春の到来を告げる・・なんと壮大な自然の営みであろうか・・。
バックはブランド平治岳である。
   燃え盛る炎が坊ガツルに春を呼ぶ (H20.4.5撮影)
3年ぶりに坊ガツルに野焼きを見に行った。
坊ガツル湿原はH17年にラムサール条約に指定され、
その保護活動として毎年春に野焼きが行われている。その燃え盛る炎の迫力は凄まじい・・。
特にここは九重連山をバックにして炎の円舞を撮影する事が出来、人気がある。
初めの頃は私は夢中になり炎の中を走り回り写真を撮りまくっていたがあとから気がついた。
私は遊びであるが、点火したり、延焼防止で走り回っているおじさん達は真剣の思いであると・・。
ましてや、一年前から輪地焼きとかの準備をしており、今日は百数十人のボランティアで
行っており大変な事らしい・・本当にご苦労さまです・・。
今日は点火しながら歩くおじさんが、「厳しい人生(炎)の中を歩き続ける旅人」に見えた。
     火の渦、大船を焦がす・・ (H24.3.27撮影)
   今回はキャンプ場の定点で、ボランティアのおじさん達とお喋りをしながらの野焼き鑑賞・・。
   最高司令官が一人いて、風向き、風の強さを考えて火を放つタイミング、ポイントを指示するそうである。
   坊ガツルの中央部から炎の津波が押し寄せてきた・・。
   そのスピードは凄まじい・・。
   熱が熱を呼び、炎は渦を巻き、千切れ飛び、唸りをあげて坊ガツルの空に舞い上がる・・。
   燃えていると言うより爆発そのものだ・・。
 坊ガツルの野焼きは楽しい   (H31.3.16)

坊がつるは昭和30年代までは牛が放牧され、野焼きなども実施されていた。
しかし、昭和40年代になると、畜産農家の高齢化などにより、放牧も野焼きも行われなくなり、
雑木林になり、荒れ放題となった。
坊がつるの美しい自然を元に戻すべく、九州電力(株)、地元行政、各種団体などが協力し、
H11.9月、「坊がつる野焼き実行委員会」を発足させ、H12.3月に32年ぶりに野焼きが復活した。
H17年に「ラムサール条約登録」を受け、益々力が入り、100〜150名のボランティアの皆さんの
協力のもと、毎年実施されている。
坊がつるの野焼きは楽しい・・
比較的、炎のそばに近づけるし、ブランドの山をバックにパチリが出来る・・
今回は右から大船山、北大船山が入った・・
でも、変にウロウロしていると、ボランティアのおじさんに叱られる(苦笑)・・
  大船よ・・この感動をありがとう・・(H27.12.1撮影)

山荘前の特別ロイヤル席に座り、暮れゆく大船山と対話です・・
大船には沢山の思い出が詰まっている・・
私を何度も慰め、鍛えてくれた・・
九重連山の影がゆっくりと大船山腹を昇って行く・・
ジーッと眺めていると胸がジーンとなってくる・・
狙った訳ではないが、最高のバランスで九重連山の影が大船山腹に映った・・
北大船山頂真下に吊り尾根の影があり、大船真下は白口、稲星の影か・・
大船の岩稜部の輝きが眩しい・・