その1 一目山より涌蓋山へそしてひぜん湯
 それは5月のゴールデンウイークであった。九重の吉部の新緑に包まれたバンガローで一夜の宿をとったあと、あまりにも湧蓋山が美しくみえたので、それに登ろうということになった。

 車で筋湯経由で八丁原まではしらせ、そこに車をおいて一目山へと登りだした。5月とはいえ、その日やや風の強い中、一目山への登りは楽ですぐに頂上に立つ。例によって三角点を観察してその周りで今西流バンサイをして湧蓋山への、縦走路とまでも言われないが草原状になっている尾根を湧蓋へと向かう。丁度真中くらいにみそこぶし山のピークがある。その山頂には電電公社の大きなパラボラアンテナがあり遠くからでも目立つ山である。

 そのピークまでが一目山より約40分、みそこぶしを越えるといったん湧蓋越まで道は下っており、ここで筋湯方面から来た道と合流する。湧蓋分かれより山頂までがこのルーでハイライトだ。やや急な登りであるがそれでも湧蓋越から30分で頂上へ。歩き始めて2時間で山頂に着いた。例によって三角点を囲んでバンザイで喜びをあらわす。

 山頂から九重の山の展望はまったくよくみとおせる。下山と湧蓋越までは同じ道を引き返しそこからは筋湯への登山路を忠実に下る。おりついたところにひぜん湯がある。登山道が旅館の中をとおらねばならないように作ったひぜん湯の宿も今は素泊まりだけという。早速温泉に入る。非常にあつい。しかし何と気持ちいいことか。前の川では「あぷらめ」をついている。湯よりあがって前のベンチでおそい昼食をとる。まわりにはバンガローがあり夏には賑わいをみせることだろう。「山のいで湯愛好会」なるものを作って第1回の記念山行がこの湧蓋山とひぜん湯の組み合わせでやれて、この会にマッチするコースを選定できて大いに満足できた一日だった。

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